あらすじ
なぜ資本主義を終わらせることができないのだろうか?
資本主義なき世界を私たちは“構想”することができるのか!? それが問われている。
歴史上、「資本主義の危機」は何度も言われてきた。
しかし、資本主義は幾度もその危機を乗り越えてきた。
これは、その想像力が私たちの想像力よりも勝ってしまっているからではないか。
資本主義が終わった後の世界を私たちは“構想”することが出来ていないため、資本主義は続いてしまっているのではないか?
いったい、これまでとは違う世界を私たちは見いだせるのか?
社会現象を起こした有名作品(フィクション)を手がかりに構想力を鍛えあげる、白熱の講義録!
大澤社会学の最前線。
有名作品を入り口にして、資本主義社会の“その先”を考える。
第一部 対米従属の縛りを破れるか
取り上げる作品 『シン・ゴジラ』『木村正彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』他
第二部 善悪の枷から自由になれるか
取り上げる作品 『デスノート』『OUT』『薔薇の名前』他
第三部 資本主義の鎖を引きちぎれるか
取り上げる作品 『おそ松さん』『バートルビー』他
第四部 この世界を救済できるか
取り上げる作品 『君の名は。』『この世界の片隅に』『逃げるは恥だが役に立つ』他
※本書は2018年3月に小社より刊行された『サブカルの想像力は資本主義を超えるか』を改題のうえ、文庫化したものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
それ単体では取り扱いにくい概念を、フィクションを通してみるとすごい分かりやすくなる
フィクションは現実の一部を誇大して表現してるから、本質が見えやすい
個人的には夜神月のような純粋悪と、「偶有性」についての議論が面白かった
Posted by ブクログ
来月講演をお聞きする機会もありそうなので
読んでないと言うのも如何なものかと手に取る。
綻びを見せる資本主義。だからといって共産主義を
呼び起こせではない。
|マルクスだって、昨今、斎藤幸平さんが
|人新世の「資本論」でも指摘するように、
|共産主義の後がある。自然/人間/環境を
|繋ぐ思想が)
その次に進むには想像力が足りてないという
タイトルにも惹かれる。
想像力だけで解決をすることはないかも知れないけど、
それは一つの大きな原動力。
想像できないものは実現できないとは誰のことばだったか。
題材も個人的にも親しみやすい、サブカル/アニメも取り上げられ
読み進みやすい。
まぁサブカル自体、その前衛力で時代を変える/斜めから捉える
動きだろうし、親和性は高いのだろう。
タイトルに対する結論は明示されないかも知れないが、
それは読み手が考え、進めることが狙いなのかも知れない。
さまざまな思想/表現を斜めに繋ぐ論も好ましい。
この世に完全に断絶された、孤独な知や表現などない。
それは坂本龍一さんが思想家と分かり合えたと言うことにも繋がる。