あらすじ
貧乏長屋のお初と兄の太吉。両親は、騙されて浅草の小間物屋を失い、悲嘆に暮れて亡くなった。
「必ず店を買い戻そう」と固く誓う太吉が、二十両の有り金をはたいて名品“井戸の茶碗”を入手。だがそれは、真っ赤な贋物だった。
弱り果てた兄妹に声をかけたのは、隣に住む赤目勘兵衛。誰かに売ってやるという、酒びたりの浪人にどんな策が!?
新世代の人情時代小説!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
中島要さんの「酒が仇と思えども」(2017.10)を読んですっかり中島要さんのファンになりました。この作品、是非、続編をお願いしたいです(^-^) そういうわけでw、引き続き「江戸の茶碗」(2015.6 文庫)を読みました。短編連作7話、これまた、びっくりするほど面白いです(^-^) 江戸の茶碗、寝小便小僧、遺言、真眼、嫁入り問答、いじっぱり、男と女の間の7話。まっくら長屋騒動記とありますが、これはもうシリーズ化間違いないですよね!
Posted by ブクログ
貧乏な長屋の住人達が織りなす、ユーモラスで温かいお話。登場人物達それぞれの視点の短編集。江戸っ子の粋と見栄と人情が溢れていて、語り口調や展開やオチなど、非常に落語的。
息を呑むような場面もあれば、笑いを堪えるような場面もあり、軽快な口調でテンポ良く話が進み、エンタメ小説として完成度の高さを感じる。毎回一話完結の連続ドラマになっても楽しめると思う。
なぜ本書を読もうと思い、どういう経緯で買ったのか、思い出せないほど「たまたま」「なんとなく」読み始めたものの、読み終えるのが惜しいくらいに面白かった。落語好きな人には是非勧めたい。
Posted by ブクログ
江戸の貧乏長屋を舞台とした中島要さんお得意の人情もの。「江戸の茶碗」という題名(落語『井戸の茶碗』のもじり)からも解るように、今回は少し落語調で、ストーリーも都合が良すぎる気もするが、きちんと「サゲ」までついていて、気軽に楽しめる時代小説となってます。