あらすじ
周りにわかってもらえず、ただただ辛かった子ども時代、克服しようとして反動に苦しんだ学生時代。そして、ある出会いをきっかけに、かんもくとつきあえるようになるまでを、当事者本人がコミック化しました!
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Posted by ブクログ
場面緘黙について書かれたコミックエッセイです。
自分も軽度の場面緘黙があるのでとても共感できましたし、自分だけじゃないんだという安心感も得られました。
この本をきっかけにもっと緘黙の認知が広がっていくのだと思うと、著者の方には感謝と尊敬の気持ちしかありません。
(著者は家庭環境が原因の全てではないとおっしゃっていますが)小さい頃に虐待やいじめを受けていてだんだん喋れなくなっていく場面があって読むのが辛かったです。
最後は前向きな形で終わっているのが救いでした。
私も、「うん」か「ううん」で答えられる質問の形にしてくれるのはとてもありがたいです。
ただ「うん」と答えたつもりなのに「ううん」だと勘違いされてしまうことがあります。
訂正すらすることが難しい時もあるので、自分の考えていることが(どんなに些細でも)伝わらない、逆の意味で解釈される、というのは尾を引いてモヤモヤします…。
この辛さは意図を汲んでくれない相手に対する嫌悪よりも、みんなは当たり前にできているのに自分はちょっとした返事すらも上手くできないのかという自己否定が強いです。
本書には緘黙を否定するのではなくて受け入れていくこと、自分のペースでゆっくり向き合っていくことが大切だよというメッセージが込められていて、救われた気持ちになりました。
出会えて良かった一冊です。