あらすじ
「私たち、本当は何になりたいの?」
音大受験に失敗した名波陽菜は自信を取り戻すため、姉の住む自然豊かな奥瀬見にきていた。
フルートの練習中に出会ったのは、オルガン制作者の芦原幹・朋子親子。同い年の朋子と〈パイプオルガン〉の音づくりを手伝うことに。
だが、次第にオルガンに惹かれた陽菜はこのままフルートを続けるべきか迷ってしまう。中途半端な姿に朋子は苛立ちを募らせ、二人は衝突を繰り返す。
そんな中、朋子に思いもよらぬ困難が押し寄せる!
絶望に打ちひしがれながら、オルガン制作を続けるか葛藤し、朋子は〈怪物〉を探しに森の中に入っていくが……。果たしてオルガンを完成させることはできるのか?
二人の十九歳が〈パイプオルガン〉制作で様々な人と出会い、自ら進む道を見つけていく音楽小説。
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Posted by ブクログ
好きなものが多すぎて自分の個性がないことに悩むフルート奏者の主人公がオルガンビルダーの親子と出会い自分の個性に気付く物語と、父を失ったオルガンビルダーの娘が自分の『好き』に気付き、作りかけのオルガンを完成させる話。
『好き』が分からない、自分自身が分からない現代をうまく表したようなないようになっていてとても読み応えがあった。
Posted by ブクログ
コンテストで力の限界を感じたフルート奏者陽菜、姉のいる奥瀬見でオルガン製作者芦原と出会う。その娘の朋子もオルガンビルダーを目指し、陽菜と反発しながらすこじずつ歩み寄りお互いに成長していく。
フルート奏者としての新たなる出発とパイプオルガンの完成にむかって進む物語。森の樹々を渡る風の音が聞こえ、バッハやサン=サーンスの響く読み応えのある1冊でした。
Posted by ブクログ
フルートを続けようか迷う陽菜とオルガンビルダーの父を持ち、引き継いでいこうとする朋子のお話。全然ミステリーの話ではなかった。やっぱり青春ものが辛手なのかも。陽菜も朋子も甘いなーと思うところもあるし、すごいなーと思うし。でも若い二人だもんな。おじさん達の口の滑らせ方の方がひどいけど、これぐらいストレートに言った方がいちいち裏読みせずにすんでいいのかも。パイプオルガンって言わなくても、オルガンと言えばパイプオルガンのことなのか。初めて聞いた時は感動したし、やっぱりマモーミモーの曲を学校で聞いた時に盛り上がったのはよく覚えている。またオルガンの演奏を聴きたいわ。