あらすじ
「わかってほしい」は人間にとって当然の欲求である。
しかし、気持ちを伝えても「わかってもらえない」ことが少なくない。
それはなぜなのだろうか。そして、やり場のない気持ちはどうすればよいのだろうか。
その解消法を間違えば、座間死体遺棄事件のような凶悪犯罪に巻き込まれる危険性すらあると、著者は警鐘を鳴らす。
人一倍傷つきやすい人たちの心に寄り添い、迷路の出口を指し示す心理アドバイス。
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Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて手に取った。
わかってほしい、と強く願う人とそうでもない人、わかってもらえっこないとあきらめている人、その違いってなんだろう
わかってもらえてると思ってたのに…というパターンもある
そもそもわかってもらえる、ということは、自分が思い描くパターンがあるという、そんなの無理なんだから期待しないほうがいいに決まってる
158ページが心に残った。
認知症のおばあちゃんが、過去のことはほとんど忘れてるのに、孫のことはかろうじてわかっていて完全に完璧に味方、頭をなでてくれて、お母さんには内緒だよとお菓子までくれる
孫はおばあちゃんが1番の理解者だという、
何もわからなくなってしまったおばあちゃんが1番わかってくれていると孫は感じる
施設に住むおばあちゃんが実際には孫を守れるはずもないのに、孫はおばあちゃんに守られていると感じるという
わかってもらうってなんだろう。興味関心がある、親身になってくれる、それだけでいいのではないかと思えてくる。
いろんな人に自分の中のそれぞれの部分を,その時々で少しずつ理解してもらえればいいんじゃないかと作者は結論づけている。
ほんとにそうだな、と思えた。
Posted by ブクログ
精神科医の香山リカの本
ひとの「じぶんをわかってもらいたい」という欲求のもとに起こる、
様々な現代社会の心の問題を解いている。
・SNSに振り回され、見て傷つくのに止められない。
それが本当かウソかも分からないのに一喜一憂して、自分を追い込んでいく
・女友達・親子での「わかって欲しい」「わかってくれるはず」の幻想
恋人やパートナーなら丸ごとの自分を受け止めてくれるハズ・・・なのに
理解してくれてない。(夫の方は以心伝心夫婦と思っている人が多い そうだが)
・わかってもらいたい願望から陥る 洗脳・霊感商法・占い・・・etc
自分自身が「自分をわからない」からこそ 誰かにそれを決めてもらいたい。
受けてもらえたの如く騙される。
自分ですらわからない自分を「わかってもらいたい」気持ち
でも それは心の中全てや一部始終を伝えて、理解してもらう事ではなく、
誰かが自分に「無条件」に「積極的」に関心を抱いて、話を聞いてくれる ということ。
結局のところ そういう事なんだよね。