あらすじ
「買わせてくれない? 君の時間を、月20万円で」
高校2年の冬。枕元には母の骨があった。長く闘病した母が死んで、一度も頼れたことなどなかった父は蒸発した。
全てを失った少年・坂田は、突然目の前に現れた西川と名乗る男に、奇妙な取引を持ちかけられる。
母の葬儀代を稼ぎたい一心で応じた坂田に、実は同い年だという西川が提示した条件は、更に不可解なものだった。
1.毎日、高校にくること
2.僕と同じ大学に合格して通うこと
3.今日から友人として振る舞うこと
金で結ばれた関係はやがて説明のつかない「本物」へと形を変える。愛に飢えた少年たちが紡ぐ、透明な青春譚。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
泣いた
いつのまにか泣かされていた
少しずつ、“さっちゃん”の心に血が通っていって、愛を受け止められるところにたどり着けてよかった
“香月”の渡したものが愛になってよかった
死、はひとつの別れだけれど、亡くなった人が全て消えてしまうわけではない
著者は大きな喪失を味わって、そこから進んだひとなのかな、とも思った
筆を折る覚悟の中、書かれた話だとあとがきにあって、受賞してこの作品が世に出てよかった
ミニシアターの映画を見ているような、ひっそりとしてるけれど、心に残るお話だった
Posted by ブクログ
涙がだばだばになる綺麗な愛の話でした。家庭環境に難のある坂田くんと豊田くんの同類間の友情も、神様に愛されすぎてしまったんじゃないかってくらい生まれ育ちも心も綺麗な西川くんから坂田くんへ贈られるエゴの入った気持ちも、その繋がりから生まれた人の縁もひたすら綺麗でよかったです…触ったら壊れちゃいそうなくらいどこもかしこも繊細で透き通ってる物語が沁みました。
いっぱい泣けました
タイトルと表紙でああ、好きだろうな。と思って読みました
やはり好きでした。
愛の形は人それぞれ、受け取り方も人それぞれ。
登場人物みんな、それぞれの愛を持っていて押し付けたりしない、優しい作品でした。
Posted by ブクログ
夜間工事現場でバイトをしている坂田の前に
「買わせてくれない? 君の時間を、月20万円で」
と現れ告げた少年西川。
親もなく金もない坂田に断る事を選ぶことは出来ず…。
こんなに「愛とは?」を考えさせられ切なくなった作品は数える程しか読んだ事がないです。
坂田の境遇とあまりにも違い過ぎる西川への複雑な思い。
西川の坂田への執着。
契約を結び「友達」になって欲しいという西川の本当の理由と真実に涙が止まりませんでした。
2人で海辺で過ごすシーン、2度ありますが2度目はもう切なくて。
西川が坂田に手渡した「愛」は永遠に変わらないと。
あとがきの先生の言葉、私も共に探します。
Posted by ブクログ
いやー無理無理無理
しんどいがちで
死んじゃうの!?え!?ハピエン厨爆死なんだけど
大号泣すぎて無理
ただただ萌えを摂取できるだけの作品かと思ってたら大火傷だった泣
西川君が最後に送ったものは愛でもあり呪いでもあるんだろうな。
Posted by ブクログ
父が蒸発し、母が死んで独りになった男子高校生が、金持ち男子高校生に買われる話。
とまとめると、とんでもライフが始まりそうだけども実際は「愛」の話。
愛は受けとる側が愛と認識しなければ、どんなに渡しても染み渡ることはない。
恋愛とか親愛とか友愛とか色々な愛が、色々な形で出てきます。
でも、どの愛も根本は一緒なのかな。
金持ち男子高校生の秘密が明かされてからの展開には思わず涙。