あらすじ
100人に1人が罹患すると言われる 「統合失調症」。決して珍しくはない病気だが、幻覚や極端な妄想など通常の精神状態からは想像しにくい症状のため、その理解は必ずしも進んでいるとは言えない。
発症した時、本人の脳内はどんな混乱状態になっているのか? 闘病から社会復帰の過程まで、女性が自らの発症体験を、繊細かつ優しいタッチで描いたコミックエッセイ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
東畑さんの書籍紹介で気になり読み始めた。
もちろん同じ統合失調症という病名でもそこには人それぞれに個性があるのだが
「人の思いや言葉をそのままの意味で受け取れる幸せを守りたい」という表現は、特に家族や誰か支えてくださる人がクライエントの周りにいる場合には有効かもしれないと感じた。
また「信頼できる人がいたら少しでも信じてみてね」という言葉も大切かもしれない。
ただの自分語りではない
絵が上手い。温かみがとても良い。水彩の優しいタッチで、澄んだ空の高さや、家族の穏やかな笑顔に癒やされる絵だった。
内容も分かりやすかった。この方は、症状が出て辛かった時も、ご自身や周りの人間の事も冷静に見ているんだという事が分かった。もちろん個人差はあるが。拒薬される事があって困ったけど、こういう心理なのだと手に取るように感じることが出来た。
実は身近な病なのに、少し理解されにくいのには、デリケートに扱いすぎるという点があると思う。それではサポートする側と、される側の理解には繋がらないのかなと思った。
Posted by ブクログ
とても温かく、著者さんの優しく率直な考えや生き方が伝わってきました。
多くの人に読んでほしいし、精神疾患を自分ごととして少しでも考えて見るきっかけになってほしいな、と。
優しい色合いや画風が素敵で、それもこの本の魅力です。
Posted by ブクログ
「統合失調症」は、100人に1人が罹患すると言われている病で、決して縁遠い病ではありません。私の身近な人もこの病を患っていますが、症状はひまこさんほど重くなく、仕事もしているし地域の役割もこなせています。それでもこの作品を手にしたのは、同じように「統合失調症」と診断されている方はどんな風に生活しているのかを知りたいと思ったのと、この先どんな風に関わっていくのがよいのか、そのヒントを得るために読みたいと思って手にしました。
この作品はコミックエッセイで、Himacoさんの優しいタッチのイラストで、幻覚や妄想などの重い内容を描いているのだけれど、ふんわりと読める作品でした。ひまこさんは、短大を卒業し栄養士として働くなかで「統合失調症」を発症しますが、ひまこさんの様子をずっとみている家族と、発症後に関わることになる主治医やソーシャルワーカー、同じ病を抱える人々との関わりのなかで、穏やかに生活できるようになっていきます。
この作品を読みえおえて、「統合失調症」をより深く知ることができました。そして、実際に私たちにどんなことを望むかも描かれています。「統合失調症」であってもなくとも同じ、その人の持つ尊厳やその人らしい生き方を尊重しつつ、そっと寄り添える私でありたいなと感じました。
Posted by ブクログ
「ハートネットTV」等でテーマになることがたまにあって、それをみても統合失調症がどういうものなのかいまいちピンときていませんでした。
ネットスラングで使われることも多くて、なんとなくあまり触れてはいけないものなのかな…と思っていたフシもあります。
もちろん症状は人それぞれでしょうが、その中の1ケースとしてHimacoさんの発症までの過程や具体的な状況などをうかがえて、この病気がどういうものか少し身近に感じられた気がします。
まさか100人に1人が患うなんて想像もしていなかったし、発症のきっかけなんて本当にわからないものだと思うと、語弊があるかもしれないけれど身近な病気ではあるんだなと感じました。
描かれている状況はなかなかにヘビーですが、絵のタッチの柔らかさもあってとても読みやすかったです。
Posted by ブクログ
統合失調症、耳にしたことはあるけれど、具体的にどんな症状なのか、どんな人に罹りやすいのかなどは一切知らなかった。
無知からくる偏見を払拭してくれた1冊。
行きずりの人だけでなく車からも視線を感じたり、テレビの中の人達が自分の話をしていると思い込んだり。
複雑な内面世界が広がっているのだと思った。
重くて暗い話もあって読むのがしんどかったけど、鮮やかなタッチで描かれた絵がとてもきれいで最後まで一気読み。
100人に1人の割合でいると言われている統合失調症。
他人事じゃないからこそ、自分や身近な人が罹ったらどうするか、考えるきっかけになった。