あらすじ
リーガル・リテラシーを用いてあらゆる課題や実務に対応する弁護士は、社会インフラの要である。ときにこの国の形を整え、またビジネスの現場で攻守にわたり力を発揮する。しかしこの人材が質・量ともに危機的な状況である。本書では、ロースクール・司法試験という人材の供給過程を徹底的に検証する。彼らが支えるべき経済や社会のあらゆる活動――経営、企業法務、国際取引、AI、テクノロジー、地方など、主に法廷外での活躍の必要性と可能性を洗い出し、アップデートする。
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Posted by ブクログ
日本において専門家は不足しているのか余っているのか、常に議論される問題である。
少子化の中では、この議論はそもそもマーケット全体が縮小するならば常にあまり気味という議論になりがちである。既存の専門家からみても増員は困るということで増員には反対し、結果として増加に否定的な結論に導かれがちである。
しかし、専門家が少なすぎて、専門家を使う事を考えずに何でも自分で行おうとするならば、常に専門家は余って見える。仮に士業が100人になったとしても、士業余りと見えるのだ
相続や空き家問題、耕作放棄や里山荒廃などの分野は、日常テーマだけに専門家を入れずに自分で行うケースが多く、結果として壁にあたり中途で手続きが止まって時間だけが経過していることが原因なのかもしれないと、いろいろ気づかせてくれる本
一読をおすすめします
Posted by ブクログ
総論とそれに修練していくような著者たちの所感がよく整理されており、論点もはっきりしている。これを読んで司法というインフラを機能させるために必要なことがわからない人はいないのではないか。
そもそも日本では法教育が少なすぎる。ルールも知らず教えてくれる人もいなければゲームには参加できない。
Posted by ブクログ
身近に法曹界を志す人がいる身として、とても考えさせられる内容でした。
弁護士の今、人材不足だけど人が集まらない状況。
今の時代、稼ごうと思えば稼げる仕事や業種は以前よりあるから、あえてこんなに苦労して時間をかけて勉強して、合格率の低い司法試験を受けるなんて割に合わないと思う人が多いのも納得だな、と。
なったらなったで、稼げる都会の弁護士事務所に集中、たくさん課題はあるなと感じています。
でも、どんどん不祥事やトラブルなど訴訟になったりすることは増えているから、弁護士はもっと増えた方がいいはず。
質の良い弁護士が増えるためには、まず志す人がたくさんいることが大切というところに共感しました。
Posted by ブクログ
書店で気になったもの。リーガルリテラシーはさておき、法曹の世界そのものについても知識が無いので、こういう内容も興味深いかな、と。医療界と相通ずる部分も多く、妙に納得できるところも多かった。考えてみれば、法の下の平等と謳う、まさにその世界の話だから、男女格差の少ない職業って言われると、さもありなんだな、と。本書のごとく、内部からの機運も高まり、司法試験の門戸がもっと広げられるようになるなら、かなり魅力的な学問分野では、と思えてしまった。今後の動向も要チェックや。