あらすじ
青国の茶道楽妃・采夏の機転により皇帝・黒瑛への帝位簒奪を未然に防ぎ、後宮が落ち着いたころ。新たな妃が二名入内した。絶世の美妃・秋麗と男装の麗人・冬梅だ。出会い頭から折り合いの悪い二人に頭を抱える黒瑛だったが、采夏は茶飲み仲間が増えたと喜ぶ。
そんな折、青国に西方の大使が来訪する。お茶でもてなそうとする采夏だが、希望されたのは今は存在しない“幻の白茶”で……!?
さらに、水害が采夏のせいと噂されたり、新たな妃が原因で黒瑛とすれ違ったり。采夏は数々の困難をお茶の力で乗り越えられるのか!?
※巻末には大好評のお茶豆知識を収録しています。
■登場人物紹介
・采夏(さいか)…茶道楽と呼ばれるほどお茶が好きな娘。うっかり入内し后妃となる。
・黒瑛(こくえい)…「引きこもり帝」「出がらし帝」と冴えない噂の皇帝。
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Posted by ブクログ
序盤の不穏さと心配した気持ちを返してくれと言わんばかりの展開。
終わってみれば、お茶が全てを解決しちゃってた。
新しい妃たちとの仲も、毒殺未遂事件も、土砂で荒れた村の復興すらも。
新しい妃がこれまた癖のある、かつ正反対なおふたり。
男装の彼女はさておき、自分の容姿に絶対的自身を持つもう一人の方は、最初大丈夫かと本当に心配していたのに、陥落は彼女の方が早かった。
寧ろ白百合が咲きそうな展開に。
どうしてこうなった!
采夏の無自覚人たらしの才能はこれほどまでか。
お茶のことで暴走しがちなのは相変わらずだが、一方でちゃんと役目もこなす采夏。
新しい妃たちの本質を見抜いたのも彼女だし、事件のことも、復興のことも彼女の知識と感覚があったからこそ解決。
そこに私欲も多分にはあったけれども。
皇妃として無論未熟なところはあるけれども、決して無能な人ではないのです。
ちょっと世間とずれているところがあるだけで。
新しい妃たちを無自覚に誑し込んではいたものの、一方で肝心の黒瑛とはすれ違い気味でもどかしい思いも。
皇帝は跡継ぎを残すのも役目。
そのために複数妃を持っているわけで。
他の妃たちのもとへも夜行ってあげてくださいと采夏は立場上言わざるをえなかった。
本心は望んでいないけれども、自身の役目としては、致し方なく。
黒瑛は彼女がそう言い出したので、以前嫉妬してくれたのは夢幻だったかと言い出す始末。
互いが互いを独占したいと思っているのに立場が邪魔になる二人。
もどかしいったら。
結局、その点は最後にすり合わせができたので大丈夫だったようだが。
でも今回は珍しく伏線を残す形で終わってしまったので、4巻以降に引き継がれるということだろうか。
できれば二人の邪魔をしていただきたくないが、命まで狙ってくる存在なので……この先が怖くなってきた。
無事に乗り切ってくれ!