あらすじ
――海に現れた「壁のない密室」――
何者かに海中深くに引きずり込まれた元ダイバー。
無残な遺体には鉤爪で付けられたかのような不審な傷が残されていた。
現場はソナーで監視され、誰も近づけないはずの“音の密室”。
事件の調査依頼を引き受けた、防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、
大海原に隠された謎に挑む! (「コロッサスの鉤爪」)。
表題作ほか計2編収録。『ミステリークロック』と2冊で贈る、防犯探偵・榎本シリーズ第4弾。
本書は、単行本『ミステリークロック』収録の4篇のうち、「鏡の国の殺人」「コロッサスの鉤爪」の2篇を分冊して文庫化したものです。
他の「ゆるやかな自殺」「ミステリークロック」は、同時に発売された文庫『ミステリークロック』に収録されています。
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Posted by ブクログ
防犯探偵シリーズ第四弾その2
中編物が二作収録されている一冊。
前編では榎本が殺人犯に仕立てられてしまうと言うピンチから話が始まっていきます。
青砥先生との連携で解いていく様は、一部安楽椅子探偵を思わせるようでした。
後編で登場する密室はこれまでの作品の密室とは違い、音の密室を解かないといけないと言う難問に立ち向かう事に!
僅かなヒントから謎を解いていく榎本の手腕には本当に驚かされます。
それをサポートする青砥先生の珍推理(もとい迷推理)も相変わらず光っています(笑)
Posted by ブクログ
光の速さで読み始め、読み終えた事に寂しさを感じています。
どちらも幻想的な空間での殺人で、どこか切なかったです。
全体的に動機が辛いですね。
『コロッサスの鉤爪』に関しては、やるせないとしか言いようがないです。
復讐をしてもしなくても、犯人にとっては一生救われない結末のように感じました。
榎本さんの本業を見れた事やら、珍しく青砥さんを頼ったあたりやらで、勝手に嬉しく感じました。
青砥さんの扱いが可哀想に感じます…!
推理系に疎い私からすると、寧ろ発想力があって羨ましいのに(笑)