【感想・ネタバレ】平安ガールフレンズのレビュー

あらすじ

「人が眉毛を抜くときの顔ってなんともいえないよね」と日常を切り取る天才だった清少納言は、歌道の家に生まれ、「私はあえて歌なんか詠まない」と宣言し、随筆で結果を残したロックな女だった――。
『枕草子』の清少納言、『紫式部日記』の紫式部、『和泉式部日記』の和泉式部、『蜻蛉日記』の藤原道綱母、『更級日記』の菅原孝標女。今から1000年以上前に生きた女性たちは、一体どんな悩みを抱え、どのような恋愛をし、いかなる人生を送ったのだろう? 日記や随筆などの作品を読み解けば、彼女たちの性格が手にとるように見えてくる!

【誰とガールズトークしてみたい?】
「あるある」の元祖、女子に人気のリア充 清少納言
ねっとり濃厚な性質、内に秘めるタイプ 紫式部
負けず嫌いな“出家してやる詐欺”美女 藤原道綱母
平安の“中二病”夢みる物語オタク 菅原孝標女
モテと才能に恵まれるも、なぜか不幸体質 和泉式部

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 平安文学は詳しくない私ですが、この時代を思う時にいつも感じるのは、日本って女性文学大国だなぁということ。

 持統天皇のために書かれたという説もある古事記にも多くの魅力的な女性が出てきますし、何よりも始祖の神が女神と言うのは珍しいと思います。(私もそんなに多くの神話を読んでいるわけではないので、その中でです)

 そして、万葉集では多くの宮廷歌人の中に著名な女性たちが含まれています。(額田王とかね)

 そのうえで花開いた宮廷文学。随筆、世界の文学史に残る小説。和歌、日記。
 本当に素敵ですよね。

 そして、その作者たちの個性がまた凄い! 

 姉御と呼びたい清少納言。

 絶対に会社の同僚になりたくない紫式部。(こーいう人がいますよね)

 夫のことを愛しているのはわかるんだけど束縛がひどすぎて、距離を置かれてしまった藤原道綱母。

 私も同類なのでなんとも言えませんが、おそらく元祖ヲタク、源氏物語大好きの菅原孝標女。

 夫がいるのに恋に生きてしまった和泉式部。

 彼女たちのそれぞれの生活や人としての在り方を描いたエッセイは赤裸々な部分もありましたが、とっても面白かったです。

 私は清少納言派ですが、紫式部も自分をいい人に見せようとしないで自由に生きれば楽だったろうにとこのエッセイを読みながら思ってしまった

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2021年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

しょっぱなから、筆者の共感力の高さに感動しっぱなしでした。古典女流作家の作品の内容から作者の性格・行動を解釈し、上手に現代に当てはめます。するとどうでしょう、あれほど訳が分からない古典の人物でも、あら不思議、確かにそういう人いるよね、という人物像へと見方が大きく変化するではないですか。

・・・
いうことで、本作、平安時代の女流作家とその作品を、現代の状況に置き換えるという試みであります。

より詳細に説明すると、筆者の試みは、ガールズトーク的味付けで古典の偉人たちを分析している、ということです。ガールズトークってのは要は恋愛観ですね。

清少納言はサバサバしているので、名門の殿方も寄ってきやすい。それをサラリと振って、言い寄られたことをインスタとかで上げちゃうタイプ。

他方、紫式部はそういう出しゃばりなタイプが一番嫌い。故に清少納言とか大っ嫌い。でも実は本人もそういうのがしたいのに、性格が許さないタイプ。メンドクサ!

藤原道綱母は、今でいうところのサレ女か。招婿婚で一夫多妻の当時でも、ほかの妻にジェラシーをめいいっぱい感じて、新しい妻が自分の夫から愛想をつかされると大喜びするという。。。原典を読んでいないのにヒステリックさが伝わります。『死の棘』を彷彿とさせます。
菅原孝標娘は恋に恋しちゃうタイプ。源氏物語で光源氏が夕顔を連れ去るシーンがありますが、そういう「連れ去り」をしてくれる王子様が早く出てこないかなーなんて願っちゃうタイプ。

和泉式部は、恋愛体質。その気がないのに自然と愛想を振り舞いてしまうのか、男が絶えない。挙句に死んだ元カレの弟とも結ばれちゃう(ちなみにその弟も死ぬのだが)。今ならばあざといとかって言われちゃうんでしょうね。

こういう分析をして、この子は友達になれるとかなれないとか、私ならばどうこうアドバイスするのにな、などの想像のやり取りが盛り上がります。確かに面白い。

・・・
ということで、古代の女流作家をその恋愛観などで読み解くような作品でありました。

「する」とか「した」とか、シモの話が多く、読んでいる最中は、女子の集団にうっかり男一人で迷い込んだような気分になりました。が、平安時代の女流作家はばっちり頭に焼き付きました。原典もちょっと目を通してみたくなります。

本作は当初、中三の娘の古典苦手意識解消のために購入したものでした。確かに非常に面白く、苦手意識も消えるかもって思いましたが、内容がなあ・・・読ませてみるか悩みどころであります笑

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2022年11月17日

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