あらすじ
■あらすじ
汪国の妃、玲秋は敬愛する幼い公主、珠玉と共に確かに死んだ。皇帝に愛されることもないまま、突如国で謀反を起こした第三皇子、紫釉により生き埋めにされたのだ。
――けれど、玲秋は生きていた。なんと二年も時の戻った状態で。
舞い戻った後宮で未来を変える方法を探ろうとした矢先、玲秋は後宮前でそこにいないはずの人物――紫釉と出会ってしまう。過去を思い出し警戒する玲秋をよそに、紫釉は珠玉の世話をする玲秋に対して好意的に接してきて……?
愛憎渦巻く後宮で数々の想いが交錯する、中華後宮輪廻恋物語!
■登場人物
・玲秋(れいしゅう)…後宮の末端妃。後宮の片隅で物静かに暮らしていたが、謀反の際に生き埋めにされ死亡。二年前の後宮に舞い戻る。
・紫釉(しゆ)…汪国第三皇子。突如謀反を起こす。玲秋が殺されたのは彼の命令らしいのだが……。
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Posted by ブクログ
生き埋めになるまでをまず丁寧に書いていたので、その悲劇性が増したというか。
読んでるこちらが辛かった。
そんな中、死に戻ったのなら、次こそは公主を助けるのが天命と自分のことは二の次で頑張る玲秋を応援したくなるというもの。
彼女の行動理念はどこまでも公主第一、だったんだけれども。
好意を抱いていたのに生き埋めの命令を出したのかと複雑な思いも感じていた相手、紫釉と再会してからは変わっていく。
何しろ今回の彼はやけに甘やかしてくるから。
あの甘やかし方といい、年齢にそぐわぬ頭の切れっぷりと先読みといい、彼ももしかしてと思ったら、ああやはりかという。
信じたいけれどまた裏切られたら怖い、というすれ違いは途中で解消。
彼もまた時間が戻っていることを知ってからは協力体制に。
後宮の中から外から、歴史を変えるために二人は奔走していく。
互いに互いを傷つけまいと、ときにはすれ違いながら。
途中までは面白かったのだが、急に明かされた死に戻りの件で混乱する羽目に。
複数回の死に戻りは必要だったかなあ?
必要性・必然性を感じなかったので。
惹かれ合う二人の想いがそれだけ深いのだと思わせたかったのか、某将軍の玲秋への執着の理由を見せたかったのか。
それにしては効果は薄く、とってつけた感が否めなかったので、一本に絞った方がよかった気がする。