【感想・ネタバレ】雪と人生のレビュー

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Posted by ブクログ

 雪の研究で有名な著者はまた、恩師寺田寅彦と同じく随筆の書き手としても名高い。

 自分の生まれ故郷での想い出を語った、子供時代に上がることを許されて垣間見た「御殿の生活」や、同じく懐かしさに溢れた「真夏の日本海」。
 雪の人工結晶を作る工夫や苦労、楽しさを語る「雪を作る話」、「雪雑記」、静養先の伊豆海岸であがる雑魚を油絵で描き、その色や光の具合いを精密に捉えた「雑魚図譜」。

 戦前の樺太への旅を書いた「ツンドラへの旅」では、カラフトにおいて、岩波新書をモデルにした樺太叢書というものが刊行されていたことを知った。
 また、「天地創造の話」は、昭和19年夏の昭和新山隆起の観測記録である。

 そして、「千里眼その他」、「立春の卵」では、科学者として疑似科学に正面から立ち向かう著者の生真面目さが窺える。

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2022年03月29日

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