あらすじ
覆面作家・天城菖蒲から、絶海の孤島に建つ天城館に招待された五人の推理作家。やがて作家たちは次々と奇怪な死を遂げ、そして誰もいなくなったとき、本当の「事件」の幕が開く。特殊設定ミステリの真骨頂!
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匿名
孤島に集められた推理作家達が、連続殺人に巻き込まれる。
途中で全員死んじゃったなと思っていたら、死んでからが本番。多重解決で脳が混乱するが、最後は納得の結末。
とても面白いです。
Posted by ブクログ
トチ狂った本格ミステリを読みたくて?白井智之さんの本を読んでみた。
覆面作家天城菖蒲に、孤島である条島の天城館に招待された五人のミステリー作家。
しかし、その5人には、作家となら誰とでも寝る女「晴夏」と過去に関係を持っていたという共通点がある。
謎の”ザビマスク”をつけた怪人に続々と襲われ…
という序盤だけ聞いたらいたってシンプルなクローズドサークルものですが、そんなシンプルな作品ではありません。
うわぁ、襲われた!…(数時間後)…ん〜…あれ?襲われたのに生きてる?!襲われたみんなが何故か生きています?!
痛覚は麻痺しているので、死んだけど生き返ったことにが判明!
誰が”ザビマスク”の犯人なのか?
犯人の目的は??
そして何故、生き返ったのか?
そんな推理を、顔がぐちゃぐちゃになっていたり、体が臭気ガスで膨らんでいたり、まるでゾンビのような様相になっている五人が展開していくのが最早コメディのように面白かった笑
主人公の大亦牛男がとにかく罵詈雑言で、笑えた笑
めちゃくちゃぶっ飛んだ気持ち悪い世界なのに、しっかり本格ミステリとして成り立っているのが凄い。
腹から線虫が爆発するシーンには吐き気すらしました笑
しっかり汚い気持ち悪い作品なので、苦手な人は注意!
Posted by ブクログ
はあグロ〜って言うのが正直な読後の感想。
でもめっちゃくちゃ好き。
ミステリとしてもだし、エロとしても、
グロとしても最高だった。
本当に予測不能だし前代未聞だし
愛の力()って本当にすげーと思いました。
Posted by ブクログ
読んでいる途中、細かい何気ない描写のあれもこれも伏線なのではないかと思いながら頭に叩き込んでいた。推理作家たちが集まっているおかげで種類豊富な推理がどんどん披露されていき、その過程で伏線が回収されていた。すべて意味のある描写だったんだと思うと、どんな風にこんな話を考えつくのだろうと不思議な気持ちになる。
いろいろと露骨な話になってくるし、蘇る死者たちに初めは驚いたけれど、なぜかすんなり受け入れて読めてしまった。死んでいることが自分の強みだとか、死者に大真面目に問診しているシーンで笑ってしまったりして、コメディ要素もあって楽しめた。
みんながこれだけ夢中になった、晴夏という人間のことがもっと知りたくなってくる。父親との関係性について、いつなにが原因で死んだのか、推理作家ばかりを狙ったのはなぜか、みんながこれほど夢中になる魅力とは。
ラスト以降の作家たちの行方も気になる。本物の作家である饂飩や沙希はこれまで通りに生計は立てられるかもしれないけれど、人前に顔を出す必要がある牛男には前途多難だ。人物描写にも魅力があったのでついみんなの今後を心配してしまった。
Posted by ブクログ
「そして誰もいなくなった」のオマージュ的作品。
土台に有名ミステリがあるからこそ、ありえないほど二転三転していく展開に惹きつけられる。
最後の方の考察が交差し合う場面は、あいり達は喋っていて混乱しないのかと文を追っているだけでハラハラした。
犯人の動機の薄さ、晴夏の行為の突飛さ等気になるところはあるけど、ぶっ飛んだ設定がミステリーパズルのみを楽しませてくれる。
全ての登場人物の関係性に特に進展がなくドラマティックでないのもまた良い。
あの寄生虫、もう色んな所に寄生してて日本終わってそうだけどどうなんだろう…
Posted by ブクログ
覆面作家の招待で、孤島に建つ天城館に集まった5人の推理作家。しかし、館に主の姿はなく、不穏な空気が漂いだす。そんな中、彼ら全員が「晴夏」という女性と関係があったことがわかる。
9年前に事故で亡くなった彼女の関係者が、なぜ今になって集められたのか。やがて
作家たちは、次々と異様な死体で発見され……。
ストーリー紹介だけ見て、「お、今回は普通の孤島ミステリなんだ」と思って読んでいたら、ちゃんと特殊設定ミステリでしたね。いかにも白井さん! といった感じのグロテスクで露悪的なミステリ。
かなりトンデモ設定ではありながら、多重解決・個性的な登場人物に意外な結末と、盛りだくさんでしっかり新本格って感じです。
事件の発端になった晴夏さんについて、結局は何もわからないのが少しもどかしい。一体目的は何だったのか。彼女の愛はどこにあったのか。犯人もきっとこんな気分だったのかもしれません。
タイトル的に、『そして誰もいなくなった』の流れをくむ、孤島でのクローズドサークルミステリを連想するんですが、そういうのを期待して読むべきではないかな、とは思います。
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何がとは言いませんが、そういう系統の傑作と言えばこれ。
『生ける屍の死』山口雅也/創元推理文庫