あらすじ
浄土真宗僧侶が描いた、マンガで楽しく学べる仏の教え。
仏教好きヤンキーと頭でっかち住職の対照的な2人が、
それぞれの視点で仏の教えを解釈していく。
著者がこれまでSNSなどで発表してきた「ヤンキーと住職」の各エピソードを大幅に改訂。
話題になった「寺の危機」などを収録するほか、ヤンキーと住職のその後を描いた52ページの描き下ろし新作マンガも掲載。
・天上天下唯我独尊 ・娑婆 ・諸行無常 ・分別
・凡夫 ・卑下慢 ・誰がために ・三毒の煩悩 ほか
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
【フレーズメモ帳】
こないだ仏教入門を読んでたら、卑下慢という話が出てきたぜ。慢ってのは仏教の煩悩の一つだろ?人とひかくするってことだ。卑下慢だよ、仏教では卑下も慢心って考えんだろ?そこが面白ぇよな。自慢するのも自分の見方への執着だよな。ダメと決めて卑下すんのも、自分の見方への執着だよな。。。俺はダメというのも、俺は偉いというのも同じことだよ。立場を離そうとしないという意味では同じだよ。どちらも、自分が人と比較して、いのちの価値を判断できるというおごりがあるんだね。全部わかったつもりのおごりが。
本当に立派な奴はよ、自慢もしねぇけど、卑下もしねぇよな?
Posted by ブクログ
枚方蔦屋書店で行われたブックトークイベントに参加した際に購入。
普段何気なく触れていた仏教というものの新たな知見を得ることが出来た。
いくつもの心に残る言葉がありすぎてここには書き記せないくらい。
特に印象に残っている箇所は以下の2つ。
•頑張っている自分を誇るのではなく、頑張らせて頂いていることに感謝すること。
•他人と比較して慢心するだけでなく、自分を卑下することも慢心であるということ。
言われてみると確かにそうだなと腑に落ちるものばかり。
仏教に興味がなくてもどんな世代の人が読んでもどこかのページで出会えてよかったという言葉にきっと出会えるはず。
何にかの因果か、実家がちょうど作者と同じ浄土真宗本願寺派だったので、また機会がある時には積極的に話を聞いてみたいと思う。
Posted by ブクログ
やはり近藤丸さんは富山県民であった(プロフィール参照)。
前回はガツンとやられたけど、今回はヤンキーとの遭遇に驚き目から汗が出た。
コラムが秀逸すぎる。まえがきが安田理深師の言葉で始まる。作者の方は間違いなく真宗大谷派(お東)だろうと思ったら本願寺派なのである(再度プロフィール参照)。なんていうの?この西と東とか関係なく、真宗ど真ん中みたいなこの内容。あえて宗派いらないんじゃね?というこのまっすぐさ。打ち抜かれた。漫画だと伝わりやすい分、誤解を受ける可能性がある点を丁寧に説明している。コラムは必読。これだけで法話。
見た目からして「ヤンキー」と「住職」って対極というか決して同じサイドにいると思えないのだけど、すこしずつヤンキーとその仲間が人間として自分の中に向き合う対象として迫ってくる。本来、そうなんだ。住職の気づきは自分の気づきでもあるんだ。
いま、寺離れとか宗教離れとかいわれていて、やたら「わかりやすい」とか「親しみやすい」ということが言われたり、そういう方向性ばかりが取り上げられているように思うのだが、こんなにどまっすぐな真宗の本ってないぜ。住職は言う。
”お寺を何とかするために仏教を伝えないとと思ってたけど、
仏教を聞きたい人のためにお寺があるんだ
お寺のために仏教を伝えるんじゃない
聞きたい人がいて伝えるということがあれば…そこがお寺になる”
ほとんど漫画で200ページもないのに、お釈迦様の誕生、四門出遊、梵天勧請、初転法輪、果てはエーリッヒ・フロム、カルト問題まで現代の社会問題に関係するものまでカバー。すごい。すごすぎる。
仏教に初めて興味を持たれた方から、浄土真宗を知りたい方、どっぷり浸かっている方にも全方向でおすすめ。
Posted by ブクログ
未熟な住職とヤンキーの対話を通して仏教に於ける事物の解釈を著してくれている
仏教はどうしても宗教であり教えのように捉えられがちだが、仏教哲学という言葉があるように、単に先入観を極力排除して世界を把握するモノなのだと思う
その把握の仕方が、先入観で苦しむ解釈をしていた人にとっては救いや教えに結果的になることはあるだろう
先入観というのは社会通念や倫理観だったりもするので、それらに疑問を有しておらず、今悩みを抱えているような人に仏教は救いかもしれない
そんな人たちに向けての入門書として、とても入りやすい著作