あらすじ
毒疫に覆われた帝国・剋。現帝の崩御により混乱を極める中、慧玲は変わらず後宮食医として治療に努めていた。
元宵祭の夜、失踪していた皇太子として帰還した鴆と特別な感情を確かめ合った慧玲。しかし、宮廷に滞在していた蜃王に見初められてしまう。
二人の気持ちが交差する中、身に宿る鳳凰の力によって大規模な解毒を行った慧玲は、その反動で命の危機に瀕してしまう。一方、鴆は彼女を救える特別な毒杯の調査を進めるが――毒疫の核心に迫る時、ついにあの人物が動き出す。
◆◆◆登場人物◆◆◆
【慧玲(フェイリン)】
暴虐を尽くした先帝の廃姫であり、毒を熟知する白澤一族の叡智を受け継ぐ最後の末裔。助命と引き換えに、皇帝から毒疫の治療を命じられる。
【鴆(ヂェン)】
怪しげな翳をもつ美貌の青年。宮廷で活躍する風水師だが、その正体は毒を操る暗殺者。毒の効かない慧玲を気に入り、なにかと揺さぶりをかけてくる。
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Posted by ブクログ
人の身の内の変異を白澤の知識と食で改善していくシリーズ三巻。
巻を重ねるごとに謎が少し明かされて面白くなり、慧玲と鴆それぞれの想いの深さと重さと複雑さに胸が引き絞られます。
純粋な病でも妖でもない、毒疫という不可思議な現象、そして巻末に明かされた神話級の爆弾に今後も目が離せません。
二人の関係性も男女の単純な恋や愛とはまた違っていて、言葉にするのが難しく身悶えするほど。
慧玲を愛でつつ堕としたい鴆の行動が全て、慧玲を支えて抱き締めてそして送り出す事に終始しているのに、その献身さの裏側が闇と地獄と共鳴なのか。
あとこのシリーズ、単純な薬膳とか病気とか妖怪とかじゃない新ジャンル(?)なのがいいです。
どっちかと言うと神話系だから封神演義みたいな?
続きがまた楽しみです。