あらすじ
多くの優秀な部将を抱えたことで有名な徳川家臣団。そのなかでも側近として家康に仕え、江戸幕府の樹立に功績を残した酒井忠次・本多忠勝・榊原康政・井伊直政の四天王に、服部半蔵・渡辺守綱など12人を加えた部将たちは「徳川十六将」と呼ばれ、絵画にも描かれてきた。彼らはどんな人物だったのか。従来のイメージを覆す逸話を紹介しながら、「戦国最強家臣団」の実像に迫る!
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Posted by ブクログ
絵画にも描かれた徳川十六将の謎を探る。
何故描かれたのか?何故十六将なのか?何故選ばれたのか?
第一部 「徳川十六将図」とは
第一章 「徳川十六将図」をめぐる議論
第二章 徳川家臣団の歴史
第二部 十六将列伝
第一章 松平一族
第二章 「旗本七備」の武将たち
第三章 武技に長けた者たち
参考文献有り。
多くの絵図が描かれた徳川十六将だが、論考自体が少なく、
いつから描かれるようになったのか?何故描かれたのか?
十六将に選ばれた基準と画面での配置は?など、
不明な事が多い。では何故この十六将なのか?を、
徳川家臣団の歴史と軍制改革の変遷等を見ながら考察。
更に、家康以前と以後の松平一族の姿や
徳川十六将の人物列伝で各々の人物像を探ってゆく。
で、この列伝が十六将の思わぬエピソード多めで面白い。
知将で海老掬いの酒井忠次。秀吉罵倒の榊原康政。
スタンドプレイヤーの本多忠勝。
赤備えで知名度アップの井伊直政の、以上四天王。
猪突猛進の大久保忠世と弟の忠佐。
殿の親友だからこその生き様な平岩親吉と鳥居元忠。
弓のスナイパーの内藤正成。高齢で中途採用の高木清秀。
「徳川十六将図」作成に関与?の槍の渡辺守綱。
他は、何でこの人が十六将?この人はいったい誰?など、
謎が深まるばかり。更に研究が進んで欲しいと思います。
Posted by ブクログ
家康さんのことはなんとなく知っていても、その家臣たちのことまではほとんど知らなかったわたくし、この本は迷わず購入。
著者はおもに企業集団や企業系列の研究をされているということで、「集団」つながりで、家臣団についても研究されているようです。
前半は、日本全国に所蔵されている「徳川十六将図」について。なぜ16人なのか、それはどのような基準で選ばれたのか、またどのような基準で配置されたのか、など興味深い。
中盤では家康の生涯をたどりながら家臣団の形成の歴史を見て、後半、いよいよ徳川十六将それぞれの人物列伝が読めます。生年と没年、人物関係、身体的特徴や性格、得意とする武器、どの戦いに参陣したか、さらには家紋など、細かい情報が満載。一人ずつの情報なので、参陣した戦いなどによっては重複しているところもありますが、だからこそ理解しやすくなっているように思います。
おもしろかった。ひとりひとりのエピソードを読むと全員に親近感が湧いて、その死にはやはり悲しくなります。中には、その実在すらあやしい人もいたりして。
個人的には、松平一族の歴史を知ることができたのもうれしかった。十六将図の多くに、それも筆頭に選ばれている松平甚太郎康忠という人物がいったい誰なのかという疑問から、松平一族の歴史をたどるのですが、三河のあちこちに子どもたちが分封されたので、松平家がいっぱいあるのですよ。初代の松平太郎左衛門親氏さんから系図が枝分かれしていき、その中で、家康のおじいちゃん清康さんの家系である安城松平家が、家督を継ぐいわゆる惣領家になるのですね。それが、いつどのように、という考察がかなり興味深かった。ここから天下の徳川家康が生まれたんだもの。
ということで、かなりマニアックな内容の本ですが、徳川十六将(図)や松平家について詳しく知りたい人にはおすすめです。
Posted by ブクログ
徳川十六将図が成立・展開する過程の既存論考を元にした考察が面白い。後半の列伝部分は説話を中心とした人物描写になっている。各種系図から検討される人物同定には興味深い点もあった。
Posted by ブクログ
地元愛知は大河ドラマ「どうする家康」の熱狂がありますが
今こそ、徳川家臣団について読んでおこうと思い、手にしました。
徳川四天王は有名ですが、16将となると名前を知らない武将もいる。
また、それが残っている本で武将が変わってくる、不思議な気持ちです。
そしてまた、四天王すら後付けのようなくくりであり
家康の家臣上位4名というわけではない。
家康が決めたというよりは、信長や秀吉からの評価による部分が大きい。
そんな初めて知る内容が多くありました。
これを読むと、松潤だけではなく、それを支える家臣役の役者さんたちへも
絶対に目がいくはずです。