あらすじ
――果たして貧困とは何なのか?
2021年夏、オリンピックを横目にホームレスと共に生活を見つめた衝撃の記録。
一日七食のホームレス!? 貯金ができるカラクリとは?
寝床探しから襲いかかる災害・犯罪の恐怖まで、家に帰らず2カ月間の徹底取材。
大阪・西成のドヤ街で暮らした日々をまとめた『ルポ西成』で鮮烈デビューを果たした著者が、《生活》の常識を根底から問い直すドキュメント。
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Posted by ブクログ
1992年生まれ、筑波大卒、國友公司「ルポ路上生活」、2021.12発行。貧困の最前線とも言えるホームレスは一体どんな生活をしているのか。2021年7月から9月までの約2か月間を、都庁下、新宿西口地下、上野駅前、上野公園、墨田川高架下、荒川河川敷の6つのエリアで過ごした。そこで見たホームレスの生活を描いた書。飯は困らない。冬よりも夏がきつい。空き缶拾いで1日3000円程度。年金ホームレスは生活保護を受けない。(12~3万円から年金分は引かれる)女性にとってはホームレスはリスクが大きい。
Posted by ブクログ
以前幡ヶ谷に住んでいた為、新宿に出向く機会が多く、ホームレスをよく見かけた。
確かに区画によってカーストがあるような感じもしたが実際にそうだったのか。
この本が書かれていたであろう時期にも何度も新宿に行っていたので、もしかしたら黒綿棒や著者に遭遇していたのかもしれない。世間は狭い。
幡ヶ谷の女性殺〇事件の事も書かれていて、当時よく通っていた居酒屋のママさんがインタビューされていた事を思い出すなどした。
炊き出しに何度も訪れる人が居るというのは知っていたが、あそこのはダメ、ここのが美味しい、お小遣いが貰えるなどという事は知らない情報だった。
また、炊き出しにはホームレスしかいないと思っていたのだが、生活保護受給者もかなり多く含まれていて何のための保護を受けているのかと何に対してか自分でも分からない憤りを感じた。
無知とは恥ずかしいものである。
私は趣味でポケモンカードをやっているが、本当に本当に買えない時期があった。
元は子供向けのおもちゃなのに大人達がムキになってしまう程に。
ヨドバシカメラの列にホームレスを雇って買いに来ている転売ヤーが居るというのも知っていた。
大体平日にゲリラで販売する事が多い為に平日出勤の社会人は勿論行けない。
買えない怒りから転売ヤーに雇われていただけのホームレスを憎む時期もあったが、本は面白く読めた。
また、著者の友達となる人物の個性が豊かで面白かった。
Posted by ブクログ
2021年夏、オリンピックの年。東京でホームレスとして過ごした著者のドキュメント。
前回に続き飾らないルポが面白かった。
意外に快適に過ごしているような気配もあったけど、実際自分には真似できない。
黒綿棒さんとの再会や、最後のおとなりさんとの別れが、切なかった。
宗教関係の炊き出しで、布教活動の一環であるのが驚き。考えてみればそりゃそうかと納得なのだけど、自分は全くと言っていいほど無宗教なので、そこまでして布教するもんなんだなと思った。
価値観は人それぞれだな、と改めて思った。
冬の生活も読んでみたかった。
また、皆がどうしてホームレスになったのか、もう少し深く知りたいと思った。難しいかもしれないけど。