あらすじ
2022年 映画化決定!!
東京は、あと一分で終わる。愛していると言えないうちに―。
愛って、なんだ。永遠って、なんだ。眠れない夜は、どうすればいい。
この退屈は、虚しさは、どうすればいい。
どうせ他人になるのに、どうして私たちはどうでもいい話をしたがるのだろう。
どうせ死んでしまうのに、どうして今こうして生きているんだろう。
死ぬまでに本当にやりたかったことって、一体なんだったのだろう。
いま、青春小説史上、恋愛小説史上、犯罪小説史上、
最高に過激で孤独、そして正しく、美しい夜更かしが始まる。
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Posted by ブクログ
「私」、先輩、黒服、佐藤、全員違うキャラクターのようで、全員が今の世界に退屈さを感じている。それぞれの悪と戦う「私」たちがとても眩しい。
・会話の中には哲学っぽい掛け合いが多く、どれも納得するような言葉なのにどこか共感できない気もする。この複雑ではっきりしない気持ち悪さが心地よい。作品の中で、大切にしたい言葉にもいくつか出逢えた。この本は物事の意味について考えさせられるし、東京タワーに行きたくなる。こういう本が読みたい。
どう足掻いても変わることができない人というよりも、変われない、変わらないことの尊さが「私」の求めていた永遠のようで、お美しい。
Posted by ブクログ
これは読む人を分けるし、読む世代にもよる。
自分はとにかくぶっ刺さった。
自分にある中々出てこない感情が久々に浮き出てきて、アドレナリンかかってる気がする。
どんだけ大人になっても破壊衝動とか現状に満足しない心は持ち続けたい。
急に解像度高くなって、会話が描かれる時もあれば急にヒキで淡々と進む場面もある。
その振り幅が徐々に癖になる。
映画がキーになってるのも映画好きとしては凄く良い。そして映画がプロパガンダ化して世間に反旗振りかざす流れが好きすぎて堪らん。
初めのうちは、黒服と下らないイタズラ。そのうちに仲間が増えやる事の規模がでかくなっていく様。
なんか20世紀少年とかウルフオブウォールストリート感があって良い。
読んでるうちに、俺はFという黒服の常連になっていってる感じがした。
今ならなんでも出来る気がするよ、F
Posted by ブクログ
“先輩と黒服と、私”
大学生になってすぐ、大学生活に絶望する私。サルな同級生、退屈な授業、パワハラ上等の深夜アルバイト。友達もできずにサークルを探していると、かくれんぼ同好会というのを発見する。入会しようと面接に臨み、そこにいたのが聡明で美しい先輩。彼女に好意を抱くもうまく接近できず、気づけば疎遠となってしまう。さらに眠れぬ日々が続きやみくもに勉強していたある日、喫煙所で「火、ある?」とたずねてきたのが黒服。そこからは破壊という日々のはじまり。彼は天才で何でもこなしてしまう。それが故の絶望を持ち合わせながら、大学を、日本を、世界を破壊しようと計画を立てる。黒服のターゲットに先輩の名前が上がった時、私がとった行動とは。。
Fさんの本は、一つ一つのセリフや考え方に目がいってしまう。
「人は長所で好かれ、欠点によって愛される」
自分に足りないことだから、このセリフが一番心に刺さった。
でも、
「あたしだけがさ、気まずくなるのってさ、不利でしょ?」
ってセリフが一番好き。
「セックスする時間より会話する時間の方が長いし、会話する時間よりそもそもお互い一緒にいない時間の方が長いから、不在の相性って——一番大事かもしれない」
佐藤のセリフだというのに、私の言語化できていなかったこと。
「ベタなものを嫌いになれない」「ダサいことができる人を嫌いになれない」「だって東京だよここ」、と彼女は自嘲気味に笑った」
自分のカッコ悪そうなところをおしゃれに見せる力、センスを感じた。
「会いたいもの同士はどんなに忙しくても必ず会う——。会いたくなければ、再来週のスケジュールまで真っ白でも、あんたに会うほどひまじゃない、——ネトフリ見る—爪切る」
このセリフは忘れちゃいけない。考えすぎるな自分。
「幸せになろうとすればいつまでも幸せになれないのと同じように、普通の人生や、恋愛や、生活に憧れた時点で、お前はもう絶対にそれを手に入れられない。
——人生はその普通を手に入れた時点で終わるだろう。あとはそれを守るだけだ。
——どうなったら幸せかは誰も教えてくれない。だから何が幸福か自分で決めないといけないんだよ」
はっきりとした結末はない。
でも、結末は気にならない。
こんな気持ちは初めて。
あるのは、心の浮遊感のみ。
ああ、F信者になりそう。。
Posted by ブクログ
真夜中乙女戦争。
なんという本に出会ってしまったのか
この本の感想をインスタに載せるのはいささか無粋だと感じたからこちらで。
生きるって何。人生って何。
決められた人生なんてくそくらえだ
そんなふうな思考がわたしの中になかったわけではないけれど
その黒を遥かに超えるどす黒さで
物語は進んでいく。
わたしの中にあった黒なんて可愛いものだ。
可愛い、という言葉への感じ方も変わった
なんて書いてあったかちゃんとは覚えてないけれど
最悪だ、という言葉も
なんかなんか
うまく表現できないけれど
とんでもない本に出会ってしまったことは間違いない
衝撃と吐き気がするような気持ち悪さとを
どちらも兼ね備えて
賛同とも反対とも言えない
この表現し難い黒い感情
わたしにはないものだったしもしかしたら知らない方がよかったものかもしれないけれど
わたしが感じていた破壊衝動や全てどうだっていいという気持ちは
文学という世界ではなんと普通でありきたりで
無力なことだろうか。
言葉の力をまた思い知った
もっといろんな言葉を聞きたい知りたい読みたい
Posted by ブクログ
恐ろしいくらいに作者が書きたいことを書き殴ってるだけの作品。
最後まで読んでみたけど「えぇ…(困惑)」という感想に尽きる。思想の押し付けが強いので、嫌いな人は嫌いという感じの作品。
ただ時折、世間に対してメスを入れるというか、厳しく突き刺すような物言いは割と好きかも。
「幸せになりたいという人間は自分は幸せではないと呪いをかけている」だとか「はじめましてをいうのが怖くない人はさようならというのも怖くない」とか。
絶対こういうこと考えてる時点で作者の術中なんだけど、野暮なんだけど黒服は一体何者でどうなったの?
Posted by ブクログ
難しかった…何が本当で何が嘘なのかもわからないし、登場人物たちの目的や感情もわからない。けど、それがこの話の良さなのかもしれないと思う。今生きる世界はわからないことだらけで、自分が何か、あの人は誰が好きで誰か嫌いか、何のために生きているのか、これら何1つわからない。それが普通なんだけどそれに常々不満を抱いている。そんなことをある意味まっすぐに描いている。
Posted by ブクログ
黒服は存在しなかったのか?どこまでが存在していて、どこまでが妄想だったのか。世界観はおもしろかったが、よくわからないなとなってしまった。
主人公の考えにあまり共感できなかった。こじらせすぎだと思った。主人公が教授と言い合う場面も、必修が無意味に思えたとしてもその大学その学部を選んだのは自分自身なのだから自己責任だろう。バイトももっと効率の良いものをすればよかっただろうに、自ら不幸になりにいっているかのように思える。友人の佐藤とはお互いに下に見ているのだろうけど、主人公は何もかもを見下しているように思う。佐藤が夢を語っただけなのに、なぜまあそこまで攻撃するのだろうか。佐藤のように楽しもうと思わなければ、何事も楽しめるわけがないのに。周りを馬鹿にしたところで、自分が1番馬鹿馬鹿しいのに。ただ東京と大学に馴染めずに、黒服や先輩など親しい人が欲しい、主人公もその他の人間と同じなのに。
幸せになりたいと思っているうちは幸せになれない。今ある幸せに気づけないから。
好きなことを語るのは、相手に受け入れられたいという告白のようなものである。
一生懸命生きる人を、誰が馬鹿にできるの。
こんな、印象残るところもあった。
周りを見下さずに、素直でいようと思えた。生産性がなくとも、馬鹿馬鹿しくとも、それでいいじゃないかと。皆、誰かに必要とされたいものだろう。周りを馬鹿にするだけでは誰からも求められることはないだろう。
印象に残るところはあったけど、わからないことのほうが多かったです。世界観は好きだったので、体感は星2.5だけど星3にしました。