【感想・ネタバレ】21世紀の「男の子」の親たちへ――男子校の先生たちからのアドバイスのレビュー

あらすじ

男子校(麻布、栄光、海城、開成、芝、修道、巣鴨、東大寺、桐朋、灘、武蔵)のベテラン先生たちが「これだけは間違いない」ということを根拠に、今の「男の子」の親として心得ておくべきポイントをまとめました。幼児から思春期のお子さんをお持ちの親御さんに、ぜひご一読いただきたい一冊です。※本書は同著者の『開成・灘・麻布・東大寺・武蔵は転ばせて伸ばす』の各男子校の先生方のお話から抽出し、新たに他校の先生のコメントを加え再構成したものです。同一のコメントが掲載されていますが、内容はまったく別の新しい本です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

21世紀におけるいい男の条件とは?
から始まる。

これからの男性像など
有名男子校先生の言葉やエピソード沢山で面白い本。

第一章はジェンダー、
AI時代、
グローバル、
自由とは?
女の子の母なのに、男の子のほうから読んでしまいました。
子供の親だけでなく、
これから社会で働く大人にも刺さる本。
面白かったです!

ネタバレ、
結婚相手に求める条件は、
一位、人柄(男女共に1位)
二位、家事育児の能力
三位、経済力と仕事への理解が同率

共働きが当たり前の時代となったいま、
男性への経済力だけでなく、
妻のキャリアへの理解力が大切


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2022年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何きっかけで読もうと思ったかは忘れました。
表紙やタイトルからはちょっと胡散臭い印象を受けたのですが(個人の感覚ですw)、なかなか良かったです。

以下、印象に残ったところ。
・「先行き不透明な時代には、いい意味で『出たとこ勝負』ができるひとに育てるしかない」(p.5)
・「イクメン」という言葉が市民権を得た2000年代後半。「これは喜ばしいことではあるのですが、現実的な男性たちの立場からすれば、従来の労働者としての責任に加え、家事や育児の責任も増えたということができます。」(p.20)
・『ルポ東大女子』より40代東大出身女性のコメント。「配偶者を考える場合は、好きとか気が合うとかという点のみならず、自分のプロモーションと女性がプロモートされることをイコールで考えられるひとかどうかまでを確認しておくべき」(p.27)
・性教育、オープンに話せばいいわけでも早ければいいわけでもない。子供の発達には段階があり、発達と共に感受性が増す。「発達段階を無視した性教育は、早期幼児教育と変わりません。」(p.33)
・「共学のパラドクス」。男子校では、女子マネージャーがおにぎりを握ってくれたり、洗濯をしてくれたりしない。女子校の文化祭では、重い荷物を運んだり、大道具を組み立てたりするのも、男手に頼らず女子のみでやり遂げる。逆に共学校の方が「男女両方がいるからこそ、大人たちの社会の性的役割意識がそのまま入り込んでしまう危険性があります。」(p.43)
・麻布中・高校長・平先生のコメント。「うちのいいところは、たまに心が女性の生徒がいたりしても、自然にそれを受け入れる雰囲気があるところ」(p.47)
・「AI時代だからこそ、ひとの感性による『補正』が重要になります。」(p.56)
・スマホとの付き合い方。「小さいときに火や刃物に十分に触れて、危険との付き合い方、距離の取り方を十分に学んでおいた子供は、その感覚をもとにして、便利だけど危険な文明の利器も比較的短期間で使いこなせるようになるのではないでしょうか。」(p.63)
・これからの時代(も)身につけるべき「読解力」とは。「新聞を一通り読解できるというのは、おそらく多くの大人が『そうあってほしいな』と考えていること。しかしそこから先に、“自分なりの批判ができる”という部分は、わりと意識されてないのではないでしょうか。」(p.69)
・人間は理路整然と間違える。論理が間違っているのではない。解決しなければいけない課題が大きければ大きいほど、正しい判断をするために必要な判断材料をすべて集めることなど原理的に不可能。不完全な判断材料は偏った前提を提供する。前提が偏っていれば、その上にいくら緻密な論理を積み上げたところで、正しい結論は得られない。同じことがAIにも言える。あらゆるデータを取り込んだところで、ほんのわずかな部分を切り取っただけに過ぎない。それをあたかもすべての情報と捉えて判断すれば、とんでもない結論になる。「つまり、これからはAIの時代といわれてはいますが、世の中の複雑な課題解決をAIに任せたら、かなりの確率でとんでもない結果になる。」(p.77)
・情報化できない情報「感性」。感性を育むには?灘・大森先生のコメント。実体験をいっぱいさせる。土の上を裸足で歩く、季節の感覚を味わわせる、電車に乗せる、動物を見に行ったり触らせたり。市場に行くといいが、なければスーパーでもいい。想像力を発揮するにはベースがいる。イメージの元、類推のベースを、小さいときにいかに作るか。どこに行ったかという記憶より、皮膚感覚が大事。(p.80)
・栄光学園中・井本先生のコメント。子供が没頭する2つの条件。「一つは自分のやり方で自由にできること。もう一つはモヤモヤが置かれる」こと。「自分の中にモヤモヤしたものがあると解決してスッキリしたいと思うでしょ。だから答えを言わないでしばらく放っておいたほうがいい」(p.89)
・海城の校長・柴田先生のコメント。「身近にあるちょっとした葛藤すべてが、自分を開くチャンス」。「たとえば電車の中でお年寄りに席を譲ろうかどうしようかもじもじしてしまっているようなとき。思い切って席を立ち、『どうぞ』と言ってその場を立ち去り、自らすがすがしさを感じた経験があるひとは多いのではないでしょうか」(p.115)
・「子供に何を教え授けるべきか」に終始する教育議論は、「使うか使わないかわからないようなアプリを片っ端からスマホにインストールするようなこと」。それよりも「スマホそのものの性能を上げておく」ような教育を。(p.118)
・「人生における『決断』の良し悪しは、決断したときには決まらない。決断したあと決まるのです。自分の『決断』を事後的に『正解』にできる力こそ、“正解のない時代”に『自ら正解をつくり出す力』になるはずです。」(p.132)
・「正解のない問いを問いとして抱え続けるということは、俗にいう“哲学する”ということです。」(p.139)
・心理学者ジャン・ピアジェによると、14歳くらいから高度に抽象的な思考ができる=哲学ができるようになる。哲学をし始めるからこそ、色々なことに疑問を持ち、葛藤を持ち、反抗する。しかし、日本の教育システムでは、14〜15歳という最も多感な時期に高校受験がぶつかる→中高一貫の価値(p.140-143)
・「『成功』をもたらすのは、IQの高さよりもGRIT(註やり抜く力)の強さ」(p.178)
・ぼーっとする時間を奪わない。「ひまなときにこそ、子供は自分の時間をどう使おうか考えます。自発性や主体性が芽生えます。自分が、何を好きで、何をしているときが幸せで、何を欲しているのかを感じ、自分自身を知る時間でもあります。」(p.181)
・灘の大森先生のコメント「もちろん少年の関心は変わります。変わったときに、『あなた、あんなことしてたのに、どうしたの?』でなくて、子供の変化をまた認めてあげてほしい。それをまわりの大人がありのままに認めてあげることができれば、子供は決してねじ曲がらない。私はそう思っています。」(p.197)

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2020年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

有名な進学校の先生のインタビューコメントが載っているが、親としてはまずは「そこそこの知力と体力」を小学生のうちから身につけさせてそのレベルの学校に入れるまでハードルがあると思う。。

「AI時代に必要な力」とは以前より変わらず、これからの時代を生きていくために必要な力は、「そこそこの知力と体力」「やり抜く力」「自分にはない能力をもつひととチームになる能力」は同意。
これに「心底誰かを愛する経験」もなると運も必要そうだ。

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・14〜15歳という年頃は、旅に出て、書物を読み、冒険し、失敗し、仲間とぶつかり合うなかで友情を育み、親や先生以外のいろいろな大人の価値観に触れ、自分を知り、世界を知る時期なのです。

・子供の成長に合わせて、親も愛し方を変えなければならないということ

・子供は決して勝手にねじ曲がらない

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2020年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

行動指針
①子供にスマホを渡すときは、ナイフを渡すのと同じくらいの気持ちで渡す。
②幼児期は、自然に親しむ、ひとと関わる、身体を動かして遊ぶ
③結局のところ、親は実は無力である。これを理解した上で、「だからあなたは自分で生きていくしかない。でもあなたにはそれが必ずできるはず」というメッセージを送る

以下、印象に残ったこと。

これからの男性は仕事ができるのは当たり前で、そのうえにパートナーの仕事への理解があって、育児や家事もそつなくこなせなければいけない

ネットの事件に対して、あんた、こんなことしてないでしょうね』という話題の振り方がいちばんまずい。信用していないというメッセージ。『あなたはどう思う?』とかいう形で話題を振ってほしい。

スマホはナイフと同じ。鉛筆削ったり、皮をむいたり便利だが、使い方を誤れば人を殺すこともできる。スマホも同じ。スマホを渡すときは、ナイフを渡すのと同じくらいの気持ちで渡そう。

感性が大事。人間は、自分のまわりに無限の宇宙が広がっていることを直感的に知っている。自分には計り知れないことがあることを大前提に、畏怖の念を抱きながら生きている。

字を覚える、計算ができるではなくて、実体験が大事。

「幼児期に大切なのは身体をつくること、そして知識よりも感性を磨くこと。そのために必要なことが3つあります。自然に親しむこと、ひとと関わること、遊ぶことです」

自然に親しむのは、たとえば生き物と触れ合うとか、海や山に行ったり、星や月や太陽を見たりとか、そういうこと。生き物は犬や猫でもいいし、昆虫でもいいし、花でもいい。そういう具体物にたくさん触れることが大切です。

それから、遊ぶ。ビデオとかを観るんじゃなくて、体を動かして遊ぶということ

子供は、授業を聞いているときではなくて、自分の頭で考え没頭しているときにいちばん伸びます。子供が没頭するには二つの条件が必要です。一つは自分のやり方で自由にできること。もう一つはモヤモヤが置かれるってことです。自分のなかにモヤモヤしたものがあると解決してスッキリしたいと思うでしょ。だから答えを言わないでしばらく放っておいたほうがよい。

もしいい年齢になっても「困った行動」がやまないとしたら、原因はしつけではありません。なんらかの不満があり、無意識的に成長することを 拒んでいる状況と考えられます。ありのままの自分の姿を認めようとしてくれない親に対して、 無意識的にわざと 親の望むのとは逆方向へ進もうとするのはよくある

一度死のうと思った子供の親は、「ただ、生きていてくれればいい」と、それだけを願うようになるのだそうです。「いい成績なんてとらなくていい。学校なんて行かなくてもいい。わが子が生きていてくれるだけでありがたい」とようやく思えるようになる。逆にいえば、その気持ちを忘れていたからこそ、子供はわが身を犠牲にしてまで、それを伝えなければならなかったということです。
心をボロボロにされてしまった子供に接する大人に必要なのは、心理学の知識でも、法律の知識でもないと、その運営者は言いました。「私たちにできることは、結局子供といっしょにオロオロしあげることだけなんです。でもそれがいちばん大切」

「あなたのために」とあれこれ考えるのは親の 性 です。しかしだからといって自分の期待通りの人生を子供に望むことは、親のエゴにほかなりません。

子供が育つうえで、もちろん親の影響は絶大です。しかし、あえて言います。「結局のところ、親は実は無力である」 そう思って、「だからあなたは自分で生きていくしかない。でもあなたにはそれが必ずできるはず」と無言のメッセージを伝える

大学時代のアメリカンフットボール部の創立 50 周年記念パーティに参加したときのことです。そこで 僭越 ながら、壇上からひと言申し上げる機会をもらいました。私は現役選手に向けてこう言いました。 「僕は教育に関わる仕事をしています。その経験から言わせてもらえば、学ぶべきことの優先順位は常に『いましかできないことをしろ』です。社会で活躍している大人たちが、君たちのことを思って、いろいろなアドバイスをしてくれるでしょう。でも、こんなスキルを身につけておいたほうが将来仕事で有利だとか、スタートアップをするつもりならいまのうちから人脈をつくっておいたほうがいいとか、そんなこざかしいことは考えるな。いましかできないことをしてください。君たちにとってそれは何か? 練習と恋愛です。

心底誰かを愛する経験をすれば、世界を見る目が変わります。宇宙に対して無責任ではいられなくなります。そうすれば、自分がこれまで得てきた力をどういう方向性に使っていけばいいのかが、自然にわかるようになります。それでこそ精神的に自立した一人前の大人ではないでしょうか

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2021年03月30日

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