【感想・ネタバレ】炭酸ボーイのレビュー

あらすじ

宮古島で突如湧き出した天然炭酸水。商品化にあたり宣伝広報を担うことになった真田事務所の涼太たちは、プレミアム戦略を採り、「ミヤコ炭酸水」をヒット商品に成長させた。ところが販売元のグループ会社がこの希少な水に目をつけ、採水地近くにリゾート施設の建設を計画。自然豊かで神高い土地に降って湧いた話は、村を巻きこんだ大騒動に。「大切なもの」を守るため立ち上がった〈チーム真田〉は、この計画を阻止できるか!?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

小さな事務所でライターとして働く涼太は、取材旅行のため、宮古島を訪れる。ある酒造を訪ねたところ、最近井戸水から炭酸水が沸き上がっているのを耳にする。味は格別で、商品化しないかと持ちかける。売り上げは上々したが、そんな時、販売元のグループ会社が、リゾート施設を建設する計画が持ち上がった。果たして、阻止することができるのか?


作者の吉村さんは、サントリーの宣伝部にいたということで、営業としてのノウハウが、色々なところに散りばめられていました。勢いだけで戦略を立てるのではなく、冷静に分析しているので、リアリティがとてもありました。

また、吉村さんの作品を見ると、お酒をテーマにした作品が多くあります。この作品はお酒がメインではありませんが、お酒も登場し、炭酸水に「寄り添う」存在で良い調和を出している印象がありました。

商品をどう活かしていくのかだけではなく、どう自然と共存していくのかも描かれています。観光業として考えると、人が来て、盛んになることで島は潤っていきますが、現地として考えると、自然が壊れるなど色んなことが「失って」しまうといった問題が発生します。

そういった問題を取り扱いながらも、コミカルでわかりやすく書いていて楽しめました。

後半からは「自然」からの反撃が始まります。てっきり涼太一同が戦略を練り、勝ち取ったんだという展開を想像していたのですが、多くの悪い偶然?で問題を沈ませることにゾワっとしたりスカッとしたものの、「微炭酸」な感じがしました。

また、あの有名政治家?が登場するのですが、少々エッジが効いている印象でした。〇〇夫人が登場することで、現場を掻き乱していますが、そこは作者の遊び心なのか、軽くディスっている印象があって、クスッとしてしまいました。

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2021年05月30日

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