あらすじ
20年前の14歳少年による女児殺害事件犯行映像が闇オークションに出品された――。流出元を探る警察と、私刑を下すべく事件の元犯人を追うネット自警団。二つの正義が重なった時、物語は本当の姿を現す!
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Posted by ブクログ
ネットリンチする側が狩られる側に・・。サカキバラみたいなやつは、大人になってもさらされて当然なのか?
最後の謎解きというか事件の全容がはっきりして良い、あとテンポが良くて、人間描写がシンプルで読みやすい。
ただ一つ、弁護士が他殺か自殺かは謎のままだったのが気になる。
Posted by ブクログ
犬塚理人『人間狩り』角川文庫。
初読み作家。第38回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作。
少年法の壁、正義とは何か考えさせられるなかなか面白いミステリーだった。酒鬼薔薇事件や宮崎勤事件を連想させる事件の20年後に起きた奇怪な事件に端を発し、20年前の事件に翻弄される人びとと間違った正義……次々と連鎖していく加害者と被害者双方の不幸と過去への後悔……
当時14歳だった少年Aによる20年前の女児殺害事件の残虐な犯行の一部始終を収録した映像が闇サイトで売買される。映像の流出は警察関係者からとの見方があり、監察官の白石は捜査を始める。やがて、明らかになる少年Aの今の姿と様々な悪事を暴き、制裁を加えるネット自警団の存在……
本体価格720円
★★★★★
考えさせられた…
初めて読む作家さん。
題名を見て、何かイヤミスや所謂グロいと言った内容の話だと思った。
だけど、そう言った要素よりも、少年法や正義とは何か…。
そういう事を考えさせられるストーリーだったと思う。
猟奇的殺人を犯したが更生し立派な職業についた加害者、自身を犠牲にして年月をかけて復讐に及んだ被害者の母親。
被害者に加担した元刑事。
一体誰が悪で誰が正義なのか…
すごく考えさせられた。
とても面白かったです。
他の作品もあればせひ読んでみたい!
Posted by ブクログ
とても面白く読み進める程にどんどんのめり込んで読んだ。想像をできるだけしない様にして読み進めた部分もあったが、ドキドキ感から目が離せなかった。
Posted by ブクログ
猟奇殺人を犯した元少年Aへの私的制裁の是非という重いテーマの作品。荒削りだがこれがデビュー作とは思えない巧みなプロットと伏線回収の妙がある。序盤からグイグイ読ませてくれるが、中盤以降は失速し、終盤は盛り上がりを欠く展開。物語の落とし所自体は然程悪くはないが、人間ドラマの書き込み(特に元加害少年と被害者家族)が圧倒的に不足しており、テーマの重厚さに反したライトな作風がちょっと残念。尤も、この題材は取り扱う際の【さじ加減】が非常に難しいのだけれど。装丁は単行本のイラスト画の方が不穏さを醸し出していて好きです。