あらすじ
アジャイルとは、小さなことをしている小さなプログラミングチームの小さな問題を扱う小さなアイデアである。アジャイルとは、大きなことをしている大きなプログラミングチームの大きな問題を扱う大きなアイデアではない。
大きなことは大きなチームなんかじゃできない。小さなことをする小さなチームがいくつも集まり、コラボレーションしながら大きなことを成し遂げるのだ。
このことを、我々はあらためて認識する必要がある。
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Posted by ブクログ
エンジニアになったときからアジャイルが当たり前にあったので、アジャイルの目的や手法について詳しく学んだことがなかった。この本で目的や手法についての把握ができてよかった。以下まとめ。
## アジャイルとは
- 開発プロセスを効率化する方法論
- ソフトウェア開発を予測可能、実行可能、管理可能にする方法論
## 第1章 アジャイル入門
ソフトウェア開発の4つのよりよい手法として以下があげられた
- プロセスやツールよりも 個人と対話を
- 包括的なドキュメントよりも 動くソフトウェアを
- 契約交渉よりも 顧客との協調を
- 計画に従うことよりも 変化への対応
### 鉄十字とは
- プロジェクトマネジメントのトレードオフ
- 「品質」「速度」「費用」「完成」のうち好きな3つを選べる。4つは選べない
- アジャイルはすべてを100%にするのではなく、各属性の係数をうまくマネジメントすることを可能にしている
### アジャイルはマネジメントをどのように支援するか
- 鉄十字の係数を管理する際に必要なデータを提供する
- 例えば、チームのベロシティ、バーンダウンチャートなどのデータを提供する
- イテレイーションプランミーティング(IPM)でイテレーションを見積もることで、どのくらいのストーリーが完成する可能性があるかをステークホルダーが把握するため
- ベロシティの低下から、コードの品質が低下している可能性があったりすることが考えられる
## 第3章 ビジネスプラクティス
### 三点見積もり
- この見積りは、 最良ケース、 最有力ケース、 最悪ケース の3つの数値で構成される
- これらの数値は、 信頼性を持つ 見積り。 最悪ケース の数値はタスクが95%の信頼性で完了する時間を示している。同様に、 最有力ケース は50%の信頼性、 最良ケース は5%の信頼性を持っている
### イテレイーションプランミーティング(IPM)/スプリントMTG
- イテレーションは イテレーションプランニングミーティング( IPM)から始まる
- IPMにはチーム全体が参加する。つまり、ステークホルダー、プログラマー、テスター、プロジェクトマネージャーなどが含まれる
- ステークホルダーは見積もられたストーリーを事前に読み、ビジネス価値の順番で並べていく
### ユーザーストーリー
- システムの機能をユーザーの視点から簡潔に記述したもの
- ストーリーはINVESTという頭文字のガイドラインに従う
INVEST
- 他のストーリーに依存せず、独立している(Independent)
- 内容が交渉可能である(Negotiable)
- 価値がある(Valuable)
- 見積可能である(Estimable)
- 大きさは1つの反復期間に収まる範囲に小さい(Small)
- テスト可能である(Testable)
### スパイク
- ストーリーを見積もるためのストーリー
### ベロシティ
- プログラマが完成できると考えるストーリーポイントの合計値
Posted by ブクログ
アジャイルは経験したことがないが、もし経験した時にはこの本をもう一度読み返して、アジャイルの本質は忘れずに取り組んでいきたい。
アジャイルと一緒によくでてくるXPやTDD等、本書の言葉でいえばメソドロジーにこだわるのではなく、そのメソドロジーで叶えたいとしているイデオロギーを見据えることが大事であるというのは、見失わないようにしたい…。
本書ででてくるプラクティスも、いずれはよりよいプラクティスに代替され、マニフェストも塗り替えられていくのかもしれない。
アジャイルだけに限らず、ソフトウェアの開発手法の本質について考えさせられる内容でした。