感情タグBEST3
Posted by ブクログ
実際に起きた出来事の背後で
このようなことが起きていたのか?
と想像すると、リアル感があって
一気に読み進めました。
個人的には戦闘シーンが少ないのが
残念だ、のような事を前回書いた気がしますが、
今回はこれはこれであり、なのかも知れません。
という事で星4つ
傭兵たちは弱者たちの為戦う
元刑事の最強傭兵藤堂浩志とその仲間たちリベンジャーズの活躍を描いた傭兵代理店シリーズ三期目。
今回は2021年に起こったタリバンによるカブールの陥落事件を題材に、混乱のアフガニスタンの地にて傭兵たちが日本人邦人救助のために奔走する姿を描きます。
他国の情勢変化に迅速に対応できない日本政府を尻目に、傭兵たちは今回も虐げられる弱者たちのために立ち上がるというのが大まかなあらすじですが、タイトルこそ邦人救出となっているものの、今回のリベンジャーズたちの主な動きとしては邦人だけではなく、日本政府の国際支援によって日本と関わることとなった現地のアフガニスタン人たちもまたタリバンの魔の手から守るために奔走。
日本政府の救いの手から零れた者たちを掬う受け皿として、侵攻してきたタリバンと対抗していきますが、テロや内戦に翻弄される人々の姿が文章を通して、正義とは何か、平和とは何か、とそんな問いを投げかけられたように個人的には受け取りました。或いはそれは傭兵代理店の作風であり、シリーズ全体に鋳込まれたテーゼでもあるのでしょうが、それはそれとして理不尽に毎度立ち向かっていくリベンジャーズ達の活躍はスタイリッシュで格好よく、爽快感を感じさせる描写になっています。
社会問題をエンタメに落とし込んだ出来の良い物語です。
Posted by ブクログ
アフガニスタンで米軍が撤収すると判明したとたん、タリバンが首都カブールへ攻め寄せた。外国人は国外脱出を図って空港に殺到した。
日本政府は邦人の救出に関して動きが鈍かった。傭兵会社リベンジャーズの藤堂浩志は外務省の片倉啓吾とともに空港外で情報収集していたが、アフガンに残る邦人は脱出できたとしても、日本に協力していたアフガン人までは救出できないことを悔しく思っていた。