あらすじ
和歌、水墨画、俳句、茶道、武士道など、禅は日本文化に深く浸透し、日本人に影響を与えている。欧米に禅の教えを広め、大きな影響力をもった大拙の代表作。その全体像をはじめて日本語訳した完全版。
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Posted by ブクログ
鈴木大拙が悟っていたかどうかはわからないけど、日本にすごい人がいたもんだ。
今はインターネットもスマホもあり、必要な情報はすぐに得られるけど当時ここまで真理を突き詰めるとは並大抵の才能と努力ではなかったと思われる。
「無分別智」(自他不二)は根本の真理でしょう。
不立文字…
「本当の自由」とは…
善ではなく純、自己忘却…
二項対立を超える…
やっぱ禅が好きだなぁと実感。
Posted by ブクログ
何かでの紹介を踏まえて読書
さすがの本で非常に奥深くて面白い。一度読んだだけでは全然理解しきれないが。
近代の本で読みやすいのも良い。
メモ
・禅は中国人の心がインド人の思想に触れた後に生み出したものの一つ
・詫びの真の意味は貧poverty。時代の流行に乗る人々の一員にはならないということ
・不完全の美。古めかしさや原始的な粗野さを伴う時、さびがかすかに見えてくる。ある芸術の対象が歴史的な時代感を表面的にでも示していれば、そこにはさびがある。
・さびの文字通りの意味は寂しさや孤独だが、ある茶人は次のとおり表現している。見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ
・禅と武士の人生の間には必然的な関係性がある
・二元論的な思想を超える。生か死か、否定か肯定かといった考えがある限り、人生を歩む上での躓きの石となる
・隙をつくらないこと。精神的固着をつくらないこと。
Posted by ブクログ
枯山水をより深く理解するためには、その背景にある禅の精神を知ることが不可欠だと考え、本書を手に取った。
禅が日本文化に与えた影響の広さと深さを改めて知り、学びとして非常に豊かな読書体験となった。
日本の歴史を、禅の視点からもう一度見直したいという思いが芽生えた。
我々も忘れている禅を巡る文化
今の時代の我々にとって特に気づかされることが多いのは、武士と剣術の章。かの国々で現在進行中の争いを我々が思いやるとき、ここで語られている考え方が新たな視点を提示しているような気はする。同時にこうした文化を持つ日本文化と、かの国々の文化との際立った違いを浮き彫りにもする。少々不思議に思うのは、我々でさえすっかり忘れているが、大切で有効なこうした考え方や思考を欧米の人たちはどのように読んで、意味を汲み取っているのであろうか?
Posted by ブクログ
『禅と日本文化』を読み終わった。
(著者の考える)禅の思想を通して、日本文化に禅がどのような影響を与えてきたか、根づいているか、芸術文化全般についてだけでなく、儒学、武士と剣術、俳句、茶道、自然愛について、それぞれ章を設けて述べられた本になっている。
単に、日本文化について書かれているという本ではなく、著者の考える禅の思想によって日本文化を考察するというような本なので、つらつらと観念的なことが述べられていると感じる部分もあり、けっして、読みやすい本でもないし、そもそも分厚いので、読むのは大変だった。
ただ、アンバランスや不完全なもの、ありのまま、そのままを良しとする日本人の美意識というのは、本書を読んでいて、しっくりときて、自分の中にもある日本人らしさというものを感じた気がした。
「仏教を抜きにして日本文化を語ることは不可能である。」と、本書にも述べられているが、禅に限らず(本書は禅に偏り過ぎだが)、日本文化に仏教は不可分のものだと思う。
だけれど、日本人が仏教をよく知らないことも多いのは、笑えない状況ではないだろうか。