あらすじ
革命の混乱に乗じて十三歳にして大統領の座を手にしたミツバ・クローブ。「世界に私の存在を刻み込みたい」という強い願いを行動原理に思うがままに恐怖を振りまくが、そんなミツバの信奉者は少なくなかった。高まる国民人気を基に、共和制を掲げて国家運営が行われようとする中、サンドラとクローネは実質的なミツバの独裁状態を打破しようと、それぞれ暗躍するのだが……。
さらに、ミツバの影響を受けて自国が崩壊することを恐れた周辺国家は、ローゼリアへの侵攻を試みる。ミツバは侵略を食い止めるべく、二万の敵勢に対してわずか五千の戦力を携えて、故郷のブルーローズ領へ自ら向かった。そこで発動したのは、規格外の呪いの力で――!?
呪いの力を宿した少女が欲望のままに生き抜く姿を描く、最凶ダークファンタジー。
感情タグBEST3
評価が分かれるかも・・
始めたばかりで地位、責任がないころ、気が合い友情をもった3人のその後です。始めは理想に向けて少しずつ歩んでいたのに、本作は地位を得て、理想から外れて、突き進む話になってます。3人の進む先は別れ、互いを牽制し、一部認めつつも自分の障害になるのなら犠牲にする気でいます。表紙の主人公は自分も含めて混沌を望む一面があり、友人を犠牲にする気はなさそうですが。
幸せな話ではありません。むしろ社会情勢が不安定なとき、もたらされる救いの言葉は、新たな搾取の始まりであることを、宗教でも麻薬でも思想でも示してくる話です。でも、歴史に残されていた記述は、こんな雰囲気や世界の中で人々が考え生きていた結果かもしれないと考えさせられる話です。