あらすじ
「俺たちにも才能、あるんじゃね?」
「自分よりすごいやつがそばにいても、差を見せつけられても、それでも絶対めげない才能」
吹奏楽部というだけで、合唱コンクールの指揮者を任されてしまった中学1年生の早紀(さき)。
内気な彼女が、天才ピアニストの幼なじみ、合唱練習に来ないバスケ部のエースなど、個性的なクラスメイトたちとの関わりを通じて自分を解き放っていく。
しかし本番直前、思わぬアクシデントが起こり ……
仲間とともに何かをつくりあげる達成感、悩みもがきながらも「自分らしさ」を模索する中学生たちの内面、みずみずしい人間ドラマをまっすぐに描いた、珠玉の成長物語。
★感激の声、続々!
チームワーク、友情、恋愛を生き生きと描いた、
これは、あなたの物語。
きっと期待に胸が膨らみます。
ーー岡本沙紀(東大王)
迷いや焦りさえも輝き出す。彼らの歌がまっすぐに胸に響いた
ーー宮下奈都(『羊と鋼の森』『よろこびの歌』)
自分らしさを見つけることの難しさと尊さを見つめた青春小説!
ーー朝比奈あすか(『君たちは今が世界』『翼の翼』)
思春期には悩みが色々あるけれど、この物語が大丈夫って教えてくれる
ーーひこ・田中(『お引越し』『ごめん』)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
このお話は合唱コンクールをきっかけに悩みをかかえている中学一年生の登場人物たちが成長していく物語です。私もあと2日で中学生になるので合唱コンクールがより楽しみになりました!
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中学生の心の動きが無理なく描かれていてよかった。四角関係はちょっとできすぎかなと思わないでもなかったけれど。結末もよかった。岳の「水野の中学生は水野のもの」とそれに動かされる早紀の行動もいいと思う。
Posted by ブクログ
さわやかな青春が描かれていてうらやましくなってしまった。
皆が片思いしながらも合唱コンクールに向けて、
心を一つにしていくってすごくいいなと思った。
主人公をはじめ、同級生たちの内情や気持ちの描写も読んでいて心地よい。
Posted by ブクログ
前作「キャプテンマークと銭湯と」で一皮むけた佐藤いつ子の3年ぶりとなる待望の新作は、期待を裏切らない、いや、期待以上の作品に仕上がりました〜
合唱コンクールが間近に迫った中、思春期を迎えた中学生たちの揺れ動く心情が、みずみずしいタッチで描かれています。今回も、一人ひとりの個性に生命が吹き込まれ、物語の中で、それぞれのキャラクターが所狭しと躍動し、いつの間にか中学生の世界へ引き込まれます。
物語では、ベートーヴェンの運命をはじめ、バスケットボールの響き、早紀の透き通る歌声など、さまざまな音楽や歌声が溢れ、まさにソノリティ、鳴り響く音に包まれます。
クライマックスに向かって、読むのがもったいないと思わせる作品となりました。
読後感は、相変わらずさわやかで、心の中で物語がいつまでも鳴り響いています。
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合唱コンクールに向けて練習する中学生の物語。
群像劇となっていて、それぞれ全く違う性格の子たちが、一つの目標に向かっていく姿がすがすがしい。
音楽っていいな!青春っていいな!と、単純に思わせてくれる一冊。
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合唱コンクール前の中学校を舞台にした、青い春の物語。
友人、学校、家族、そして初めて抱く桜色の淡い気持ちなど、一気に中学生時代にタイムトラベルさせてくれる一冊でした。
また、自分の娘が合唱コンクールを前にアツく話していた事も懐かしいなあ。
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あっという間に読み終えました。合唱コンクールに向けたあるクラスの人間模様。もやもや、ムカムカ、キュンキュンが交錯する中で、それぞれを応援したくなる読後感の爽やかな物語でした。
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青春だなぁ、いいなぁ。何事にも夢中になれない、思ったことが言えない、コンプレックスがある、頑張っても超えられないものがある…どれもわかるんだよなぁ。それぞれが合唱コンを通してつながっていく感じがよかった。恋愛面は一方通行な感じがもどかしかったー…。これも青春か?
Posted by ブクログ
最初のシーン(モラハラ気味の父、それに気を使う母、思っていることが言えない主人公)が上手くて、良いかも!と思った。
読んでみて、とても上手い印象は変わらなかった。
が、私の好きな小説ではなかった。
思春期の登場人物たちの心の揺れを、巧みに表現した文章は、中学入試に確かに向いている。
内気だが秘めた強さを持つ主人公、積極的でコミュ力高くても実はコンプレックスを持っている女子、バスケ部のエースのように目されながら、友人の能力の方が高いことに焦りを感じている男子、何事もそつなくこなすが、夢中になれるものがない男子と、身近にいそうなキャラクターばかりで共感しやすい。
(音楽にずば抜けた才能を持つ登場人物が中心から外されているのは、「普通の人」ではないからかも。)
冒頭のシーンで、主人公の自信のなさはこういう家庭に原因があるのかと思わせるが、主人公だけでなく、それ以外の少年少女の家庭の事情も描きすぎることなく、合唱コンクールを通した子どもたちの成長を過不足なく描いている。
恋愛要素もあるし、中学生くらいにおすすめ。読後感も爽やかで言うことなし。
大人もこういう中学生だった人は楽しめるかもしれない。あの頃の切ない気持ちを思い出して。
個人的には私はこの小説で描かれなかった「その他大勢」のクラスメイトだったし、ひねた中学生からクセのある大人になってしまったので、こういう正統派のキラキラ青春ものは若くても好きにはならなかっただろう。これを読んで中学時代を懐かしく思い出せる大人になってみたかった気がしないでもない。
大抵の人にはおすすめ。
Posted by ブクログ
外側から見える表情からは胸の内は見えてこないんだな、という思いをすごく感じました。全体を流れる透明感のあるストーリーのおかげで、より一層、それが強調されて、胸に響きます。
胸の内を理解するために必要なことってなんでしょう。僕は、この小説を読んで、実は互いに向き合う事なんだって思いました。
この小説における晴れ舞台は合唱コンクールです。そこの成功はどこにあるのかと考えたときに、僕は思ったんです。「何を奏でるか」以上に、「一人一人の気持ちを『チューニング』できるか」の方に価値があるんだろうなと。
大人の僕らも、そうじゃないですかね。各々を尊重することから、実はその『チューニング』ができるのかもしれません。今こそ、彼らのような純粋な気持ちで、それを考えて、見ること大事だと思います。