あらすじ
俺は犯人なのか――。
強盗殺人容疑で逮捕された、桐谷雅樹。
証拠は全て雅樹の犯行を示す!
最注目の著者が描く、"冤罪"ミステリー。
「桐谷雅樹。殺人の容疑で逮捕する。午前八時十一分」
2015年2月、桐谷雅樹の“日常"は脆くも崩れた。
渋谷区松濤の高級住宅地で飲食店経営者が殺害され、現金およそ二千万円を奪われる事件が起きた。凶器が購入された量販店の防犯カメラに映っていたのは、まぎれもなく自分自身の姿。
犯行現場から検出されたDNA型は雅樹のものと一致する。紙で切ったはずの手の傷跡、現場付近で寄せられた目撃証言……。すべては雅樹による犯行を示唆していた。
やはり俺が犯人なのか――自らの記憶、精神をも疑いはじめた矢先、雅樹の不在証明が偶然にも立証される。
しかし、待ち受けていたのはさらなる苦難だった――。
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このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
面白かった!手に汗握る展開、次々と明らかになる真相…
計画や犯人の存在はなんとなく想像がつくけれども、その答え合わせがしたくてつい先が気になってしまう。しかも、謎に対する答えが引き延ばされすぎず、ちょうど良いタイミングで開示される。
個人的にかなり刺さったミステリーだった。
Posted by ブクログ
一気読み!辻堂さんの作品は初めてだったけど他の作品も読みたいと思えるような気持ちになった。
双子×ミステリーってだけでドキドキするのに、色々な展開が繰り広げられて次はどうなるんだろうって考えながら読めた。
ミステリーでドキドキするのに、最後ほっこり終われるのは新鮮でよかった。
奈美が底抜けに良い彼女でほんわか。みんな幸せになって欲しい。
(ナガノ(仮)のその後も気になるところ)
Posted by ブクログ
職場に刑事が来て身に覚えのない強盗殺人の容疑で連行されてしまった雅樹。防犯カメラに映っていたのは自分そっくりの男性。おまけに現場に残っていたDNAまで自分のものと一致していたとは…。
いや〜これ自分の身にそんな事が起こったらゾッとしますね。もしかして、自分は二重人格でもう一人の人格がやっていた事だったら?とかあれこれ考えそう。
一卵性双生児のDNAは同じだと以前当選した献本に書いてあったのでその後の展開は予想がついたけれど、真相が二転三転して予想以上に面白かったです。まだ2歳ですが男の子の一卵性双生児の孫がいるのでとても興味深く読んでしまいました。
一卵性双生児のDNAに関して最近新たな発見があったのも事実なんですね。思わず調べてしまいました。辻堂さんそんな事をすぐに小説にするのがすごいです。
Posted by ブクログ
『一卵性双生児のDNA型は一緒だなんて、知らなかった…』
見に覚えのない殺人事件の現場に、監視カメラに自分の姿が写り、検出されたDNA型は自分のものと一致する。は〜ん、犯人はもうわかったな…と思ったのも束の間、事態は二転三転する。伏線回収の多重構造、さすがです!
Posted by ブクログ
双子のDNA判定とか、国際養子縁組とか、人種差別とか、産後鬱とか。初めて知ることもあったし、改めて考えさせられることも。
辻堂さんには毎回見事にどんでん返しをくらうので、中盤、雅樹とジェイクが心を通わせ始めてからも、すごい展開が待っていそうで怖かった。ジェイクが真の悪人でなくて、本当によかった。まぁ十分怖いような気もするけれど。
両親の苦しみはわからないではないけれど、雅樹の立場からすると、やっぱり話してほしかったよな。
でも産後の状況は本当に気の毒。赤ちゃん一人でも大変なのに二人もいて、助けを求められる人が誰もいないなんて。せめて誰も死ななくてよかった。
苦しんで決めた選択が、その後もう一人の子を苦しめたと思うと、それも辛いよなぁ。
恋人の奈美が、雅樹を全面的に信じていて、安心する。顔を隠したい雅樹に合わせてマスクするなんていうすごく素敵な人で、なんだかほっとする存在。
Posted by ブクログ
まあまあ面白い。表紙の絵が絶妙すぎて全てネタバレ。
序盤は主人公雅樹の行動が頭がおかしすぎてイライラする。理系の賢い人間が、双子の弟の存在に気付いたにも関わらず、奈美と遊んでいるなんてありえない。奈美や周りの人間に危害が及ぶことを考えて、一刻も早く警察に伝えるはず。不自然すぎるので、もう少し他のストーリー展開の仕方があったような気がする。
ナガノも実は血が繋がっているような展開を予想したが、まったく無関係で残念。
ところどころに、もっとスピード上げてテンポよく進んで欲しいのに描写がまどろっこしいと感じた場面があった。
基樹が、本当は実はもっと非常に賢くて極悪人という展開も期待したが、ナガノと立場が逆転したとはいえ、意外と平和に終わってしまったので拍子抜け。第四章「真実」はエピローグにしてはまだまだページ数があったので、期待したが、一生懸命な説明を聞かされているように感じてしまい、入り込めなかった。
双子のDNAのことや、海外養子のことなど、とても面白いテーマだったが、現実味がなく、フワーっとして終わってしまった感じ。暴力的なところ、スピード感のあるところ、泣かせるところ、怒れるところなど、読者を引き込むような大袈裟な描き方がされても良いと思う。あっさりしすぎるので、激しく書いたほうが、リアリティーが出たような気がする。
最後はあまりにも平和すぎ。読んだことを忘れてしまうような薄い印象で終わってしまい、もったいない。