あらすじ
暴虐な先帝の死後、帝国・剋の後宮は毒疫に覆われた。毒疫を唯一治療できるのは、特別な食医・慧玲。あらゆる毒を解す白澤一族最後の末裔であり、先帝の廃姫だった。
処刑を免れる代わりに、慧玲は後宮食医として、貴妃達の治療を命じられる。鱗が生える側妃、脚に梅の花が咲く妃嬪……先帝の呪いと恐れられ、典医さえも匙を投げる奇病を次々と治していき――。
だが、謎めいた美貌の風水師・鴆との出会いから、慧玲は不審な最期を遂げた父の死の真相に迫ることに。
◆◆◆登場人物◆◆◆
【慧玲(フェイリン)】
暴虐を尽くした先帝の廃姫であり、毒を熟知する白澤一族の叡智を受け継ぐ最後の末裔。助命と引き換えに、皇帝から毒疫の治療を命じられる。
【鴆(ヂェン)】
怪しげな翳をもつ美貌の青年。宮廷で活躍する風水師だが、その正体は毒を操る暗殺者。毒の効かない慧玲を気に入り、なにかと揺さぶりをかけてくる。
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Posted by ブクログ
ただの疫病ではなく、五行思想が絡み人が木になったり鉱石になったりする毒疫が出てきて、その世界観に引き込まれました。
薬膳と言いつつ毒を使って毒を打ち消していたり、自身の事を薬と形容しながらも内に毒を宿していたりと、相反するはずの毒と薬が同じものとして出ており、綺麗なだけではないからこそ惹かれる気がします。
一見、正反対に見えつつ似たところのある慧玲と鴆の関係がどうなっていくのか、楽しみです。
Posted by ブクログ
毒疫の設定がユニーク。
実在する薬膳を絡めながらファンタジー要素も盛り込んであって面白かった。
アボカドがそのままカタカナで出てきたのには「ええー……」とはなったが。
世界観……カレーは漢字だったのに。
推理ものとしても面白い。
そして後宮ものらしいドロドロした展開もある。
主人公が抱えていた秘密も、救済方法が皆目見当がつかない感じの絶望感漂うもので驚いたし。
ヒーローも全身毒なので、一筋縄ではいかない相手。
安易で平和なハッピーエンドは望めそうもない世界観である。
とにかく様々な設定を次郎系ラーメン並に盛りに盛った感じのお話だった。
毒あり後宮ドロドロあり推理あり恋愛も少しあり、人も割とえげつない感じで死ぬよという。
裏の読めないキャラも多数登場で安心して読めない。
それでいてぐいぐい読ませてくるのだから、ただものではない。
2も翌月出るとのことなので、引き続き読みたいと思う。