あらすじ
「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは――。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった…!」恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。
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Posted by ブクログ
2025/12/15
4つの短編からなる小説で、それぞれの話は独立しているが、青春時代の恋や、人を思う気持ちについてのほんのりした話が多い。
タイトルは1番最初の話。
先輩からの依頼で百瀬という女子と恋人のフリをすることになった男の子についてのストーリーである。
その後に収められている3つの話も人が惹かれていく過程を少しミステリアスに、少しユーモアを交えて、少し現実味を持たせて展開されている。
とても読みやすく、そう感じる要因もあとがきに書いてあって納得。
別の作品も読んでみたいなと思いました。
Posted by ブクログ
表題作の映画をみて買った文庫本。ちなみに短編集
印象に残った「先輩はニルアドミラリなんだ」って台詞、映画オリジナルだったんだね。良き。
表題作も好きだけど、
#なみうちぎわより の方が好きかも!
水難事故により五年間眠り続けてた女の子が目覚めて、
かつて勉強の面倒を見ていた生意気な年下の男の子との関係の変化を描いたお話。
ソーダ水のような、それこそ波打ち際のように感じる淡い記憶みたいな優しい気持ちで読める。
敢えてひらがなで書いてあるのが多いのもその理由なのかな。素敵な本でした。
Posted by ブクログ
短編4編、どの話も濃縮されていて素晴らしい。読後感も爽やか。かなりよかった。
第一印象は大事だけど、人としてのつきあいがあって、いろんなことに気づく。甘酸っぱい。
Posted by ブクログ
少し前にブク友さん達が次々にレビューをあげていて、読みたかった一冊。
著者の本は「くちびるに歌を」「吉祥寺の朝日奈くん」に続き3冊目ですが、これが一番好き!!
4つの短編が収録されていて、どれも自己肯定感の低いタイプの高校生が主人公。
自分のことを“人間レベル2”と自虐したり、教室の中で存在を消したり…
そんな彼らの甘酸っぱい恋愛体験は、切なくてちょっと苦しいのです。
まず、表題作「百瀬、こっちを向いて。」
の最後の一文に、ズキューンと胸を撃ち抜かれました。
うわぁ~、なにこれ?
最高なんだけど!?
そして、4編どれも終わり方が良い。
読者がその先を想像してしまう。
余韻を楽しむ時間がまた胸キュンなのです。
また、主人公の友人達も存在感がある。
特に不可欠なのは「百瀬、こっちを向いて。」の田辺くんでしょう。
あと「小梅か通る」の松代さんと土田さん。
優しさと友情には思わず涙が溢れます。
この4編のテイストを、
「ソーダ水のような、ちょっぴり刺激のある、爽やかな甘味」
と解説の瀧井朝世さんが表現していますが、まさにその通り!
またまた青春時代に戻れた読書時間でした❥❥(´ε` )
Posted by ブクログ
最後の話が一番むずむずしたかもしれません泣
全てあとはご想像にお任せタイプで、あまり好みではなかったけど、とても面白かったと思うので、星4です
Posted by ブクログ
表題作である「百瀬、こっちを向いて。」を含めた4つの短編小説で構成されている。どの内容もしっかりしていて面白かった。その中でも、「キャベツ畑に彼の声」と「小梅が通る」はもう1回読みたい。面白さは、ストーリーと登場人物全員がしっかりしているからこそだと思う。
Posted by ブクログ
爽やか!!切なくて辛い恋なんてしなきゃよかったって思う事もあるけど、恋って自然に落ちるものなんだよね。人間誰しもピュアな頃があって、その頃を思い出させるそんなステキな短編集でした。
Posted by ブクログ
ほっとするような恋愛短編。
個人的に胸に刺さったのは「なみうちぎわ」「キャベツ畑に彼の声」
どの話も初恋のやるせなさだとか、恋をしているときの空気感とか、その時じゃないと出せない情景が溢れていて懐かしさを感じた。
爽やかな朝に読みたい本。
Posted by ブクログ
4つの恋愛のストーリーが書かれており、普段あまり恋愛小説を読まない私にとってはちょうどいいお話の長さで読みやすかったです。
特に1番好きなのは「小梅が通る」で、読んだ後は思わず笑顔になってしまいました。
真っ直ぐでピュアなお話しで、青春時代に戻ったような、そんな気分にさせてくれました。
あと「百瀬、こっちを向いて。」で主人公の友人である田辺くんが主人公の辛い恋愛体験について「尊いことだよ」「大切にするべきことだ」というワンシーンがとても大好きです。
言葉選びや考え方がとても素敵だなと思いました。
Posted by ブクログ
2024年
鑑賞作品 No.22
《感想》
どこかさびしく切ない恋を描いた短編4話
心がキュッと締め付けられるようなこの気持ちはなんだろう…
個人的には4話目の物語が一番好き。
結論だけ見れば、やんちゃな男子が物静かな女子に恋するというありきたりで平凡な作品ではあるが、そこに至るまでの過程が愛おしい。
主人公の女の子が、街ゆく全ての人を釘付けにするほどの美少女でありながら、学校ではブサイクメイクをして真の顔を隠しているという設定に驚く。
そんなことあるか!と突っ込みたくなるところだか、それがこの物語の核心だろう。
人は他人を見た目で判断するということ、そしてそれによって傷つく人がいるということをリアルに描いている。誰もが、相手の中身を見て好きになることが素敵だ、とは思っているがそれは理想の域を出ない。
でも人が人の心を好きになることを願っている人がいることも事実。
だからこそこの物語が多くの人に愛されるのだろう。
Posted by ブクログ
【その人を好きになることもある。】
4つのショートストーリーが収められている。人を好きになる過程が人ぞれぞれ、というか、まず恋愛以前に、個人レベルでその人を考えたり、思ったり、想像したり、そんな時間を他の人よりも断然長く過ごすことになる何かしらのきっかげがそれぞれなのかなーとか思った。どこで落ちたのかは分からなかったり。落ちてるかも信じられなかったり。だからそれが現実の恋愛になってもならなくても、等価値だと思った。人を思うことって美しいと思った。
「愛とは状態のことで、恋とは状態が変化するときに放出される熱なのではないか。」
Posted by ブクログ
後ろの解説にもありますが、簡単な言葉でも漢字ではなくひらがなで書かれるのが私には読みにくかったです。
恋愛小説に今まで触れてこなかったので、読んでいて普段使わない胸の内のキュン受容回路が動く感じがしてハイカロリーでした。
物語の最後で謎が解ける時の気持ち良さが、短編なのに満足感があって良かったです。
かなり好き。最後の書き下ろし「小梅が通る」が1番好きです。
Posted by ブクログ
興味をそそるような設定の中で展開されるピュアな恋愛小説集。性的な描写もなく健全です。そんな小説を斜め読みしている自分はずいぶん汚れてしまっていると思いかなしくなる。
年配な人達もたまにはこんな小説で昔の気持ちを取り戻すのもいいかも、とも思った。
Posted by ブクログ
短編、どれも面白かったです!
百瀬の話をもう少し長編でみたいなと思った。
いろんな恋愛の仕方があるんだなあ
出会いとはどこから降ってきてどこでつかむのか計り知れないから面白い。
Posted by ブクログ
百瀬、こっちを向いて。
相原ノボル
高校一年生。薄暗い電球のように覇気がなく、学力も運動能力も平均以下で、社交能力は五歳児以下、髪の毛もぼさぼさて服装もださださのクラスの底辺。
百瀬陽
野良猫を思わせる瞳。
髪の毛は真っ黒でまるで野生動物のようにシンプルな格好良さがある。
神林徹子
高校三年生。高校で一番の美人。背が高く、髪の毛は腰まである。
宮崎瞬
高校三年生。バスケットボール部。徹子と付き合っている。ノボルとは家が近所で母親同士が仲がよかった。ノボルにとっては兄のような存在だった。
田辺
ノボルのクラスメイト。ノボルが高校に入って唯一できた友人。
なみうちぎわ
餠月姫子
小太郎の家庭教師を引き受ける。
百合子
ひとつ年上の姉。
灰谷小太郎
登校拒否している小学六年生。入江で泳いでいた少年。
井原
いはらだが、いばっているからイバラと呼んでいる小太郎の担任。不登校の原因。
キャベツ畑に彼の声
本田先生
高校の国語教師。二十六歳。
小林久里子
テープおこしのアルバイトをしいる。十七歳。
可奈子
本田先生の妹。
小梅が通る
山本寛太
クラスメイト。
春日井柚木
しもぶくれ顔、ホクロ人間。地味で目立たない女子グループの一員。
松代
背が高く、幸の薄い顔をしている。地味で目立たない女子グループの一員。
土田
ふくよかな体型。地味で目立たない女子グループの一員。
山本慎平
寛太の弟。
Posted by ブクログ
恋愛短編小説集。
甘酸っぱくも、ときにユーモラス、ときにコミカルで、
簡便な言葉遣いで進んでいきますが、
存分にハートをつかまれてしまうおもしろい作品群でした。
イージーな言葉遣い、とくに平仮名を多用するのは、
若い人の中でも、あまり本を読まないようなひとでも
楽しんで読めるためなのかなあ、
そういう層を中心視したエンタメなのかなあと思いました。
とはいえ、僕みたいなアラフォー男が読んでも、
「おもしろかったーー!」とたいへん気持ちがよくなるくらい、
ちゃんとした作りです。
語られることは懐かしい気持ちにさせるところもあるけれど陳腐じゃないし、
読書時間が好い時間として過ごせました。
そうなんですよね、
人によっては文章の簡便さゆえに
物足りない恋愛小説かもしれないですが、
僕にとっては大切なものが語られているなあと思える作品群だったのですよ。
このくらいのイージーさでちゃんと楽しませてくるものを作られると、
書き手としてはプレッシャーになる(アマチュアだとしても)。
とくに今書いているものが難産だと余計に。
表題作の「百瀬、こっちを向いて。」は出会いがしらの序盤こそ、
ライトノベルって読んだことが無いけれど、
これがライトノベルっていう感覚の文章なのかな、と感じましたが、
1/3くらいを過ぎるとじっくり読めるものとして、
文章を目で追っていました。
最後の作品、「小梅が通る」がこのなかでもかなりお気に入りになりました。
無事平穏にきらきらとして、さして大きな問題も無い日常を過ごしている人より、
コンプレックスがあったり問題を抱えていたりして、
日常を過ごすのすら息苦しさがあったりする人が主人公のほうが、
読んでいるこっちの気持ちがほぐれてくるというか、
やさしくなってくるのはどうしてなのでしょう。
本作品集、4編のうち、3編の主人公が女子です。
男性作家で女子の一人称でおもしろいのは太宰治の「女生徒」ですが、
太宰のライバル格としてもいいくらい、
今作の女子目線短編は面白かったです。
女子のなまめかしさみたいなのがでてくると、もうノックアウトでしょう、
そのあたりを突き詰めるのは書き手としておもしろいかも、
と無責任かつ無邪気に思い浮かべてみるのでした。
本作こそ、おすすめしたいなあと思える本です。
Posted by ブクログ
「百瀬、こっちを向いて。」を含む短編集。
映画を観てから原作を読んでみたけど、映画とはまた少し違った内容で、これはこれで一つの作品として読めた。
神林先輩の鬼灯。色んな解釈が出来てゾワっとした…。
Posted by ブクログ
高校生がメインの青春恋愛小説の短編集。
いずれの作品も、恋愛に奥手なやや陰キャの主人公による初々しい雰囲気のお話たち。
自ら告白して始まる能動的な恋愛には二の足を踏んでしまうような高校生たちのために、作者が用意した偶然の出会い・結びつきはなかなかに趣向にとんだもの。
どうしても短編であるが故の消化不良を感じ、もっと紆余曲折あっての盛り上がりを欲してしまうのですが、その意味でも短編集としては成功なのかな。(単純にこの読者本人が短編集向きでない人間なのかもしれません)
Posted by ブクログ
『私は存在が空気』を読んだ際、こちらの紹介がされておりうっすらと記憶に残っていました。
ある日本屋に行き、本棚を眺めていると『百瀬、こっちを向いて』という見覚えのある題名が。読んでみたい気持ちがずっと心のどこかにあり、すぐに手に取り購入しました。
読みやすく楽しみながら読めました。中田さんの他の作品もまた読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
「なみうちぎわ」と「小梅が通る」が面白かった。
短編いいけど、長編に慣れるとやっぱり少し物足りなさ感じるな〜。
読書初心者でも読みやすいかも。
Posted by ブクログ
4つのお話からなる。
百瀬、こっち向いて。
自称「人間レベル2」の相原ノボル。
宮崎瞬(ノボルの幼馴染)の浮気相手兼ノボルの彼女役。
神林という完璧彼女がいながら。
この4人の奇妙な関係、本当の役者は誰だったのか?
ダブルデートをしたとき、拾った鬼灯を瞬に手渡した神林はどこまで知っていたのか。
百瀬との間は、役が終わった後も繋がっている。
なみうちぎわ
1997年、高校一年の姫子。
姫子は登校拒否をしている小太郎(小6)の家庭教師をする。
9月。小太郎が溺れたのを姫子が見つけて助けるが、逆に姫子が溺れた。
意識が戻らぬ5年。ずっとそばで見ていた小太郎は、姫子に恋心を抱いてた。姫子はそれに答える。
キャベツ畑に彼の声
女子高生の久里子は26歳の国語教諭本田の秘密に気づく。
本田は北川誠二を名乗るゴーストライター。
書くのは妹の可奈子。
久里子は秘密を守りながら、生徒をしている。
憧れが好きという気持ちになり、抑えておけずに手紙を手渡す。
小梅が通る
高校二年の美少女春日井柚木。
彼女は周りの目を引くのを嫌い、ブスメイクを施して学校に通う。
ふとしたことから同クラスの山本寛太に話しかけられる。
寛太のバイト先で、柚木は素顔を見られてしまい、とっさに子役のときの芸名「小梅」と告げる。
柚木の心に傷を作ったのは中学の同級生。
救ったのは高校の友人達。ブスメイクにも気づいてた。
寛太の弟である慎平はすぐにブスメイクを見抜くが、寛太は判らない。
寛太は小梅と勘違いしながら、柚木に告白する。
焦れったい青春だなぁ・・・
この人に、恋愛書かせるとこういう風になるんだ。