あらすじ
新宿駅全体の1日あたりの乗降客数は約350万人になる。
350万という数は、大阪市の総人口約270万人を軽々超えている。
1885年の開業当初は1日平均36人の乗降客数だった駅が、なぜこれほど多くの人々に利用されるようになったのだろうか。
またなぜ新宿駅は永遠に工事を続けなければならない運命を背負うことになったのか――
本書では新宿駅の歴史をたどり、「世界一」の駅になった由縁を考察する。
■著者紹介
西森 聡(にしもり そう)
1954年東京生まれ。旅カメラマン。ヨーロッパ、とりわけドイツやスイスを中心に撮影。著書に『ぼくは少年鉄道員』(福音館書店)、
『ヨーロッパ鉄道紀行 15日間で6ヵ国をめぐる車窓の旅』(コロナ・ブックス、平凡社)、
『そうだったのか、乗りかえ駅』『そうだったのか、路面電車』(交通新聞社新書)、
執筆の仕事に『世界の車窓からDVDブック』シリーズ(朝日新聞出版)などがある。
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Posted by ブクログ
2019年に書かれた本。東西自由通路が出来る前に書かれた本。新宿駅の歴史がメインの内容で、その当時新宿駅やその周辺で見られた光景を紹介しながら、今の複雑なホームが出来上がった過程を見ていく。
新宿駅は乗車客だけで78万人で世界一、ということだが(p.14)、ということは世界ベスト3ってどこなんだろう、というのが気になった。あとやっぱり大阪や難波なんかはこれに比べたら全然少ないのだろうか?というのも気になり、もっと広いデータが載っていれば面白かった。正直、新宿駅の歴史についてはあんまり興味が持てなかったのだが、ところどころに面白いと思えた箇所があった。まず、謎に離れている「西武新宿駅」について。「地下に西武鉄道の新宿駅を設ける」(p.91)というプランもあったらしいが、「結局、西武鉄道の新宿駅は仮駅舎開業から約70年、現在の場所にある。」(p.92)ということになってしまった。でもこれにはプラスの面があって、「西武新宿線のターミナルが西武新宿駅と高田馬場駅に二分されることによって、ラッシュ時の混雑の緩和が図られている利は大きい。また、西武新宿駅は歌舞伎町の繁栄に貢献しているということもよく言われる。」(同)という、そういうこともあるというのは思いつかなかった。最後は、これからの東西自由通路を含めた新宿駅の展望が書いてあるが、「新宿駅に新幹線を」(p.163)という計画があるらしく、「上越新幹線の本来の起点は新宿駅で、まだ未開業という状態であるし、タカシマヤタイムズスクエアの地下には新幹線駅のスぺースが確保されている」(p.163)というところが最も驚いた部分だった。(20/09/27)