あらすじ
「常に立ち返るべき郊外文化論の傑作」――速水健朗氏絶賛
米国においてある時期に、国民感情と結びつくかたちで大きな発展を遂げ、明確なイメージを持って定着するようになったサバービア(郊外住宅地と文化)――。
アメリカ映画を渉猟した著者が描く家族とコミュニティの光と影。
古書価格も高騰していた「郊外論」の先駆的名著が30年ぶりに復刊!
※本書は、一九九三年一一月に東京書籍より刊行された『サバービアの憂鬱 アメリカン・ファミリーの光と影』を改題の上、加筆修正して復刊したものです。
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Posted by ブクログ
あまり関係ないですが、『マルホランド・ドライブ4kリマスター版』を映画館で見て、デヴィット・リンチを生んだアメリカって、と思い読み始める。
1950年代に住環境が悪化した都市から大量の国民が郊外に逃れてきた。それまでの田舎とは違い、歴史や伝統がなく、新しく住居群を建て、家具家電を買い揃えた豊かなアメリカン・ファミリーの生活が始まった。平等である一方で、年収や価値観が均一化された住民同士の相互監視が始まり、ステップアップしてより良い郊外に行く人はいてもドロップアウトするルートは用意されておらず、黒人やゲイなどのマイノリティはそもそも排除されていた。そんな郊外の矛盾を描いてきた映画や小説が紹介されている。
アメリカ産の作品を見る際の補助線になるし、日本との比較も面白い。ただ、年代的に取り上げる作品は少し古いので、新しい作品を取り上げて解説した増補版を作ってほしいな。