あらすじ
【ムダと利権にまみれた対策が地球を不幸にする。まやかしの「CO2削減」に踊らされるな!】
環境問題にはある種の「流行」のようなものがある。その時どきの一番「ウケる」話題が一気に出てきて、それだけが最大で唯一の環境問題であるかのようになってしまう。逆に言えば、後のことは別にたいした問題ではないというような感じになる。上辺だけの環境ブームに警鐘を鳴らし、現代社会の本質に関わる問題を人気の生物学者が説き明かす。
―本文より―
実は、1960年代後半から1980年代の初め頃まで、気象学者たちは地球寒冷化を警告していた。1940年から1970年の30年間で地球の平均気温は摂氏0.2℃ほど下がったので、このまま気温が下がり続ければミニ氷河期が来ると考えても不思議ではない。しかし、寒冷化を人類がコントロールするわけにはいかないので、寒冷化を防ぐ手立てはなく、寒冷化予防が利権になることはなかった。1980年代の後半になり、地球の平均気温が上がり始めると、CO2の人為的排出が地球温暖化の主たる原因だと言い出す科学者が現れ始めた。1988年にNASAの科学者、ハンセンが「最近の異常気象が地球温暖化と関係していることは99%の確率で正しい」と証言したのを機に人為的地球温暖化説は全世界に一気に広まり、これを金儲けのチャンスと捉えた人々は、CO2の削減を錦の御旗に掲げて、膨大な金を動かそうと目論んだのである。
〈本書の特長〉
・環境問題にはびこる嘘を見抜く!
・『ホンマでっか!? TV』出演、評論家としても活躍する池田清彦先生が解説。
〈本書の内容〉
■第一章 環境問題の嘘
■第二章 地球温暖化の嘘
■第三章 エネルギー問題の嘘
■第四章 ゴミ問題の嘘
■第五章 食料問題の嘘
■第六章 人口問題の嘘
■第七章 未来をつくる問題解決策
〈著者プロフィール〉
池田清彦(いけだ・きよひこ)
1947年、東京都生まれ。生物学者。東京教育大学理学部生物学科卒業、東京都立大学大学院理学研究科博士課程生物学専攻単位取得満期退学、理学博士。山梨大学教育人間科学部教授、早稲田大学国際教養学部教授を経て、山梨大学名誉教授、早稲田大学名誉教授、高尾599ミュージアム名誉館長。カミキリムシの収集家としても知られる。著書は『環境問題のウソ』『ほんとうの環境白書』『本当のことを言ってはいけない』『自粛バカ』など多数。メルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』を好評配信中。
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Posted by ブクログ
有効利用されている食べ物は7割。自給率よりこちらのほうが問題。
ゴミで東京湾が富栄養化。
窒素が増えれば収量が増える。ハーバーボッシュ法で窒素肥料をたくさん固定化できるようになった。
ダイオキシンは家庭用の焼却炉ではさほど量がでないがのちに明らかになったが、高級焼却炉の利権につながっている。
環境ホルモンはガセネタだとわかり、環境省はリストを取り下げた。利権にはつながらなかった。
1940~70年のころは地球寒冷化が心配されていた。利権につながらなかった。
CO2犯人説は利権につながっている。
エネルギーを増やさないためには人口を減らさなければならない。30年くらいは可能だが、300年は不可能。
セシウムは、野菜や果物に入って内部被ばくするほうが怖い。
バッタは、幼生密度が高いと、体が黒く細くなり群生相となる。幼生密度が低いときは孤独相。群生相になると飛蝗が始まる。バッタの大量発生は温暖化のせいではない。
温暖化で台風が増える、は事実に反する。今は毎年数は減っている。
唯一、人間の活動が気候に影響を与えているのはヒートアイランド現象。
CO2温暖化説はシュミレーションによるもの。パラメータを少し変えれば違う予測も可能。
マイケル・マンの敗訴=ホッケースティックグラフはでっち上げ。『地球温暖化の不都合な真実』最近は温暖化が怪しいと考える学者が増えてきた。
アメリカの食料自給率は200%くらい。中国に売らないとどうにもならない。
南海トラフにはメタンハイグレードがあるが地震の可能性があり、コストが高く掘り出せない。
自然エネルギーは高くつく。安いのは石炭火力と天然ガス。
ペットボトルは燃やしてしまったほうがいい。生ごみは熱量が低いから重油をかけて燃やさないと燃えない。
スーパーのレジ袋は、廃油から作られるから、それに変えて高いゴミ袋を使うのは本末転倒。
ダイオキシンは危険物質、というのは嘘。現在のハイテク焼却炉は止められないからゴミがないと困る。家庭用焼却炉が普及するとゴミがでない。ダイオキシンの話から家庭での焼却ができなくなった。
集中型のものより分散型のほうが効率がいい。
『ダイオキシン』より。
農薬より怖い減農薬=強い農薬を少量使う。
チリ産サーモンは、抗生物質のスープで泳いでいる。
養殖で抗生物質を使用するのは、病気を防ぐためにはやむを得ない。車エビも同じ。
ベーシックインカムの世界では、人口が少ない方がシステムに適合的。
遺伝病の多くは劣性。比較的若年で死ぬので、子孫が残ることはまれ。ヘテロ結合体が昔流行していた感染症に抵抗性があると、生き残る。マラリア、チフス、結核などでそういう病原体があるので、一部の遺伝病が残っている。
培養肉バーガーは100グラム3500万円だった。まだ高い。今は100グラム2000円くらい。
家畜で一番多いのは鶏。動物や昆虫を食べている鳥は美味しい。ライオンや虎の肉はまずそう。草食獣のほうが旨い。
培養肉が一般的になると、今まで食べていない動物の肉が食べられる。
野菜は地面で作ったほうが安い。
太陽の黒点が消えると地球は寒冷化する。
フグの毒は、餌に含まれているモノ。養殖すれば無毒になる。フグの調理人の仕事がなくなるので、無毒のフグはとっくに認可されなかった。
葛飾村(江戸川区)の大奥の糞尿を扱う商人は名字帯刀を許された。
江戸には神田上水、玉川上水など6つの上水道があった。
食べ物から何から何まで、お金で買わなければならないシステムが資本主義。自給自足を始めると成り立たなくなる。
村おこしがだめなのは、特産品や観光など、現金収入を増やすことを目的にしているから。現金収入を増やすことは、資本主義の末端になるだけ。
ダンバー数150人程度で暮らすコミュニティーを作って自給自足の村おこしをするのはどうか。