あらすじ
中野信子さん(脳科学者)推薦!「家族法研究者 山口真由が明かす家族の本質」
「ふつうの家族」――それは聖なる呪いである。
家族も、親子も、夫婦でも――常に「スイッチオン」でなくていい。その関係は「点いたり、消えたり」でいい。
「”ふつう”を押し付けられたくない私は、”多様性”を押し売りしたいわけでもない。新しく生まれつつあるマジョリティの側にまわって、「空気を読まない」古臭い奴らをつるし上げたいわけじゃない。(略)これからの時代、私たちがすべきことは”違い”をあぶりだすことじゃなくて、”同じ”を探しにいくことなんじゃないか。家族のあり方が変わってもなお、昔と変わらない普遍的ななにかをその真ん中のところに見つけにいくことじゃないかと、私は思うようになった」(「おわりに」より)
はじめに
第1章 親子
言葉を失った「卵巣年齢50歳」の衝撃
結婚じゃない! 子どもなんだ!!
精子バンクはオンラインデート
「フェミニストの希望の星」が残した宣言 他
第2章 結婚
親友の結婚話でヒートアップした私
同性婚を認めた感動的な判決
ジャネット・ハリーというロック・スター
権利と義務の束としての結婚 他
第3章 家族
謎だった「男のお母さん」
私が育った日本の家族
多様になりつつある日本の家族
「家があります。緑と白の家です」 他
第4章 老後
日本の「家」は会社だった?
現代社会における「家」の残り香
「家」か? それとも「個人」か? 他
第5章 国境
アメリカの「実子」、日本の「養子」
「結婚」なんて点いたり、消えたり
「親子」ですらも、点いたり、消えたり
ステイタスとしての家族、プロセスとしての家族 他
おわりに
装画:赤 | aka
装幀:原田郁麻
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Posted by ブクログ
家族の在り方というのは改めて考えると難しい。同性パートナーや代理懐胎などの話になってくると余計に。感情的には親として認めてあげたいが、法律論的には認めるべきではないという結論も理解はできるし、、。また、家族制度の急激な変更は、それこそ共産主義者に付け入る隙を与えるのではないかと思ったり。
アメリカは独り立ちした瞬間、財産的に「個人」としてやっていくが、日本では「家」単位で財産を考えていて連綿と引き継いでいくものというのはなるほどと思った。日本の治安が良いのは、「家」というセーフティネットがあることも関係するのだろうか?日本とアメリカの低所得者層の暮らしの違いについて知っているわけではないのでなんとも言えないが。
色々頭の中に新しい概念が入ってきたこともあり、全然感想がまとまっていないが、また時間をおいて読み直してみたい。
Posted by ブクログ
日本が進むであろう道の先を行っているアメリカの家族の在り方が参考になった。日本は家制度から今にいたり、保守的。アメリカは個人で18歳になれば家を出て、高齢の親の面倒なんかみない。法律に書いていないもん。イスラムの家族が日本に移住したら4番目の妻の立場は・・・?その子供は・・・??国によって本当に違う。そして日本が特別違うみたいね。
Posted by ブクログ
家族法から読み解く、家族とは。
親子関係、結婚関係をまた新しい視点から書かれた一冊のように思う。
以下読書メモ
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・私たちは闘いを避けることなんてできない。自分の思うように生きること、それ自体が闘いなのだから。私たちは、結婚することで新たなステイタスを得るわけではない。人間的な成長をするわけでも、自分以上の存在になるわけでもない。
・私たちは家族になろうとしている。私たちは、日々、家族になり続けている。家族といえど、他人である。近しいがために、すべてを分かち合えると思い込み、考えが違えは裏切られたと憤る。ときに醜く罵りあい、じたばたともがく。それでも、私たちは「家族」をあきらめることができない。彼らを理解しようとし、傷つき、傷つけ、それでも気にかけ続けている。
寄り添いたいと願う、この絶ゆみない歩み寄りのプロセスだけが私たちを固く結びつけて「家族」にする。私たちは「家族」であるんじゃない。日々、「家族」になり続けてるんだ。