【感想・ネタバレ】制度複雑性のマネジメント 論理の錯綜と組織の対応のレビュー

あらすじ

各自がそれぞれの属するコミュニティの論理に従って「正しい」と信じて疑わないことを行っているだけなのに、それがコンフリクトを生み、解決が難しい状況となる。このような<話の合わない>事例は、社会にあふれている。

本書は、このようなコンフリクトが引き起こされる状況を「制度複雑性」と解釈し、解決の糸口を探る。題材にするのは、科学と事業の関係であり、その連携が複雑化する中、いかに科学の論理と事業の論理の対立をマネジメントし、イノベーションを生み出していくのか、その方策を追究する。

協働に伴って、必然的に顕在化する複数の論理の錯綜とコンフリクト。これを分断ではなく、新たな創造性を生み出す機会へと昇華させるための、「制度ロジック」の視点からのアプローチである。

イノベーションを生み出すべく、科学と事業の関係に関与する実務家や、さらには、<話の合わなさ>に直面し、苦悩する人々にも、多くの示唆を与える研究成果をまとめている。加えて主要な章には「ノンテクニカルサマリー」を収録し、一般の方にも読みやすく工夫され、好評を得ている。

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Posted by ブクログ

私は経営学研究科の博士後期課程に在籍している。修士論文も、あるいは、これから書こうとする、博士後期課程での論文も、「新制度派組織論」という理論をベースに論文を書こうとしている。本書は、新制度派組織論の中の、「制度複雑性」という概念を中心概念に書かれた書籍である。
新制度派組織論とはどういうものか、ということを書き始めると長くなるので、この感想文では書かない(今後、他の新制度派組織論に関する書籍を読んだ際に書いてみようと思う)が、私の修士論文は、これまでの理論ではうまく説明できなかった現象が、新制度派組織論を使って分析すると、うまく説明できるという内容のものであり、その現象、というか、対象としている制度は、「ジョブ型雇用」制度であった。
多くの会社が、人事制度改革の一環として、ジョブ型雇用制度を導入しているけれども、日本的雇用慣行全体で見れば、大きな変化は起きておらず、また、実際にジョブ型雇用制度を導入している企業も、よく制度をみれば、年功的処遇制度の修正版とでも言えるような内容である。すなわち、現状のちょっとした変更を、「人事制度改革」と謳ってジョブ型雇用制度を導入しているのはなぜだろうか?ということが主たる関心の論文であった。
結論的には、それは、別に効率性や効果性を求めて導入したものではなく、外部に向かって、「当社は改革を行っている企業ですよ」ということを示すための制度ラベルとして用いられているというものであった。要するに、一種の「やったふり」みたいなものである。

博士課程では、それはそうなのだけれども、でも、実際にはジョブ型を導入した企業と導入していない企業があるけど、すなわち、「やったふり」をしている企業としていない企業があるけれども、それはなぜだろう、というのが、いわゆるリサーチクエスチョンである。
論文を書くためには大量の文献・論文、いわゆる先行研究に目を通す必要がある。この分野で必ず目を通しておくべき先行研究の多くが英文論文であり、これは、目を通すだけで非常に時間がかかる。
博士課程を3年で終えることは、既にあきらめており、まぁ。5年くらいかけて、じっくり研究しようと考えている。

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2026年07月19日

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