あらすじ
小早川さん。仲良くなったらなんになる?
人間関係も勉強もそつなくこなし、万事如才ない高校生となった飯嶋直幸(いいじま・なおゆき)。県下でもトップレベルの進学校に入学した彼は、なに不自由ない学園生活を手にした。
そんな飯嶋くんの前に立ちはだかったのは、クラス委員の小早川千尋(こばやかわ・ちひろ)。自らクラス委員に立候補し、邪魔なので副代表は不要と言いはなった眼鏡女子だ。席は中央最前列。
常にテンション高め、キレキレの彼女に、戯れに協力を申し出てみた飯嶋くんだったが、それは思いのほか純な反応で受け容れられてしまった。小早川さんの内面を知った飯嶋くんは、彼女を翻弄しにかかるのだが……。
Key所属の原画家・樋上いたる氏が企画原案を担当したPCゲーム『Rewrite』では、竜騎士07氏、都乃河勇人氏とともにシナリオを担当。アニメ企画進行中の『人類は衰退しました』、読者はもちろん各界人より絶賛された『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』に続く、田中ロミオのライトノベル作品第3弾!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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Posted by ブクログ
最高に素晴らしかったです。さすが田中ロミオ作品には一作も外れがありません、凄まじい。
本書のテーマは「空気」、前半の、どちらかというと小早川さんを愛でることに徹する展開にやや不完全燃焼を感じていたものの、事件が起きてからの緊張感は半端ではありません。
集団の空気、話を学級の空気に限ってもこれをテーマにした作品は数多ありますが、このような書き方は本当に心が抉られて、強く気持ちが動かされました。天晴!
最後のオチに関しては、空気に対してこう振る舞った結果、本来こういう世界が見えているはずであるという理想という感じでしょうか。現実はこうは上手くは行かないよと言われるかもしれませんが、こうも客観的事実としてあからさまではなくても、実際自分の心の持ちようではそのような世界に入っていけるし、精神充足度もこれに近いものになっていると私は確信しています。
激ヤバ鬼マスト!!
Posted by ブクログ
最初タイトルを見たときは「衝撃のアルベルトの親戚か?」と思ったけど、実際の内容は青春系ラブコメでした。それも、かなりリアルで痛々しい感じの。
やる気もなく、自分勝手な連中が集まったクラス。それでも、目に見えない形で空気というものは存在していて、それが最悪な形でハマってしまったクラス。
そんな中で孤立することを恐れず、ハッキリと物を言う小早川さんは、カッコイイと思う反面、無謀だと思った。そこが魅力で可愛いんだけど。
特に、後半の小早川さんが折れてからの展開が、こう、ものすごく興奮してしまいましたね。これまでの硬い印象だからこそ、ゲスいとわかっていても、グッと来てしまった。それからの主人公の行動には痛々しかったけど、それを払拭するクライマックスシーン、ずっと我慢していた鬱憤を晴らす炎と氷の剣無双は、凄く爽快だった。
だからこそ、もっとページを割いて描写して欲しかった。小早川さんが何を言ったのか、ここまでずっとリアルな世界を描いてきたのだから、読者にわかる形で見たかった。
でもまぁ、報われる感じに終わってよかったよ、本当に。
Posted by ブクログ
前作とストーリー構成は同じで、
起承転結がはっきりしている。
転が過剰に痛々しいのも同じ。
結がそれまでの流れブッチギリで
ハイエンドハッピーエンドなのも。
ちと、ご都合臭がw
でもおもしろかったから、All OK!
Posted by ブクログ
さて、ロミオ氏の作品というわけでまた独自の世界観があるなぁと。
主人公だけに見える、武器。
それが熱意だったり、嫌味という圧力だったりしたわけですね。
そういった意味で、
最初の灼熱から始まり、最後の灼熱で終わる。
そんな物語ですね。
内容としましては、いうこと(マナー?)を聞かないクラスを
どうにかして、良いクラスにしようとする物語。
主人公は最初、聞かないクラスの一人であったが
外から自分のクラスを眺め、ここは、井の中の蛙なんだなと。
自分もヒロインと共に、クラスを良くしようと決意。
しかしながら、うまくいかない。
うまくいかないどころかだんだんとこじれていき、
最終的には文化祭でうまくいくと思ったはずの恋愛も失敗。
それから、生徒会選挙が始まるわけですが。
一度こじれた中をうまく戻して、ヒロインを生徒会長にすべくやったたつもりが、
失敗。
そして、ヒロインの中が選挙に負けた途端に崩壊。
自分を見失う状況になる。
主人公は、壊れたクラスに一人立ち向かって……。
そして、最後にはやっとヒロインも立ち直り、恋人になったという。
話としては、失敗に失敗に失敗。
そして、成功に思えてスタート地点に戻ってきたというもの。
どうなってしまうのだろうかと、最後までドキドキしました。
やはり、成功させるには失敗は大事ですね。
それに加えて、成功を完全にさせる必要もないのだなと教えて頂きました。
Posted by ブクログ
キツかった…読んでて色々とキツかったです。終盤で問題が解決するまではずっと重いもの背負わされたような感じで読んでました。
あらすじには「ヒロイン観察系ラブコメ」とありましたが、そんな生ぬるいものでは無いと思うのですが。
でも面白かったです。どこがと言われると言葉にしにくいのですが…主人公側の描写かな?
ただ、ラストはこれでいいのかよ!?と内心思いました。(恐怖政治敷いてるだけっぽく見えた)
Posted by ブクログ
集団心理による集団の悪意。義務を果たさず権利を主張する人々。ひたすら空気を読むことを強要する風潮。色々考えさせられる作品でした。だからこそ、小早川さんみたいな人には生きにくいだほうな、と。主人公が小早川さんに惹かれ、彼女のために働くのも青春かな?仲違い、挫折のあとの復活が非常に爽快でした。最後は変わりすぎだろ、と思わなくもないですが。
Posted by ブクログ
田中ロミオ氏の暗黒面を具現化したような物語.
黒い,黒いぞ….
これならアナキンもベイダー卿になってしまう.
そしてそのパワーでパドメが….
面白かった….
面白かったんだけど何かトゲのようなモノががが.
Posted by ブクログ
クラスの痛い人を二視点目で描いた作品。
AURAもそうだったけれど、綺麗な流れになっており、話も面白い。
一方、結とプロローグが弱いように感じられた。
綺麗な流れでは合ったけれど。
また、「人類は衰退しました」のようなギャグ要素やブラックユーモアなどはないので、別の人が書いた作品と思って読んだ方が楽しめる。
Posted by ブクログ
感想のみ。
気づけば一気に読み終えてしまいました。読み終わった後に、人と年齢によって印象がだいぶ変わる作品だろうなと思いました。
主人公とヒロインの性格は両極端。ですが、どちらにも不思議な親近感がわきました。
読みながら考えていたことは、正しいこと=空気を読むことではない。では、正しいこととは何なんだろうか。正しさや正義などあるのだろうか…。
後半20ページ頃から急にホラーに思えました。楽しかったけど怖い感じ。前半も十分にホラーではあるのですが…。
ちなみに「廃墟」は経験したことがありません。
生徒会長と中目黒が好きです。
Posted by ブクログ
田中ロミオの書く「ヒロイン観察系ラブコメ」
人間関係も勉強もそつなくこなす万事如才ない高校生『飯島直幸』と、常にテンション高め、ガチガチの規律でクラスを混乱に陥れる『小早川千尋』の二人が織り成す物語です。
発売してすぐに買ったのだが、どうも読む気が湧かなくてほったらかしてた本ですw
学生時代に生徒会の仕事でもやっておけばよかったなぁと思いました。
ヒロインはちょっとだけデレます、でも本作では炎の剣を幻視させるほどにツンツンしてる小早川さんを楽しむのがいいかもしれません。
Posted by ブクログ
ひさびさにラノベ。無秩序で無気力で刹那的な教室の『空気』に立ち向かう女子高生・小早川さんと、それを何げに観察する主人公の少年。その目的は…。
物語的には前半の面白さに比べ、後半が若干スピードアップし過ぎてついていけない感じ?。「青臭い」部分を中2病的と切り捨ててしまえばそれだけだけど、しらけて「ただなんとなく」過ごす高校時代、その時間に対する危機感というのは分かる気がする。特に自分のように年取ってから振り返ると、「何やってたんだか」って感じ。もっと有効利用すべきだったんだろうと思うのだが、それもまた年取ったから分かることで、当時はどうしようもないよな、と身悶える1冊でした