あらすじ
中学時代は全国も目指せる優秀な陸上選手だったものの、怪我により競技から遠ざかってしまった浜仲健斗。
失意のまま高校に入学してすぐ、健斗は手芸部へと勧誘されるが、「男が手芸なんて変だし」と心にもないことを言ってしまう。
ところがその場に偶然居合わせた「編み物王子」と噂される男子生徒との出会いが、健斗の高校生活を大きく変えることに――。
糸を編んで友情をはぐくむ、感涙必至のクラフトライフストーリー。
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Posted by ブクログ
自分の話で恐縮だが、2023年の末から編み物を始めた。始めたというか再開した。小学生ぶりにかぎ針を握った。しばらくして、何がきっかけだか忘れたがこの作品と出会った。試し読みの時点では、うーん棒編みの話かー、とかぎ針編みしかできない私は複雑な思い。とりあえず1,2巻を購入。ちなみにかぎ針のキャラクターはしばらくすると出てくる。
主人公が棒針に糸を巻き付けるのに苦戦しているのを見ると、小学4年の頃に母からかぎ針編みを習った頃の自分が思い出された。あの頃は鎖編みに苦戦し、没頭し、100目編むだけでただただ楽しかった。あれもきっと「ハイ」なんだろう(かぎ針だからクロシェッターズハイ?)。この本の影響もあり、この間の年末から棒針編みを始めた。健斗には悪いけど、かぎ針編みで毛糸の扱いが多少わかっている分、作り目には苦戦しなかった。こういう、初心の頃を忘れないでいさせてくれる本はいつまでも残ってほしい。
それと先日、新聞に作者の猫田ゆかりさんのインタビューが載っていた。編み物に関する呪いを解く物語だと仰っていた。まさにそのとおりだと思う。私に編み物は自由でいいと教えてくれたのはこの本だった。かぎ針編みがブームらしい今、ぜひ読んでもらいたい。