あらすじ
双子は不吉のしるし――。翠蘭は大商人の娘として生まれながら、山奥に預けられ、武道にあけくれて、たくましく育った。しかし突如病弱な姉の代わりに十八嬪として後宮入りすることに。数々の型破りな言動のおかげで皇帝・義宗から変わり者認定された翠蘭は、後宮で人々を脅かす幽鬼の正体を探るよう命じられる。「夜伽を命じられるよりはまし」と、時には山で会得した知識を駆使し、時には大剣を振り回して真実に迫っていく。男装妃と美形皇帝の男女逆転!? 中華後宮ファンタジー。伝説の妃嬪の物語が、いま始まる!
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Posted by ブクログ
中華風後宮謎解きはお腹いっぱいなのは事実なんだけど、意外に楽しかった。男装ってほど男装じゃない気もするが……気にしてはいけない……。
意外に皇后さまのキャラが好みだったので、今後も絡んで欲しいw
Posted by ブクログ
この人の書く恋愛模様って独特だなぁ。
後宮ものって、皇帝がヒロインオンリーワンなことが多いけど、ここの皇帝はバリバリ。懐は深そうで好き。
続編も出るのかなー。
Posted by ブクログ
Tさんのお勧め。
中華系後宮物語を読む過ぎてるかも。
一芸に秀でた変わり者の少女とか、
望まぬ後宮入りとか、
姉代わりのような女官とか、
美しすぎる皇帝との偶然の出会いとか、
いやあれは皇弟だったか。
あちこちで見かけた要素が散見されて、混乱する。
翠蘭は双子に生まれたというだけで、
親元から離され、なぜか武人の下で育てられ、
双子の姉の代わりに後宮に入ることにする。
皇帝の命で幽鬼の正体を探し、
男装で後宮内を動くことになる。
事実上の属国の皇帝には見鬼の才があり、
皇后は敵国の貴族の娘で実質的な権力者、
両者ともに武芸者というのはちょっと新しいかも。
Posted by ブクログ
後宮ものゆえ、皇帝も皇后も他の妃たちも本音や本性を作中であまり見せない。
皆、御簾越しで会話をしているような、そんなもどかしさを感じた。
会話もだが、幽鬼騒ぎの決着にしても。
素直で一直線なところを見せてくれたのは、主人公の翠蘭とその周辺と花蝶くらいか。
即ち、この作中では「子ども」と称されてしまう人たちと、彼女らを慈しむ人たちくらい。
翠蘭は子どもではないけれども。
山育ちで真っ直ぐ、後宮入りするようなお淑やかな姫でも腹の探り合いをするような腹黒姫でもないからなあ。
前述したが、作品全体がこう霧に包まれてクリアに見えないというか、貴族同士の会話と腹の探り合いに塗れたというか、ともかくそのもどかしさが凄く気になったお話だった。
ある意味、後宮を色濃く表現した話だったというか。
問題をすぱっと解決、後味すっきりな話にならない。
分かりやすいキャラクター小説が乱立する中では珍しい作風だったと思う。
何より、皇帝と翠蘭が安直に恋仲にならないあたりがもう。
この二人の関係性は最後まで不思議だった。
翠蘭が彼を守っているような、皇帝が彼女を見守っているような。