あらすじ
人を好きになってしまうことに、解などないのだ――。
恋愛小説の名手・谷村志穂が描く大本命不倫小説!
息子が就職して家を出たことを機に部屋を片付けていた香菜子。
クローゼットの奥にしまわれたPCを開き、夫のメールを見つけてしまう。
そこには、夫と女が親密に名前で呼び合い、
2人が子供のように育てていた猫が死んでしまったなど、
21年以上にわたるやりとりが書かれていた。
おかしい。21年前といえば、香菜子が必死に幼い息子を育てていた頃なのに。
夫と女の間に何があったのか。その後、彼女は「不倫小説の傑作」とも評価された
1冊の小説を出版していることが分かって――。
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Posted by ブクログ
部屋を片付けていたときにクローゼットの中にあったパソコンを開いてしまった香菜子。
そこで、過去の夫のメールを見つけてしまう。
苗字から名前で呼び合うようになる、親しげな間柄。
エベッツというスナックで働く玲季(レイと読む、難しい名前)との長い時のやりとりが書かれていた。
香菜子が必死に幼い息子を育てていた頃、オットの儿(ジンと読むのですね)は女と何をしていたのか。
その後、彼女は「不倫小説の傑作」とも評価された
1冊の小説を出していた。
その小説に赤を入れていたのは、儿、その人だった…自分に都合の悪いことを改ざんする訳でなく、テニヲハを直したりする程度。
最後に玲季が10年後の小説を出版したい、ところで終わる。
その男が、幼少期から私学だったという、いかにも浮気のいくつもしそうなふうに描かれていた。
ひとつひとつのエピソードは、おんなを心地よくさせるものばかりなのに、俯瞰でみると、優柔不断でいやらしい。
イヤな男で、これがダンナだったら私は我慢できない。
そして不倫相手にも、私なら選びたくない。
玲季には、次々なんとも華やかな仕事が舞い込んでくる。そうそう、上手く行くかな、と思うのは、私のひがみかな。
谷村志穂の作品では、海猫が1番好きかも。
まっすぐで不器用な人の方が好みかもしれない。