あらすじ
イザベラ・バード『朝鮮紀行』の4年前に出版されながら、長らく黙殺されていた“幻の書”が、待望の現代語訳で、120年ぶりの復刊! 村落、市街、商売、差別、喧嘩、冠婚葬祭、性風俗、日本人居留地……日本人が記録した、日清戦争前夜の朝鮮半島の姿。 本書の記述からは、風俗や社会だけでなく、日本と朝鮮、東アジアとの関係をうかがうことができる。韓国との歴史関係を知るための必読史料である。
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Posted by ブクログ
この本は、明治時代の朝鮮の様子を実際に見た著者が書いた紀行文であり、当時の習俗がよくわかるものである。元々は1894年に二六新報という新聞に連載されたもので、有名なイザベラバードより4年も前に発表されたものである。今の感覚で読むと偏見や傲慢に思える点も多々あるが、率直に韓国の良さを認めているところもある。解説でも触れられているが、当時の知識層が持っていた社会進化論に基づく民族優劣などから考えるとまだ客観的に書かれた方なのだろう。そのあたりは割り引いて読み、明治のころの朝鮮の様子や人々の生活を理解して思いをはせるには良い本だ。ところどころスケッチもあり、様子がよくわかる。