【感想・ネタバレ】ウクライナ戦争は世界をどう変えたか 「独裁者の論理」と試される「日本の論理」のレビュー

あらすじ

『豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス』ウクライナ戦争、中国の台湾進攻関連動画、総PV4000万超(2022年7月現在)。
テレビ東京報道局元モスクワ支局長が全面緊急書き下ろし!

各識者推薦!!

成毛眞氏(「HONZ」代表)
「国際情勢を知る上でいま最も注目するジャーナリスト、必読の1冊!」

折木良一氏(自衛隊元統合幕僚長)
「ロシアの軍事侵攻は対岸の火事ではない。いまこそ日本の安全保障を見直せ」

◎被害者意識にとりつかれた「ロシアの論理」を歴史から理解する
◎なぜロシア軍は“弱い”のか? サイバー空間でも不利なのか?
◎NATO、北欧諸国、米中……ウクライナ戦争が変えたパワーバランス
◎“台湾戦争”想定シナリオと、左右の対立を超えた日本の安全保障の未来像を提示

ウクライナ戦争の戦況と歴史的背景、米中、日本への影響までを1冊で理解できる。
深く、分かりやすい解説で圧倒的反響を呼ぶ気鋭の報道記者、初の著書。
必読のノンフィクション!

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Posted by ブクログ

ウクライナ戦争は21世紀最大の戦争であり今後起こりうる可能性高い東西戦争の対応を考える上で重要なものである

ロシアがなぜウクライナへ侵攻をした歴史的理由と仕切りに述べていた
反ナチ化をするため 解放戦線であるということ
ロシアには根源的な“恐怖心”と“トラウマ”がある
18世紀 ナポレオンによるロシア帝国への侵攻(60万人以上) その際一時的にモスクワを掌握される
20年代 第一次世界大戦時 ウクライナ、ポーランドを同盟国側に掌握される 国家財政が逼迫しロシア革命が起きる その後赤軍(レーニン)と白軍による内戦が5年にわたって繰り広げられた
これによる人的被害は1000万人を超え、戦災孤児も700万人を超えた 資源採掘量が19世紀段階まで後退した
その後共産国家樹立を恐れた西側陣営は派兵を行い
イギリス、フランスによりムルマンスクを日本、アメリカによりウラジオストクを占領される
西側諸国への不信感を募らせた
これにより強い国家であり軍事的リーダーを国として求めるようになる
西側への不信感を決定的にしたのが第二次世界大戦であり独ソ戦争である
モスクワ攻防戦・スターリングラード攻防戦・バグラチオン作戦の3つが第二次世界大戦の激戦地域である
この戦争は
・壊滅戦争であったこと
・ウクライナやベラルーシを通してロシア本土へ侵入してきたことからこの一体地域を緩衝地帯として
おいきた思惑があるということ
・ナチスからヨーロッパを守った聖戦であり救世主であると自負してしている
以上がポイントとなる
20世紀末 資本主義化を図った際に深刻な財政不安とインフレを経験し経済が大混乱した

NATOの東欧拡大も不信感の一つ

ウクライナの歴史
1991年にソ連から独立 その当時ソ連時代の核兵器を保有していた
1994年にアメリカ、イギリス、ロシアと共に“ブダベスト覚書”に調印し核兵器を全て廃棄した
しかし2022年に侵攻を許す

フィンランドの歴史
ロシアと1340キロの国境を接する
1939年にソ連からの軍事侵攻を受ける(11月30日)冬戦争
侵攻3ヶ月前にドイツとの密約でポーランドの分割とバルト三国とフィンランドの支配での合意があった
モロトフ・カクテル(ガソリンと化学薬品を詰めたもの。ソ連外務大臣のモロトフという名前に由来する)
シモヘイヘ(白い死神と恐れられたスナイパー)
1940年にモスクワ条約機構を結び停戦するが、産業の中心のカレリア地方と国土10%を割譲した
その後ドイツの駐屯を決定し再び1941年にドイツのソ連侵攻と共に宣戦布告した
2つの戦争で人口の2.5%、男性の5%が亡くなった。
できるだけ粘り相手を疲弊させ、講和に持ち込むという戦略を選んだ。

その後は中立を保ち、ソ連を刺激しないことを徹底した
経済支援策(マーシャルプラン)を拒否しNATO、WT O共に加入をしない
そして2022年NATOへ加盟する

スウェーデンの歴史
17世紀前半は北欧の大国
18世紀にバルト海への進出を狙うロシアと20年に亘る戦争をし敗北。急速に力を失った
フランス革命後のフランスに対抗するため対仏大同盟をイギリスなどどともに結成するがフランスとロシアの連合軍に敗北 フィンランドの権益を奪われる
その後王朝が成立そこから200年中立を保つ

国連緊急会合
ケニア国連大使のスピーチが話題に
ウクライナ侵攻の即時撤退を求めた決議案において賛成141カ国、反対5カ国、棄権35カ国、うち半数以上がアフリカ諸国、欠席12カ国のうち8カ国はアフリカ諸国 54カ国のアフリカのうち、半数が反対をしなかった
ロシアの常任理事国権利の停止に至っては反対9、棄権24、欠席11 8割以上は資格停止に反対しなかった
ケニアもこの決議には棄権している
これにはWW2以後のイギリス、フランスからの独立戦争の際にソ連からの支援があったためである
本会合でのロシア撤退の賛成しなかった国々(中国、インド、パキスタン、ベトナム、イラン、南アフリカ、イラク)の人口で33億人 その総意でないにしても世界の半分はロシアの撤退を望まない

独裁者の暗殺は国際法上正当化されるのか
ナチスドイツ時代も将校たちがヒトラー暗殺のために躍進した(ワルキューレ作戦)

台湾戦争シナリオ
ウクライナ戦争は世界各国がそれぞれの失敗と善戦に何を学ぶか

図上演習では米軍は人民解放軍に敗北している
GDPは中国とアメリカで40%を超える

最終章においては無数に考えられる台湾戦争のシナリオの概要を詳細に述べている
台湾侵攻の準備を完了する 台湾戦争勃発 米軍・台湾軍の反撃局面へ
核共有の議論が始まる(核兵器を持たない国が核保有国の核を共同で運用すること

戦争における財政的影響、肉体的影響を十分に自分は考慮し備えをしっかりとしていきたいと考える

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2025年02月02日

Posted by ブクログ

大変参考、勉強になった。
執筆時点で収集可能な公開情報に基づく分析がなされているとのことだが、ウクライナ戦争の歴史的背景、台湾戦争(有事)の可能性やシナリオが非常にわかりやすく書かれている。国際的な紛争は、各国が有する加害者意識と被害者意識、各国の「意図」と「能力」で引き起こされるという説明は納得が行く。
考えたくはないが、台湾戦争は「いつ起きるか」の問題という認識は我々日本人は持っておくべきなのだろう。

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2025年01月22日

Posted by ブクログ

テレビ局の仕事をやりながら膨大な資料やインタビューに基づき書き上げた本。記者やキャスターが現職だからか、読者が知りたい論点を次々と提示し、中身や裏付けのある記述が展開される。とても勉強になったし、国際政治への関心が一層高まった。

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2025年01月21日

Posted by ブクログ

長いけど分かりやすい。
欲しい情報がぎっちり詰まってる。セカンドオピニオンは必要だろうけど、この一冊でお腹いっぱい。さすがメディアの人。池上彰さんのようなふむふむ感が満載。

前半はロシア・ウクライナ戦争で、後半まるまる台湾有事について(作者は敢えて「台湾戦争」と呼ぶ)。日本が嫌でも巻き込まれるシナリオを生々しく語る。YouTubeでも中田敦彦さんが解説しているので観た人が多いのでは。内容はそちらで。

この作品の一貫したテーマは「論理」。
戦争の論理は被害感情から始まるという。汝、平和を欲するならば戦さの備えをせよ。これはローマ時代からある人類の財産で、今日でも平和の論理だ。私たち日本はその両方から外れる特殊な存在に違いない。

── 安全保障をめぐる戦後の日本の論理は平和主義だった。これを論理と呼べるかは別として、戦争を絶対的な悪として、いかなる条件においてもそれを拒否する考え方である─


戦争への激化を抑止する唯一の方法は対話。つまり相互理解。その中身は歴史を知り、政治を理解し、経済を把握し、活発に議論し、選挙に反映させて国を動かすことだと作者は言う。
おっと出た。選挙。やっと「私」が関われるのか。

なら選挙に行かんかい!とはもはや言いづらい。
選挙の有効性を疑っている人も多いのでは。これは成田悠輔さんの受け売りながら、SNSと多様性の時代にハガキを持って投票所へ足を運び、特定の候補者の名前を紙に書いて箱に入れる。これで民意の反映と呼ぶのか。

もちろん戦争は殺人。私はイヤに一票入れたくなる。しかし家族がレイプされて銀行口座が吹き飛んで自宅から焼け出されてから殺してやると叫ぶくらいなら、なぜ備えをしなかったのかと悔やむだろう。もっと議論できなかったのかと。

エスカレート・デ-エスカレーション(エスカレートさせないためのエスカレート戦略)はさらに対極となる論理。一発殴って黙らせる核武装の推進。地球の破壊ショーになりかねないので、その中間あたりに着地点となる論理を見つけなくてはならない。

暴走しない強い軍隊をどう維持するか。国家の話し合いは力のない国にはテーブルも用意されない。日本はイスがあるのにどうぞどうぞ状態だと見られている。

終章ではこうした「平和の責任」についても語られる。これがまた熱い。いま私たちが子どもらの将来を形作らないと責任の先送りになる。負の遺産を残した既得権者たちの安らかな死は見飽きた。現役世代の苦しみは、現役世代で解決させてほしい。長老の論理はいらない。


これを読む前は、台湾戦争が勃発すれば世論も変わるでしょうと他力本願に同調していた。変わる前には間違いなく政治が混乱する。その空白で趨勢は決すると作者は警告する。スポーツでも混乱したチームほど勝てる確率は低くなる。試合前から立て直す練習をしておくのは定石。ロシアに攻め込まれたフィンランドもウクライナも、それをやっていたから生き残っている。

日本の防衛費は中国の5分の1以下。そこは同盟があるじゃん、の論理は実は崩れかかっている。プーチン大統領の失策、それを間近で見た習近平主席の野心を見せることで私たちをイスに座らせたい。そこに作者の意図がある。と思える。

タブーをタブー視しないで、当たり前を突破する。選挙を変えて、リーダーを育てる。そのためには何ができるか。サピエンスは力を合わせる方法を変えることができる唯一の動物だとか。過去に学び、未来の正解を想像する。

将来への考えにものすごく集中できた良著。

まずは投票所で「オレ」って書こうっと。(バッカだね〜相変わらず)

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

まず「とても読み易い」というのが第一印象で、著者が論文を書き慣れてるんでしょうね。たぶん大学・大学院にたくさん論文を書いて訓練したのだろうと感じました。
内容は時事的なものなのですぐに陳腐化してしまいそうですが、とはいえ、最後の『台湾戦争』についての記述は、まだ変わらず価値のある警鐘だと思います。

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2023年10月10日

Posted by ブクログ

なぜロシアはウクライナに侵攻したのか、歴史的な背景と共に的確に教えてくれるとても良い本。プーチン暗殺の可能性なんかも考察してくれているのが面白い。
合わせて世界の成り立ちや、アフリカの立ち位置、日本が台湾戦争(あえて有事ではなく戦争と言う)があったときにどう対応するのかというシナリオの検証など、盛りだくさんでした。
少し時間が経って情勢は変わりつつあるけれど、お薦めです。

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2023年09月29日

Posted by ブクログ

名著。これは買ってよかった。寡聞にしてこの著者のことを存じ上げなかったがYouTubeが有名な様子。チェックしてみよう。経験豊富なジャーナリストが徹底した取材に基づいて書いたノンフィクションはかくも面白い。

前半はずばりウクライナ戦争そのものについて。ロシアが戦争を始めた背景、なぜ戦況が長引いているのか(イコールロシア軍がそこまで強くないのか)の分析、対峙する欧米の反応についてなどウクライナ戦争の概要を掴むには十二分の内容。出た当初に読みたかった。

後半は中国の台湾戦争の予測シナリオと対策、そして突き付けられる日本の課題について。リアリティを持って語られる戦争のシナリオはこの部分だけでも読む価値充分と言えるもの。実際に起こってほしくはないが、起こり得るものとして我々日本人は思考しなければならないのだろう。

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2023年08月15日

Posted by ブクログ

テレ東の名物ニュースキャスターである豊島晋作氏の本。著者はテレビやYouTubeでも積極的に情報発信をしているため、本作の一部はすでに見聞きした内容であったが、新しい内容も多くあった。

ロシアの変遷と彼らが抱える怯え、バルト三国やフィンランドといったロシアと国境を接し、歴史的に戦争経験もある国々の思い。第三局としてのインドやアフリカといった国々の思惑等、ウクライナ戦争を舞台に地政学的な解説が続く。

最終的には台湾戦争という将来起こりうるリスクと戦局、その際の日本の立ち位置等具体的な部分まで突っ込んだシミュレーションがされている。

国際政治の興味深さと普段真聞きしているニュースの限定性について改めて考えさせられる内容であった。

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2023年06月14日

Posted by ブクログ

テレ東bizを見てから豊島さんのファン
ここまでリサーチできる力とそこから冷静に状況を説明できる客観性は毎度お見事

もし台湾戦争が起きてしまった時、日本があらゆる言い分を用いて一ミリも戦争に参加しない場合、日本人は命を落とさないかも知れないが、何十年にも渡って台湾という盟友を見捨てた国家として、国民は更に誇りを無くして生きていくことになるのではと思ってしまう

もちろん何も起きないことが一番

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2023年04月22日

Posted by ブクログ

テレ東の豊島さんの著作。なぜロシア軍が苦戦しているのか、台湾有事が起きたらどうなるのか、日本はこれから何をすべきなのかなどが簡潔にまとまっている。文章が固すぎないのでとても読みやすい。「戦争の最初の犠牲者は真実である」という引用が印象的だった。

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2023年04月02日

Posted by ブクログ

秀逸な一冊、中学生以上の日本国民に読ませたい一冊。有事の際は憲法などアメリカには関係なく参戦させられるだろう。その時、危機管理のない平和ボケした政治家は何をどう判断するのか?
蚊帳の外の問題ではなく火の粉がすでに降りかかっている。日本人よ、考えよう!

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2022年10月29日

Posted by ブクログ

【はじめに】
テレ東Bizの動画でウクライナ戦争に関する情報を積極的に発信をしていた豊島晋作。動画もほとんど見たと思うが、フェアな視点で安心して見ることができた。報道局の元モスクワ支局長を務めていてロシアの状況にも通じている同氏が、まだ終りの見えないこのタイミングで書籍にまとめたものだ。

【概要】
本書の構成は以下の通り。

第一章 ”終末の時代”再び
第二章 ウクライナ戦争はなぜ起きたか
第三章 戦時下のウクライナから
第四章 ”ロシアと戦う国々”の論理
第五章 プーチン大統領暗殺は起きるか?
第六章 中国・習近平の「台湾侵攻」
第七章 試される「日本の論理」

第一章では現状の分析を行い、ロシアがなぜ戦闘初期において敗れてしまったのか、そしてこの先に核兵器の使用がありうるのかを分析している。ロシアは単純に兵站の問題や制空権を取れなかったという誤算、情報戦における劣位などが挙げられている。そして、ロシアの核兵器の使用の可能性を軽視するべきではないと警告する。もちろん期待も込めてその可能性は低いとしながらも核戦争が起こるシナリオはゼロではないとして、この章のタイトルを”終末の時代”再びとしている。
続く第二章は、歴史を振り返り、ロシアがこの戦争を起こすに至った論理を整理している。ウクライナとロシアの関係を考える上では複雑な歴史と、第二次世界大戦の独ソ戦の記憶を抜きで語ることはできない。ロシアは本質的に無秩序よりも強い独裁者を求めているのだという言葉もその背景を踏まえると悲しくかつ恐ろしい。
第三章はウクライナから見たこの戦争を取材の結果も踏まえて描写する。戦争による大気汚染がひどいというのは実際にその場にいる人でないとわからないことだ。
第四章はこの戦争をめぐる国際関係を論じている。NATOに関する分析が重きを占めており、NATO拡大の抑止の観点ではウクライナがその意を強くするであろうことに加えて、フィンランド、スウェーデンが加盟申請をしたことでプーチンの思惑が大きく外れてしまった。白眉とも言えるのが、アフリカ諸国の分析である。ケニアのキマニ大使による感動を覚えるようなスピーチとともに、多くの国がロシアを非難「しない」側に回ったという現実にも目を向ける。また、インドもロシア非難の決議で棄権に回ったことにより、世界人口の半分はロシアを非難していないということも指摘する。日本での報道はある程度は西側の論理に沿ったものであり、世界には他の見方も存在するのだということを忘れるべきではないのだ。
第五章はプーチン暗殺の可能性を論じている。ナチスドイツでもヒトラー暗殺の試みは行われたのだから、可能性はゼロではない。しかし、結論としてその可能性どころかプーチンを権力の座から引きずり下ろす勢力も見当たらないとしている。
第六章が、ウクライナ戦争が与える影響として日本の立場から最も注視しなければならない事項として著者が挙げる「台湾侵攻」である。中国は、ウクライナの状況を見て台湾侵攻に当てはめてシミュレートしていることだろう。間違いなく中国は、台湾侵攻の「意図」と「能力」を有している。ウクライナが起きたのであれば、台湾で同じことが起きないということはできないと考えるべきだろう。
第七章は、それを受けて日本が何をするべきかを著者なりにまとめたものである。台湾侵攻についてリアリティをもって事前に考え、準備することを主張している。ここで、著者は明らかに現実主義者であり、軍備強化とそのための法整備に傾いているように見える。ウクライナの本でありつつ、著者の主張したいことはこの章に凝縮されているのではないか。

【まとめ】
しっかりとした分析を、筋道立ててわかりやすく説明している。著者の主張も明確だ。おそらく結果論も含めた批判も覚悟しているだろう。骨太の本だと感じた。引き続き動画も出していくだろうから注目をしていきたい。

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2022年10月10日

Posted by ブクログ

自分は相内アナのファンだが、一緒にモーサテやってる豊島アナの本を読んでみた 大変勉強になって、本当に読んで良かった それにしても相内アナと仕事できるのは羨ましい限りだ

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2022年08月14日

Posted by ブクログ

【星:4.5】
ウクライナ戦争を題材として、日本を取り巻く世界情勢を分かりやすく説明してくれている。

この本を手に取ったのは、ウクライナ戦争がなぜ起こったのかを知りたかったからであったが、その点については当然に詳しい説明がなされている。
その説明も、これまでの歴史やその歴史を踏まえたプーチンの考え方など、多面的な考察がされており、かつその説明も多すぎず少なすぎずでちょうど良い。

そして、ウクライナ戦争を踏まえ世界がどう動くか、そしてその動きに対する日本の課題への説明と繋がる。
ここでは台湾有事を中心に説明されており、日本として危機に直面していることを今更ながらに実感することができた。

世界情勢については感度を養える素晴らしい1冊であった。

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2023年10月17日

Posted by ブクログ

ロシアによるウクライナ侵攻開始から半年も経てない時期に書かれた本だが、一年半が過ぎた今も通じる議論をしている。
ロシアがウクライナに侵攻した論理や歴史的背景、戦時下のウクライナの生活、ロシア軍の苦戦について現場の詳しい情報や核戦略、西側やアフリカ諸国の論理、プーチン暗殺の可能性、中国による台湾侵攻シナリオなど、よく取材されているし、読みやすい。

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2023年09月08日

Posted by ブクログ

ウクライナ戦争が始まってから、ずっと豊島晋作のテレ東ワールドポリティクスを見て学んでいるものとして、非常にありがたい本だった。

世界は思っている以上に複雑で、危ういバランスの中で成り立っていることを知った。もう少しみんなで譲り合ったり認め合ったりできなかったのかと悲しくなった。

それぞれの国にそれぞれの論理があり、それぞれの正論がある上で世界は成り立っているのはとてもよく理解できた。日本もいまの環境を維持していくためにたくさん議論すべきことがある。この本はそれを考えるきっかけと危機感を私に与えてくれたと思う。

軍事費を増やすと言う話にも、ただ武器を買うだけが増強じゃないのは大きな気づきだった。日本もサイバー対策や設備のリニューアル、法の整備など必要なところにお金を費やすことは大事だと感じた。

ただ、それでも軍備じゃない何かで国力を高める方法はないのかと言いたくなった。抑止力っていうのは安全保障を高めるしかないのかなぁ。

人は結局戦ってしまう生き物なのだろうか。
隣の国とは結局仲良くなるのは難しいのか。

歴史も含めていろんなこと知って、いろんなことを考えていきたい。

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2023年02月12日

Posted by ブクログ

じっくりと執筆したというよりも、緊迫した状況で一気に書き切った印象。それだけに切迫した印象を抱いた。

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2023年01月11日

Posted by ブクログ

ウクライナ戦争の持つ意味合いや歴史的背景g整理されており興味深い。「プーチン暗殺」が色々な側面から難しいということも理解できた。

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2023年01月09日

Posted by ブクログ

ウクライナ戦争(侵攻)について2022年7月時点でまとめられた 発端、戦況と見通し、そして世界への影響。
それを踏まえた台湾戦争(有事)のケースで、日本に想定されるシナリオと論理の必要性。

敵基地攻撃能力や防衛力強化の政治判断の背景にある「きな臭さ」をうかがい知る情報だったが、核などの旧態依然とした武力兵器の数や予算が戦争の優劣を決めたり、戦争回避のために軍備が重要なのか・・・、などなど議論を尽くさなければならないと感じた。
プーチン、習近平、金正恩・・・独裁者と言われる人物個人が暴走を引き起こすのかについても疑問を感じた。
22-30

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2022年12月25日

Posted by ブクログ

2022年2月24日、ウクライナ戦争(ロシアのウクライナ侵攻)開始

YouTubeにその解説動画をあげ続けて一躍有名になった、テレビ東京のニュースキャスターさんによる本です。

開始から約4ヶ月の戦争の経過や世界各国の関わりの状況が冷静かつ分析的にまとめられています。
またウクライナ戦争によってリアルに私たちの心配ごとになった戦争というテーマについて、読者がより深く向き合うことを要請しかつそれを支援しようとします。つまりこの戦争の遠因と考えられる20世紀以降のロシア•ヨーロッパ周辺の歴史の概略解説や、さらに私たちに関わる問題として中国による台湾侵攻の具体的な想定シナリオが述べられています。

戦争、軍事の専門家ではないご自身の立場を踏まえ、過度な表現はせず、希望や怒りに目を曇らせず、分析の限界も表明する。
動画で表れている著者のバランス感覚の良さは、本書でも健在です。

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2022年11月06日

Posted by ブクログ

国の犠牲よりも自身のレガシーづくりを優先するプーチンと習近平。
台湾戦争になった際のシミュレーションが興味深かった。日本も巻き込まれて参戦させられるリスクも否定できない。
チキンレースにおけるマッドマンセオリー。狂人ほど相手にし難い敵はいない。

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2024年01月22日

Posted by ブクログ

読むきっかけは英会話の先生からのアドバイスでした。
「日本ではこんな良い本が出ているけれど、君の周りでは読まれているのかな?」という煽りのような質問。
「いえ、名前も聞いたことがありません」と返すのが精一杯でした。

普段は古典を中心に読んでいるので、発刊されて1年以内の本を読むのは新鮮です。出てくる時期、ワード、状況がテレビの報道と一致するからです(古典の場合は、数十年、数百年前の事情を考慮しないといけません)

その新書で読んだテーマは、ウクライナに対するロシアの侵略について。

なぜロシアの電撃作戦が足止めを受けることになったのか?
どうしてウクライナは、小国ながら大国ロシアからの猛攻に耐え、局地的には押し返しているのか? 

そういった直近の話題から、ロシア、独裁者プーチンが侵略を決めるに至った、歴史的な経緯までを平易な文章で説明してくれます。

この「歴史的」という部分がこの本の骨子だと評価しています。

何が起きているかはー偏向報道であることを認めつつもーニュースを見れば理解できます。
ですが、普段ニュースでは取り上げられない過去、時間をさかのぼった事情をこの本から理解すると、今回の侵略は無為無策ではなく、何かしらの理由と原因があるとわかるのです。
ロシアが持つ「悲観的」な歴史感、プーチンが感じるNATOの裏切りなどが興味深いですね。

また、作者の豊島さんは似た事例でノルウェーやバルト三国といった近隣の「ロシアに国境を面した」国々の決断、遍歴を文中で取り上げ比較をしています

ウクライナを軸に据えながら、ヨーロッパの地政学についても紐解く。最終的には、同じくロシアを隣国として持つ日本についても意見を展開します。

「これは他人事ではない」という感覚が芽生えます。

10年後、この本で書かれていたことの一部は、誤った解釈と評価されるかもしれません(本人もそれは自覚されています)
長年読み継ぐためではなく。むしろ、今読んで、今の私たちの意見を洗練させるために読むべき本です。

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2023年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ウクライナ戦争開戦(2022/2/24)前から、たまたま見ていた「テレ東Biz」の豊島キャスター著作。開戦半年という絶妙のタイミングで出してきた。
 振り返るつもりで読んでみたが、もはやかなり先を見通して、中国台湾戦争勃発を視野に、如何に日本は論理を組み立てていくかというところまで話している。

 第1章、2章は開戦に至る経緯などの反芻にほどよい。
 第3章「戦時下のウクライナから」は、テレ東BizなどメディアでUpdateした情報収集したほうがよいかな(7月以前の情報で、2か月ほど古い)。第4章「ロシアと戦う国々の論理」は、もはや参考程度に。
 第5章「プーチン大統領暗殺は起きるのか?」は、ちょっとセンセーショナルで中盤の山かなと読んだが、できるかできないか、できるとしたら何を根拠に、どんな状況なら、という、あくまで思考訓練的なお話だった。

 我々、日本人として重要なのは、最後の2章だろう。ウクライナ戦争は、あの地域だけの話ではなく、大国ロシア、隣国ウクライナの関係は、中国=台湾間に置き換えて考えるべきという話だ。

 第6章「中国・習近平の台湾侵攻」。
「世界経済は、アメリカ、中国のふたつのエンジンで飛ぶ飛行機である。両国で世界のGDPの約40%を占める。世界全体の2%にも満たないロシアとはレベルが違う。」

 この差をどうみるか?!
 一朝一夕に、すぐ開戦とはならないと見る向きが大多数だが、今は、その準備の段階だという論調で本書は書き進む。 本当の危機は2030年代だと。

 そして、恐るべきは最終章、「試される日本の論理」だ。
 2030年代に至るまで、その準備期間に、外交手腕、経済力、政治力を駆使した戦争回避の提案もあるのかと思ったが、中国が台湾侵攻を準備を始める第1段階から、戦争勃発の第2段段階、米軍参戦の第3段階、それぞれのシミュレーションと、そのための準備や、準備できない障害(法整備、軍事力、世論等々)を述べていることだ。
 もはや、台湾侵攻は不可避のことだと言わんばかりに・・・。

 ロシア・ウクライナ戦争の教訓のひとつとして、ウクライナ大統領の動きがある。

「世界の指導者たちに、ゼレンスキー大統領は一つの発信のかたちを示したと言える。」

 日本の国家元首はこれが出来るか? あるいは、日本国民はトップを支持し、自らも国を守る強い意志、姿勢を示せるのだろうか?

「人は、自ら困難を乗り越えて戦おうとする人を助けたいと考えるものである。ウクライナ人が自ら闘ったことが、多くの物理的支援につながったことは忘れるべきではない。」

 は、とても大きな示唆だと思った。
 湾岸戦争の時に、金だけ出して・・・と、世界的に評価されなかった当時が思い出される。

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2022年09月12日

Posted by ブクログ

ウクライナ戦争から見えて来る、台湾のリスクについて概要を理解。政治的決断をどこまで早く適切にできるか、意思決定の究極的な形を想像した

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2022年08月27日

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