あらすじ
【電子版のご注意事項】
※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。
※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。
※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。
以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。
故・佐々木正美先生がいちばん伝えたかったこと。子どもの心がわかる、子育てに悩むすべての親に届けたい一冊。
「いい子だから、かわいがるのではありません。かわいがられるから、いい子になるのです」。
人間関係が失われ、孤独な親が増えたこの時代に、幸せな親子を増やしていきたい……。2017年に逝去された、児童精神科医・佐々木正美先生がいちばん伝えたかったことを、お母さんたちの悩み相談に答えながら届けます。
■内容
1章:「お母さん」が重い
2章:しつけって難しい
3章:親子バトルから抜け出したい
4章:子どもを伸ばす親になるには?
5章:思春期になる前に
6章:父親の役割ってなんですか?
佐々木 正美(ササキマサミ):1935年群馬県前橋市生まれ。新潟大学医学部医学科に編入学し、66年同校を卒業。その後、東京大学で精神医学を学び、同愛記念病院に勤務。70~71年にブリティッシュ・コロンビア大学に留学、児童精神医学の臨床訓練を受ける。帰国後は、国立秩父学園、東京大学医学部精神科に勤務後、小児療育相談センター(横浜市)、横浜市南部地域療育センターで児童臨床医として地域ケアに力をそそぐ、その間、東京大学医学部精神科講師、東京女子医科大学小児科講師、お茶の水女子大学児童学科講師などを務める。 川崎医療福祉大学特任教授(岡山県)、ノールカロライナ大学非常勤教授、横浜市総合リハビリテーションセンター参与などを歴任。長年にわたり自閉症とその家族を支援する療育方法の実践と普及に努めてきた功績で、2001年「糸賀一雄記念賞」、04年「保健文化賞」、「朝日社会福祉賞」受賞。著書に『子どもへのまなざし』(福音館書店)など多数。2017年没後も、そのメッセージは多くの親たちを励まし続けている。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ツマに勧められての読書。読んでよかった。
★★子供を幸せにするのなんてとても簡単なこと。親が笑顔ならそれだけで子供は幸せなのです。自分が親を幸せにしたと思って、自信たっぷりに育っていくのです。
・精神医学は人間関係論。親子関係もまた人間関係の一つだが、非常に閉じられた狭い関係。ここだけで変わるのもなかなかうまくいかないので、信頼のおける大人との関係を増やすことが重要。
★★「待つ」ということは、ほったらかしにすることではない。何度でも繰り返し教えるのです。穏やかに教えるのです。飽きずに教えるのです。やり方を見せ、一緒にやり、失敗したら助け、人に迷惑をかけたら一緒に謝るのです。そうやって、時間をかけてできるようになるのを待つのです。言葉は代弁してあげる。親が見本を見せる。挨拶をさせたいなら、自分が進んで挨拶する。
★★親の言うことを聴かない子のほぼすべては、親に言うことを聴いてもらっていない。患者さんのことを聴こうとしない医者が、患者さんに聴いてはもらえない。
★子供がしてほしいということは、できるだけしてあげる。泣かなくても勝たせてあげる。わがままになったりはしない。
★祖父母と孫が親しく過ごす時間は本当に短いもの。子供も甘えなくなるし、祖父母もそれを感じ取る。けれど、あたたかい関係はちゃんと残る。
★親が叱れば叱るほど、子供は叱られる子供になる。心配すればするほど、心配することをする。親が言うことを聞いてあげればあげるほど、言うことを聞く子になる。かわいがればかわいがるほど、かわいい子になる。
・子供はだれしも、新しい世界に出ていくことにおびえと不安を感じるのです。けれど、お母さんへの信頼をしっかり実感できれば、それを安心材料のようにして、親から少しずつ離れていくのです。
★「さっきはごめんなさい。ママ、イライラしてた」と謝ってっください。子供の自尊心が守られる。こういう言葉は、自然と口に出るものと思いがちだが、言いなれていない人、自尊心が低い人は意識して言う必要がある。
・一生懸命やればいい、結果は問わない。と決め、実際にそのようにふるまう。自己肯定感が築かれる。
・自己肯定感を高める。そうしなければ、他人を肯定できない。他人を肯定できない人は、子供の精神科医にはなれない。
★テレビのほかに、楽しいことはあるか。ひとりぼっちで勉強させるのでなく、1日30分でいいから、家族一緒の時間を。
★親の希望を押し付けるのでなく、子供の希望に寄り添う。これができずに、思春期はこじれる。親が喜ぶことをさせようとしていないか自問する。
・意識せずに色々なこと関われるのは小学校低学年から中学校くらいまで。人間関係の絶対量が不足すると、社会に出たときに人と交われない。
・兄弟がいる子にも、「一人っ子」の時間を。
★★「今日どうだった」とストレートには聞かず、おいしいおやつを用意して、自然と話してもらうのを待つ。
★兄弟平等に扱うと、上の子は必ず不平等たと感じる。「お兄ちゃん見習ってね」等のちょっとした誉め言葉で、お兄さんを少し特別扱いする。そうすると、兄は弟にやさしくする。
★★子供が生まれ自分は放っておかれたと感じる夫もいるでしょう。でも、オットには大きな仕事がある。ツマを支えることです。家事育児も大切だが、妻の話を聴くのが最も大切、なんでも聴いてあげよう。
・子供のしつけで最も重要なことは、自尊心を傷つけないこと。
Posted by ブクログ
早期に受験させるというブームがありますが、人間関係で大切なことについて以下とても印象に残りました。
【著名な心理学者や精神科医はみな言っていますよ、子供時代の雑多な人間関係の中で、人は社会性を身につけるのだ、と。しかし残念なことに、意識せずいろんな子と交われるのは、小学校の低学年から中学年くらいの非常に限られた時期だけのことです。思春期以降になると、類は友を呼ぶといいますか、価値観、趣味、話が合う友だちとしか交わらなくなるのです。そのときに友だち選びの基準になるのは「親の価値観」です。自分の両親のもつ文化や考え方を基準にして、子どもは友を選びます。これは、ほぼ確実です。
雑多な人間関係があるからこそ、人を見る目が養われ、どんな人とでも交われる能力を身につけていくのです。】
Posted by ブクログ
私が求めていた全ての答えがこの本の中にありました。
ずっと拭えない自分自身への自信の無さ。自身の育てられ方への不信感。家族というものへの恐怖。
私は子育てをしながら、ふとした時にいつもそんなものに心をがんじがらめにされています。
とても苦しい。暗くて真っ黒で逃げ出したくなる。
全部置いて1人になって、この世から消えてしまいたくなる。
こんな気持ちは実親と良好な関係にある人には絶対にわからないと思う。私と夫はとても仲が良いと思うけど、この気持ちを理解してもらおうとは全く思わない。
それでも自分なりに、その辛かった過去を反面教師にして、子供たちには自分が言われたかった言葉を言おうとしたり、されたかったことをしようと毎日努めている。
『決意しましょう。親から言われたかった言葉を子供に伝えられるのはあなたです』
『与えられなかったものがたとえどんなに大きいとしても、そこに心を奪われているばかりでは、前に進むことができません。大切なことは、恵まれなかったものを自分でどう補っていくのかなのです』
この言葉にとても救われました。
この本は質問に対して回答するという形で構成されていますが、実際に私の悩みをきいてもらっているかのような気持ちになりました。
自身の生い立ちや家族に不信感を持っている人。
こんな私が親になんてなれるわけないと自信を無くしてしまっている人にも大丈夫だよと言いたい。この本を読んでもらいたい。
私ももがいてるから。この本にはとても心を救われてる。読みながら涙が出た。
相手は変わらないけど、自分は変われる。負の連鎖を断ち切れるのは自分だけだから。子供には何の罪もない。
……ああ、でもやっぱり。
この本に書いてあるように育ててもらいたかったな。そうしたら私はどんな大人になれたのかな。どんなことをして今生きてたのかな。
そんなことを想像するのもちょっと切なくて。でも楽しくもあります。
『子供というのは、土にまみれた球根のようなものです。どんな花が咲くのかはわからない。』
というところも好きです。
持って生まれたお花を親の勝手で色や形を変えることなんて出来ない。
親にできることは、いつかきっと美しい花が咲くのだと信じてお水をやり、肥料を与えたり、お日さまに当てたりして育てていくことなんですね。
明日からまた笑顔で。子供たちに接することが出来ると良いな。そう出来るよう努めていこう。
Posted by ブクログ
先生のあたたかい言葉に癒される。
時々涙ぐみながら読んだ。
子育てをしていないのに癒されるのは、子供時代の寂しさや悲しみが癒されたのかなと感じた。