あらすじ
不条理に抗って生きる、すべての者へ捧げるレクイエム。
1957年のソ連の実験によって、スプートニク2号に乗せられ、宇宙に放たれた犬・ライカ。
彼女は冷たい暗闇の中でその命を失うも、突如現れた神から新しい体を与えられる。
人間への復讐に燃える彼女は、種を増やし、文明をつくり、凄まじいほどの軍事力まで手に入れた。
数年後、ライカは仲間の犬を引き連れ、母星・地球にむけて出発する。
自分を追いやった人類を滅ぼし、再び故郷で暮らすために――。
「生と死」、「愛と憎しみ」など、心を抉るテーマに果敢に挑んできた吉田真百合のデビュー作。
ポップで親しみやすい絵柄と、心の奥底にある欲望を描いた内容とのバランスが癖になる、
唯一無二のピュアでダークネスなコミック!
表題作に加え、掲載時反響の大きかった「愛の焦土」など3本の読切も収録した、豪華特厚224P!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
アーーー!素晴らしいね!好きだ。
文学兼美術畑の人間ですが、それらの哲学的な面とか語呂遊びをひっかける部分が凄く良い。刺さる。幻想SFですわね。
「わんわんかわいいねぇ〜!完!」みたいな作品ではなく、幸せの形について考えさせられたり、思い通りにいかないながらも着地点を見つける生き方ってあるよな、みたいなことを考えさせられます。犬をキャラにしたのは一歩ひいて見て欲しかったからというのもあるのかな。
この手の絵を描く人って一枚絵ド〜ンってかんじのイラストレーターに多い気がするんだけど、そういう人で「この絵で物語を描いてくれよ!!!オイ!!!」と思うことが多いので嬉しい。
偏見ですまねぇが美大出身の人の描く「お前めんどくさい奴って言われない?」みたいな雰囲気の作品好きなんよ。これはめちゃくちゃ褒めてるの。わかって。
独創的なファンタジー
ふわ~っとした設定のファンタジーです。
親しみやすい内容なのに、
ちょっと見たことがないくらい独創的です。
全体になんとなく悲しい雰囲気が漂っているのが、
この作家さんの個性なんでしょう。
絵はそんなに上手じゃないのに、
ずいぶん絵心があるなあと思ったら、
美大出身の方なんですね。納得です。
私は「海底着陸」が特に好きでした。
他の作品も購入したいです。