あらすじ
「ここに描かれている遠い国の少女と
私たちは一緒だ。
そう、私たちは差別される側。
認めるのはつらいけど、事実を知れば知るほど
『ぶち破ってやるぞ!』と力が湧いてくる」
山内マリコ(作家)
「こんな世界が情けなくてやるせないけど
知らないままの方がよっぽど恥ずかしいから
ページをめくる手を止めない
冷笑的な態度に負けたりするもんか
生まれついた性別で
育った場所で
奪われる夢があるなんて
絶対に間違ってる」
宇垣美里(フリーアナウンサー)
「わたしたちは結婚しないと生きていけないの?」
サウジアラビアに暮らす10歳の少女サルマ。同級生の姉は、顔も見たことのない8つも年上の男性と結婚する。外ではヴェールが必要で、大好きだったサッカーはもうできない。
モロッコ、インド、アフガニスタン、そして日本……国も宗教も文化も違う少女たちに降りかかる「女の子だから」を見つめる作品集。
◎ダークでファニーな怪談御伽噺『かわいそうなミーナ』も同時発売。
◎やまじえびね ビームコミックス好評既刊
『レッド・シンブル』全3巻『ナイト・ワーカー』『アイム・ノット・ヒア やまじえびね作品集』『女神たちと』(共著:河井克夫他)
◎コミックビーム 公式ツイッター
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Posted by ブクログ
女性に生まれただけで、
生きていくのに様々な、理不尽な負荷を負う。
多様な価値観は必要だけれど、この差別は不要であり根絶すべきものだ。
理不尽さを経験すると、そこから夢や目標が生まれる。夢のままで終わると、それは苦しみや悔しさが続くだけなのだろうか。
そんな事を考えた。
Posted by ブクログ
漫画なので、読みやすく、イッキに読んでしまった。
ここで取り上げられている国の女の子達は女の子であるが故、差別されている事に気がついている。
日本もまだまだ、発展途上なのかな?
世界中の女の子達が夢と希望を持って、未来へ進んでいけますようにと願いたくなる本でした。
紛争地域の女の子達はどうなんだろう?
平和で誰もが、自分らしく生きていけますように。
Posted by ブクログ
世界各地にも、この日本にも、女性に対する差別や意に反しても課せらる役割があることを思い知らされた。
そんな状況のなかでも、力強く生きる女の子たちのお話。
日本編でお母さんが娘に幸せとは何か問われて言っていたセリフ
「いろいろ足りないものはあるけど これがあるからこれができてるから満足だ!って言える状態かな」
「すべてがそろった状態を幸せと呼ぶなら 人はいつまでたっても幸せになれないよ」
これがすごく刺さった。
それぞれが生きる環境のなかで、いかに幸せを感じることができるか。
幸せになれるかは自分次第ですね。
Posted by ブクログ
漫画で世界の女性のおかれている立場が分かりやすく描かれている。この世界で、抑圧されて生きている女の子に思いを馳せることができる。そして現在の先進国の日本で未だに女性が生きづらいことにはっとさせられる。
Posted by ブクログ
世界の女の子の絶望と少しの希望が丁寧に描かれていた
10代で親に決められた相手と結婚するとか、字が読めない女性の存在とか、昔のことに感じるけど世界では全然あるんだよな〜とハッとさせられて、、心の学級文庫に格納しました
Posted by ブクログ
特に女性への抑圧が厳しい国を取り上げているが、日本でも昔は似たようなことがあったし、根底は変わっていないのではと感じる時もある。それでもこの本に取り上げられている女性たちよりは何万倍もマシなのだ。
一日も早く、彼女たちが自由と平等を感じられる世の中になって欲しい。
Posted by ブクログ
どうしても下に見られがちな女性が生きる国々のエピソードが、読んでいて他人事とは思えなかったです。
日本も女性の権利に注目されてきてはいますがまだまだ…。
これから女性には沢山活躍していってほしいとは思いますが、渦中にいた方達を否定することはできないと思わせてくれた一冊でした。私置かれたの現状とはかけ離れた生活習慣、宗教、文化など根っこの部分での問題もありそう。
何より自分がどうしたいのか皆が選択できるようになってほしいと思いました。
Posted by ブクログ
『女性差別を受けている海外の少女たちの日常を描く』というテーマで描かれている。特別に悲惨な部分ではなく、隣の家のお話のような、よくある日常のようだ。舞台は、アフガニスタン、インド、サウジアラビア、モロッコと日本。理不尽で歯がゆい。
Posted by ブクログ
〇女性・女の子を取り巻く今を、性別を問わずとも生きていける社会だからこそ伝える・伝わる、5か国の女の子のストーリー。
第27回手塚治虫文化賞の短編賞を受賞したのでそれをきっかけに再読。
◇サウジアラビア・サッカーボールを蹴飛ばす日
サウジアラビアの首都・リヤドに住むサルマ。パパは木・金曜日にしか帰ってこない。ミサンガを作ったことをパパに報告すると、"遠い親戚"のアミーラに習うことになるが、ママの顔はやや曇る。同じころ、友人のファイの姉が結婚することになるが、結婚式で初めて会う時に結婚がダメになることもあると聞き・・・
あの時の思い出すらも、素顔で再現できないいま。
◇モロッコ・しかめっつらとメガネ
シャマおばさんがやってきた。
ハピーバが住んでいるのはモロッコの首都・ラバト。祖母の古い友人である彼女は、ハピーバのやることなすこと、例えばメガネ、例えば本、例えば笑い声。姉のレイラも背の高いことを批判される。ハピーバとレイラは不服そうにするが、祖母はそれをいなす。そんなとき、ハピーバはシャマの背中にたくさんの傷があることを見かけ・・・
批判の意味は。
◇インド・大きなお家のお嬢さん
カンティはママとともにデリーの新居に引っ越す。それはカブールこと新しい"パパ"ができたからだけど、なぜか"パパ"と呼べないカンティ。そんな中、家庭教師に来てくれていたアーシャが新たな家庭教師先を探していたが、その紹介された先に行った後のアーシャはなぜか元気がなく・・・
理不尽に立ち向かう心は、年齢に関係なく。
◇日本・おばあちゃんとママとパパ
多摩西部に住むまりえ。あまり着ないワンピースを祖母に買ってもらい、でも母は祖母の「女の子らしい」をそれは違うかもしれない、と伝えるのを聞く。友人のなっきーの家では、両親が同じようにパンを焼ける、ということを聞く。母と離婚した父親はきちんと教えてくれるので、なっきーにとってはまりえは幸せ者らしい・・・
幸せを決めるのは。
◇アフガニスタン・はじまりの日
2002年、カブールに住むムルサルとナフィサは戦争が終わり、学校に行けるようになった。
勉強用具をもらって喜ぶ二人。二人はそれをはさんで自分たちの夢を語る。
そして19年後、2021年にカブールに再びタリバンがやってきた―――
*
間違いとは何か。
特に、女性がこうしてはいけない、という"間違い"と言われる類のことについては、過去言われたことであればあるほど、いまは受け入れがたい時代になっている。しかしこれは民主主義国が中心の動きであり、民主主義国ですら全国民がそうなっていないばかりか、宗教国ではその宗教で指定されていることが性差を乗り越えていない事例は、この本を読むとつぶさに感じることができる。
どの時代の女の子も、どの世界の女の子も、こういう扱いを受けているよね、という視点から、これからはこういう風に変わっていかないといけないんじゃない?っていうこと。も含めて、書いている。
例えば宗教上そういう風に扱ってきたけど、いまもそういう社会なんだろうか?など。
変わっていかないといけない、というのは、周りの大人が諭して女の子本人にそうさせる場面もあるが、女の子本人に気づかせる・語らせることも多い。いまの時代がなぜこうでなくてはならないのか。純粋な子供時代だからこそ感じることだが、今まで大人がいかにそれを虐げてきたのか。
女の子らしい、女性という性らしいものでくくる。のではなく、もっと多様な考えでもいいのではないか、という提起でこころをつかまれる、「性差を乗り越える」ということに関して言えば初歩の初歩だがとても大事なことを書いている短編だ。
マンガであることでかなり読みやすいので、そのような論調を何となく理解できない、あるいは自らかみ砕けない部分があるという方はぜひ読んでいただきたい!
Posted by ブクログ
歩みだそうとする気持ちを、支えられるようでいたいという思いがふつふつと湧く。私はもう大人なので、これからの人たちを支えられるように、と思う。
サウジアラビア、インド、モロッコ、アフガニスタンという、「女の子だから」が分かりやすい国だけでなく、日本にも目が向けられていて、「女の子だから」と対になる「誰かが決めた幸せの形」って、どうなの?と問われる。
やまじえびね さんが描く、くっきりした輪郭を持つ人物がとても好き。
装丁もよき。
Posted by ブクログ
いい本だなー。
いろんな人に勧めたい。
サウジアラビアの映画「少女は自転車に乗って」やアルジェリアの「パピチャ」を思い出した。
みんな自由を求めて息苦しい社会で、なんとか息継ぎしたくて苦しんでる。そして、頑張ってる。
一緒に頑張ろう!と思う。
Posted by ブクログ
これは海外の、そして日本の、女の子たちの現状。どの話もはっきりと解決はしていなくて、こんなことがあると知り、これからどうしたいか、どうしたらいいのか、今後を考える物語。
Posted by ブクログ
こんな世界があるなんて知らなかった!
家の外で親族以外の男性と行動ができない女性。
学校に通わせてもらえず文字の読み書きができない女性。
生活のために嫌なことをさせられる女性。
『女の子がいる場所は』
日本と異なる宗教や家族構成の国には、私たちが知らないことがある。
本書を読んで知った習慣など3点を紹介します。
1つめ、イスラム教の家の中で家族の前では髪を覆う布を外していること。
2つめ、お金や権力で女性を利用する人がいること。
3つめ、一夫多妻制で、複数の夫人は別々に暮らしていること。
内容は、家族の事情が絡む中での女性の人権など、まんがで柔らかく取り上げられている。
巻末は、タリバンが政権を取り戻した2021年8月のアフガニスタンについてのストーリーで締めくくられる。
Posted by ブクログ
Twitterに流れてきた漫画を読んで、これは自分の人生にとって大事な一冊になるんじゃないかと直感し、紙の本で購入しました。
飾り気のない、洗練された語りと絵が好きです。
社会問題を扱う作品って、現状に不満がない人にとっては説教臭くなりがちだけど、そういうのは感じませんでした。すっと入ってきた。
女性差別的な慣習を頭ごなしに批判するのではなく、そういう文化圏で生きる人達の内情にまず寄り添おうとする制作陣の姿勢は、痛烈な批判よりずっと強く、この問題への関心を読者に訴えかけます。
読んだ人の視野をそっと広げてくれる優しい作品だと思います。
Posted by ブクログ
漫画は基本的には登録しないようにしているのですが、この作品は、この本棚に残しておきたかったので特別に。
女の子が置かれている環境が描かれている物語です。
静かに、胸に突き刺さり、
静かに、心の中で涙が流れました。
静かな場所で、ゆっくりと、何度も読みたい作品です。
Posted by ブクログ
様々な国で女の子が受けている差別。
学校では中々学ぶことができない。
自分の身近でも、実際に起こっているかもしれないことを、知っておかなければならない。
Posted by ブクログ
ストーリーとして明確に何かを訴えかけているというより、読者側が何を受け取るのか考えさせるような話だと思いました。だからこそ、子どもたちに読んでほしい。
絵がすっきりと可愛かったのも受け取りやすくてよかったし、装丁も色とりどりのお花や植物が素敵で、そういう点でも本棚に迎え入れたい本だと思います。
身近に、長らく女性が認められにくかった職業を目指す男性がいて、最近の求人に「ダイバーシティの観点から女性の応募を歓迎する」とか書いてあることを「逆に差別だ」とよく聞かされます。
でもその男性に聞くと男性であることで彼自身が受けてきたであろう多数派の特権というものにとても無頓着だし、「そんなものはない」って言い切る。
何かを正解不正解と簡単にジャッジすることはできないけど、色んなケースを見聞きすることでまずは知って、それから考えることが自分に必要なことだと信じています。
Posted by ブクログ
女というだけで、選択肢が少なく、残酷な扱いを受ける。程度の差はあれ、どの国でもある差別。けれど、ここに出てくる女の子達が皆前向きでそこにすごく救われ希望を持てた。
Posted by ブクログ
女性が男性と同じように、当たり前のことを当たり前にできるよう望んでいるだけなのに、どうしてとりまく世界は辛いままなのだろう。
世界を知ること、自分の現状だけでなくいろんな世界のいろんな状況を知ることはとても大切だと思う。
教科書のような形じゃなく、この作品のようなより身近な形で提供してもらえるのは貴重だし、ありがたいことだと思う。
世界中の人に読んで考えてもらいたい。
Posted by ブクログ
深かった。このご時世に読むからこそ意味があるかも。世界中の女性差別に焦点をあてた話 宗教観や戦争紛争や許嫁など読んでいてどれもリアルでよかったなあ 終わり方
Posted by ブクログ
どこの国でも「女の子だから」と理不尽な思いをすることは、多かれ少なかれあるだろう。この本は、サウジアラビア、モロッコ、インド、日本、アフガニスタンの10歳の女の子の目を通した出来事を描いている。理不尽な思いをしても、希望を持ち続ける彼女たちの姿はとても頼もしい。
Posted by ブクログ
Twitterで見かけて気になった作品。
なかなか書店で見当たらず、注文しようかなと思いながら一か月経って、やや忘れた頃に書店で見かけて購入。
読み応えがあり、静かな表現に心が揺さぶられた。
この作家さんの絵、とてもいいなあとおもった。
モロッコ編の「しかめっつらとメガネ」が特に好きです。
以下、各話についてメモ。
サウジアラビア編。
なぜサルマのパパは、アミーラをサルマに紹介しようとしたんだろう?
そこに事前に、サルマのママに許可をとったり相談したり、は多分していない。
女性二人は、お互い、相手に悪意はないけど、複雑な関係なのに、パパのサルマへの行為は彼女たちの心情に何も配慮がないように見えて苦しい。
サッカーボールを蹴る、イキイキとした想像上のサルマ。
どうか、彼女の希望が叶います様に。
モロッコ編。
シャマおばさんの奪われた世界を想像するハビーバ。
優しい、聡明な彼女の、心の深さに泣いてしまう。
シャマおばさんの境遇を説明するなかで「息子が産まれたからまだ良かった。娘が産まれるよりマシだった」の意味があまり分からず、、、。
娘が産まれていたら、息子じゃなくてガッカリされる、とか、娘が将来自分と同じ目に遭うのを見るのが辛いから、ということ??
インド編。
つら。。。
私を含めて専業主婦の日本女性たち、これに近い感覚を持ってしまっているのも事実。多分ね。
日本編。
パパ、さわやかイケメンだなと思ったけど、ママには無理をさせていたのね。
口先だけ、という実態、これまたよくある話かも。
アフガニスタン編。
つら。。。
----------ノートと鉛筆を私たちからとりあげないで
もう泣いて泣いて読めませんよ。
ふうう。
もっといろんな国の話を見てみたい。
ぜひ続きを描いてほしいと思った。
Posted by ブクログ
やまじ先生久しぶりに読んだ。
線とかとても洗練されて美しいなあ。
フェミニズム系コミックではあるのだけど、
読んだ直後に、7.8事件(って今後呼ばれるかしら)が起きてしまったのね。
だからなにかこう、社会的な呪いや、圧力や、暴力の中、自分を見つけていく少女たちが余計に心に残りました。
あらゆる人が自分を保てますよう。心の自由を得られますよう。
Posted by ブクログ
きっとこの問題にもともと関心のある人は、ものたりないと感じるかもしれません。
ですが、高校生をはじめ、基礎知識がない人にとっては、
漫画で描かれていることで、はじめて知ることも多いのでは?と。
では、「男の子がいる場所は」もあったら良いのに。と思いました。
この作品で取り上げられている女の子、女性達がいきる文化圏の男性陣は
どのように考えているのか。
年齢や立場、職業で考え方がちがってあたりまえですが、女性の問題を
取り上げるときは必ず、社会を構成するさまざまな立場の視点が
必要だと思うので、ぜひトライしてほしいなと思ったので、☆は3つです。
さまざまな文化圏で生きる人達の内情にまず寄り添おうとすることが
大事ですね。