【感想・ネタバレ】不親切教師のススメのレビュー

あらすじ

放課後がんばってドリルに○つけ→子どもの力にはなれません! 仕事を精選し子どもの自主性を伸ばそう

「きめ細かな」「個に応じた」指導が重視される学校、そして先生たち。が、度を過ぎて「親切すぎる」「丁寧すぎる」対応や習慣が多いとは思いませんか。それにより先生方もたいへんな思いをしていますが、実は、これが子どもや保護者を苦しめる原因となっているのでは……という問題提起とともに、「そもそも教師がやたらと"親切"なのはなぜなのか」の考察、教師があえて"不親切"になることで子どもたちを主体的に伸ばすことができるのだという大胆な提案まで、新進気鋭の現場教師である著者が超具体的な例を通して書き下ろしました。

【目次】
一、「楽しい授業」をやめる
――親切・丁寧・サービス満点をやめて、学力向上
サービス満点の「楽しい授業」を捨てる ほか
二、習字の掲示をやめる
――教室環境をこねくりまわさない
教師が作る美しく整った教室掲示 ほか
三、「してあげる」をしない
――担任がすべてを請け負わない
名前シール貼りの親切 ほか
四、「揃える」をやめる
――時代おくれの根性論排除
真夏も真冬も体操服は同じ ほか
五、「きちんと座りましょう」のナンセンス
――個性や発達の違いを理解する
「座りなさい」より「歩いてもいいんだよ」ほか
六、かわいい子には……
――「危ないからやらせない」が将来一番危ない
子どもの危険対処能力 ほか
七、子どもの家庭を覗かない
――それこそ余計なお世話であると知る
家庭にも不親切教育をすすめよう ほか

【著者】
松尾 英明
公立小学校教員。
「自治的学級づくり」を中心テーマに千葉大学教育学部附属小学校等を経て研究し、現職。
単行本や雑誌の執筆の他、全国で教員や保護者に向けたセミナーや研修会講師、講話等を行っている。
学級づくり修養会「HOPE」主宰。
著作の他、メルマガ「二十代で身に付けたい!教育観と仕事術」は「2014まぐまぐ大賞」教育部門大賞受賞。2021年まで部門連続受賞。ブログ「教師の寺子屋」を主催し、『プレジデントオンライン』『みんなの教育技術』『こどもまなびラボ』等でも執筆している。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

子ども自身が育つために、あえて過剰な手出しをしない方法の例。
習字の掲示、ドッジボール全員参加などは酷なものだと自分も思い、していなかった。
それが子どもにとってよい空間をつくる一助になっていたのかもしれないと思う。今後も、「チャレンジしてみて自分を知る」ことができる子どもを育てたい。

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2024年03月03日

Posted by ブクログ

とても納得感があった。

・ドリルの丸つけをしない
・寄り添いすぎない
・読めない漢字もばんばん板書
・学習を我慢させない
・漢字練習も自由な選択と結果の自己責任の一環
・できる以外の目標を(バレーボールではなく、ルールから考えさせ、運動をみんなで楽しむ経験)
・教室掲示も物の配置も子供に任せる
自分で選んだ字で個の掲示にする
・机の配置はグループ型(教師がやってはいけないと言うほど、その行動が強化される。いつでもやってもいいと言うと、必要な時以外はあまりやらなくなる)
・名前シール貼りしない
・休み時間を削って授業は迷惑
・ドッジボール×→人に思い切りボールをぶつけていいゲーム
・ひとりぼっちが良い子供もいる
・百点満点をほめるより、頑張った結果を褒めたい
・体操服指定縛り×
・座りなさいより歩いてもいいんだよ
・乱暴な子は話を聞く
・発言できなくても良い、よく聞いてくれる子だから
・背の順って意味ある?
・左利き用文具
・給食は完食が目的ではない
・苦手なものはあっても良いが、少しでも食べる
・少な目・早食べルール→おかわり最後までできない/3分の1など分数も学ばせる
・鬼ごっこは自己責任(なるべく怪我をしないように、自分が気をつけなさい)
・けんかは自分たちで解決させる
・廊下は走らない/走る人がいると常に予測して歩く/走るからにはその後を覚悟すること
・宿題は探究するもの、きほんは授業で完結、新出漢字を覚えてくるような
・家庭にも不親切教育を
「雛鳥が育つときの話を知っていますか?親鳥は、巣立ちの時が近づくと、雛鳥に餌をあげなくなります。そうなると、お腹が空いてくるので、品取りも、自分で飛んで、餌を取りに行かざるを得なくなります。親鳥が餌をあげ続けていれば、雛鳥はいつまでも子から出ようとしないし、自分で餌を取ろうとしません。外は危険ですから、本当は手を出して助けてあげたいところを我慢して、子供の将来のことを考えて、あえて手を出さずに混乱を渡り守っているわけです。こう思う親の愛情は、どんな動物も厳しくつよいものですね。私たち大人は、子供が可愛いのと、見ていて、危なっかしいので、ついつい余計な手出し口出しをしたり、頼まれてもいないのに、助けてしまったり、勝手にやってしまってあげたりと言う間違いをしてしまい、がちです。学級でも、失敗や困難も成長のためだと思って、あまり細かいことは手出し口出しせずに、ぐっと我慢し、子供たちの親の成長見守っていきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」

p.69 「あなた方には、脱いだ、履物を揃える自由があります」と言うのです。それは、「揃えない自由もある」と言うことなのです。どちらがより良い生き方なのか、脱ぎっぱなしにする方か、揃える方か、そのより良い方を考えて、選ぶと言うことなのです。日々の生活の中での小さな自由の行使が、実は大切なのです。「自分らしさ」を作るのは、このような小さな自由の行使の積み重ねなのです。
(渡辺和子『愛と祈りで、子供は育つ』)

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2022年12月21日

Posted by ブクログ

不親切とサポートのバランス感。慣習的にやってるものに対して、何のためにを問う姿勢。そして、それが本当に子どもたちのためになっているのか。読んでみて、すべてが正解とは思わないが、こういうきっかけを機に、考えることがスタートになると思う。

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2024年12月16日

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