あらすじ
「闇バイト」がなくならないワケとは?――
2023年1月19日、東京都狛江市に住む90歳の女性が
自宅で殺害されているのが見つかった。
女性の遺体には激しい暴行の跡が見られ、これまでとは次元の違う強盗殺人事件として世間を震撼させた。
本件をきっかけに注目を集めたのが、「闇バイト」といわれる犯罪だ。
指示役に集められた素性のバラバラな集団によって行なわれる犯罪で、同種の事件は後を絶たない。
中でも詐欺よりも手っ取り早く稼げる「タタキ(強盗)」の増加が危険視されている。
本書では、非行経験のある犯罪学者が当事者たちを取材。
闇バイトを取り仕切る半グレや犯人の更生に従事した保護観察官の声から見えてくる、その真実とは。
最終章では、闇バイトを生み出す日本社会の闇を分析。
失うもののない「無敵の人」を生み続ける構造に警鐘を鳴らす。
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Posted by ブクログ
受け子等の個人情報を押さえて恫喝し、逃げられないようにして人員確保。適宜情報を削除する、首謀者を不明確にする等した手口。首魁は検挙されず、受け子等を補充して新たな犯罪を実行する構造。
闇バイトに走る若者の動機について、本書ではコロナ禍でバイトが途絶えて金に困って加担した例が挙げられるが、自分は刺激を求める心理や自分は大丈夫といったバイアスもあるのかと思う。
特殊詐欺当事者曰く、懲役のリスクや各人への分配額の少なさといった割に合わない実情もあるようだ。しかし出所後には正規の職につきにくい状況に陥るため、再度犯罪に至ることも。闇バイトの横行する現状は、一度脱落したら社会復帰の難しい社会の課題なのだろう。
Posted by ブクログ
また趣味の悪い本を読んでしまった。怖いもの見たさ(知りたさ・読みたさ)ですね。著者が福岡の方で、色々納得。同じ大学の出身でした。北九大ってそんな勉強もできたのね(笑)。
少し前に、強盗のニュースがすごく多くて、「闇バイト」っていうワードが一気に広まった。ほんとに、闇バイトに応募して犯罪に加担する若者たち(いや、若者とは限らないらしい)、なんてバカなんだ!と思うけど、どんな人が、どんな思考回路で闇バイトに足を踏み入れてしまうのか、取材したことを交えながら解説してあり興味深かったです。
いたちごっこかもしれないけど、末端の使い捨てられる若者を逮捕するだけでなく、この本で明らかにされているような闇バイトの構造自体をなんとかなくしてほしい。そして、安易な考えでラクしてお金を稼ごうとする思考回路に至らないために、教育が大事だと思った。
私なりに教育現場で一生懸命頑張っているけど、最近は不登校(ひきこもり)も多くて、学校にこない子どもたちも、学校に代わるしかるべき場で、将来貧困に陥ったり、安易にSNSで情報を集めて間違った判断をしたりしないように、学ぶ環境が大事だと思う。