あらすじ
大聖女メイフィートは、育ての恩師に報いるため「献身、慈愛を美徳とし、他者のために尽くす」という本来の自分の性格とはかけ離れた聖女の偶像を何年も演じ続けていた。しかし、王子に見知らぬ聖女の暗殺未遂などの罪を着せられたことで、彼女の我慢はとうとう限界を迎えることになる。メイフィートは神殿で暴れた後、正体を隠ぺいして旅に出るのだが、彼女がいなくなった王国には大聖女を失ったことで様々な災厄が降りかかることとなり……。猫を被っていた元大聖女による冒険漫喫ファンタジー、ここに開幕！
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男前ヒロインの冒険譚
『聖女』という言葉からイメージするヒロインはどんな人？
美しく慈悲深い女神のような人？それともひたむきで可憐な美少女でしょうか？
この作品のヒロインはそんな皆様のイメージを壊さないように、それこそかなり強力な猫を被り続けてきた様子。そう、プロローグでポンコツ王子にアッパーカットをお見舞いするまでは...。
訳のわからない茶番で『大聖女』の地位を剥奪され、追放されそうになったメイフィート。素の彼女は大人しく追放されるような性格ではなかったようで、自ら自由に生きる道を選びます。
元々が貧民街育ちのガラッパチ。スパルタ教育で鍛えてくれた先代への恩返しで大聖女をやっていただけで、国や王家への忠誠心もなければ無私無償で人助けに精を出すようなボランティア精神も持ち合わせていない...。そんな元大聖女様の冒険譚が始まります。
素のメイフィートは『聖女』のイメージからはほど遠くても基本的に義理堅く、友情を尊ぶタイプ。１杯のポトフのお礼に迫害される獣人たちに力を貸し、親友の危機にも迷わず駆けつけます。その度胸と行動力がとにかくカッコいい！男前ヒロインなメイフィート、素敵です！
愚かな王子のせいで危うく滅びそうだった国も何とか立て直す目処が立ち、『業務引き継ぎ』を済ませたメイフィートは新たな場所へと旅立ちます。
物語はキリの良いところで終わっていて、読後感は爽やかでとても良いです。
次は獣人たちとの新たな国造りでしょうか。
続きが楽しみな作品です。
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