【感想・ネタバレ】万華鏡のレビュー

あらすじ

「空いた電車に乗るために採るべき方法はきわめて平凡で簡単である。それは空いた電車の来るまで、気永く待つという方法である」(「電車の混雑について」)。科学に興味をもつ一般読者向けに編まれた、『柿の種』と双璧をなす代表作。人間が発明し、創作した物のなかで「化物」は最も優れた傑作とする「化物の進化」をはじめ、「物理学と感覚」「科学上の骨董趣味と温故知新」「怪異考」ほか全13篇を収録。解説・全卓樹

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Posted by ブクログ

 本書編集付記に記載があるが、元本は、1929年に鉄塔書院から刊行された由。岩波の小林勇が設立した出版社だったと記憶しているが、漱石からの繋がりがあってのことか。

 必ず空いた電車に乗るためにはどうしたら良いか、日常生活におけるちょっとした疑問から科学的考察を進める、寅彦らしい一編「電車の混雑について」と、言語の類似性を比較するために必要な統計式を考察し、現代のビッグデータ解析に先駆けるような「比較言語学における統計的研究法の可能性について」が、特に印象に残った。


 また、本文庫の解説は、寅彦随筆の魅力を鮮やかに解き明かしており、大変参考になった。

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2022年03月14日

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