あらすじ
【加速するデジタライゼーション、アフターコロナを勝ち抜くDX戦略】
デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた企業の対応の重要性は以前から指摘されていましたが、「我々の業界はデジタルには縁遠い」「これまでも成功してきたので、まだ大丈夫」という姿勢の企業も少なくありませんでした。2018年に経済産業省が「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」を発表したことで、多くの企業の経営者が危機感を強め、取組みが本格化したといえます。
しかしDXへの取組みにおいて、日本は他の国・地域から水をあけられているといわざるを得ません。米国ではデジタルネイティブ企業が、これまでと異なるビジネスモデルで新しい競争原理をつくりだしています。また、デジタル化と経済成長が同時進行している中国やアジア諸国などは、デジタルを前提として社会システムが成り立っているといっても過言ではありません。
日本の企業は昭和の高度成長期の常識や資産を捨て去ったり、大きく転換したりすることなく平成の30年間を過ごしてしまったために、俊敏性が求められるデジタルの世界で、大きな荷物を背負ったままで戦っていかなければなりません。さらにコロナ・ショックにより、日本企業のDXへの遅れが露呈しました。これからもデジタルの波は止まることなく、ますます強く押し寄せてくることは確実です。今後は業種、企業規模の大小、企業内の職種、役職を問わず、すべての人がDXを自分事として向き合わなければならないのです。
本書は、アナリストとして国内外の取組みを調査分析し、コンサルティングの現場では数々の失敗や停滞に直面しながらDXの推進を支援してきた著者が、DXの基本と考え方、実際の進め方や問題点を整理してわかりやすく説く、すべてのビジネスパーソンが読むべきDXの新しい入門書です。
〈本書の内容〉
■PART1 そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
■PART2 DXの実践に向けた取組みとは?
■PART3 DXで求められる企業内変革とは?
■PART4 DXをどのように進めるか?
■PART5 DXで変わる これからの社会・企業・ビジネスとは?
〈著者プロフィール〉
内山悟志
株式会社アイ・ティ・アール会長/エグゼクティブ・アナリスト。大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパン(現ガートナー ジャパン)でIT分野のシニア・アナリストとして国内外の主要IT企業の戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立、代表取締役に就任し、プリンシパル・アナリストとして活動を続け、2019年2月より現職。企業のIT戦略およびデジタルトランスフォーメーションの推進のためのアドバイスやコンサルティングを提供している。10年以上主宰する企業内イノベーションリーダーの育成を目指した「内山塾」は600名以上を輩出。ZDNet Japanにて「デジタルジャーニーの歩き方」を連載中。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
DXへの変革方法が主に述べられているが、各パートでポイントとなる主題をきちんと明示して、順序だてて説明されちえるので論理的にも納得感がありとてもわかりやすい。そして、最後のアフターデジタルの世界観のまさにそうなっていくのだろうと感じさせる。「これからの」と題されている通りの内容でとてもよかった。
Posted by ブクログ
これだけ世の中で話題になっているDXについて、わかっていたつもりでしてが、わかっていませんでした。
DXをスウェーデンのウメオ大学の教授が提案したときの定義やその後の日本での解釈、そして仕事人、社会人として理解しておくべきこととやるべきことが本書を読んで見えてきました。
今世の中が、社会が、働き方が変わろうとしています。どんな方向に向かうのかを本書は教えてくれています。
私にとっては大変参考になった一冊でした。
Posted by ブクログ
デジタルトランスフォーメーションとは何かから始まり、その取り組みを見据えたところで、日本企業の組織変革を提示し、日本企業に適したDXの方法を指南します。終章ではテクノロジーの普及は加速するとして、アフターデジタル(藤井保文、尾原和啓共著)や両利きの経営(チャールズ・A. オライリー , マイケル・L. タッシュマン著)を引用しながら社会の変化や企業のあり方について展望します。対象領域、四つの潮流、データやつながりに着目したパターンなど具体的な着眼点も豊富に網羅、そして五つの処方箋、二段階方式など具体的な進め方も丁重に説明されていて、まさにデジタルトランスフォーメーションの教科書的な存在です。
Posted by ブクログ
DXはイノベーションのひとつである。DX推進の人材像はデザイナー、ディベロッパー、プロデューサー。DX推進の不確実性をチェックするためのゲートの仕組み。とてもとても推敲された文章と解説で、学びがとても多かった。的確適切、無駄のない文章は流石です。
Posted by ブクログ
マーケティング面から企業経営においてDXをどのように捉えるべきか、と言う事がわかる本でした。既存の仕組みや固定観念を重視していると、取り扱うのが難しいのだと言う事を感じました。
Posted by ブクログ
DXってなんぞやからスタートして読み始めました。学校現場もStuDX なんて言葉が見聞きされてきましたが、結局国レベルでDXを進めて行く必要があるからなんだろうな、思います。もちろん学校現場もDX化していかなければいけないことだらけだから、参考になることは多いです。
Posted by ブクログ
バズワードにもなっているDXについて、軸を示しながら、考え方やソリューションが整理されていて勉強になる。仕事でもこの整理軸を参考にさせてもらって、話をすると分かりやすいように思った。
Posted by ブクログ
●一分野マスター読書「DX」7冊目。『DX実践超入門』と内容が被るところが多い印象。わかりやすいが、自分はここから始めてみようという取っ掛かりがいまいち掴めない。
Posted by ブクログ
DX戦略について幅広く書かれている。日本は海外のようにトップダウンが難しい部分があるので、ボトムアップで意識を変えていく必要がある。DXの専門部隊を置き、なぜ業務を変えていく必要があるか現場の従業員に考えさせる必要がある。DXの実践パターンは”データ”に着目か、”つながり”に着目するパターン。そこから広げていく必要がある。
ざっとDXとは?と思っている人には良書かもしれない。ここ最近ではDXという言葉は普及しきっていて、どのように効果が出るかをしっかりと考える必要がある。周りの前例を気にするのでなく、自社で前例を作る気持ちが必要。
Posted by ブクログ
DXの概要について分かりやすくまとまっており、大まかに把握したいという目的は達成された。
(DXとは?今後どのように生活が変わっていくか?社内推進するためにはどうしたらよいのか?)
またロジカルな体系化と資料の分かりやすさという点でも非常に勉強になると感じた。
先進国でありながらシリコンバレーのように活発に事業が産まれない風土であり、途上国のように経済成長とDX整備がセットにならない。日本という国はDX推進含め革新的な転換が、やりづらい風土だと思う。
自社で考えても、発案→コンセプト検証→ビジネス検証→導入稼働のそれぞれのフェーズ難易度が高い。
もし携わることがあれば、本書を参考にしたい。
Posted by ブクログ
■この本をおすすめできる人
・簡単にDXの概要をつかみたい方
・DXって何をするのかを知りたい方
■おすすめポイント
・150ページ程度の薄さでイラストも豊富であるため読みやすい
・図解が豊富であるため、例えばDXの戦略をパワポでまとめる際などに参考にできる
・DXの対象領域、潮流、実践パターンなどがフレームワーク的に整理されている
■個人用メモ
・DXの計画に関しては、既にレビュー済の「戦略論とDXの交点」で充足
・DXの実行に関しては、体制整備や予算の考え方など本書の方が充足
・新しい戦略を考える際は本書でヒントを得てから「戦略論とDXの交点」などで深堀した方がよい