あらすじ
「主体的・対話的で深い学び」「AL」「カリマネ」の目指すベクトルは、すべて「授業改善」に向けられています。
「学びの質に着目して、授業改善の取組を活性化しようというのが、今回の改訂が目指すところである。平成26年11月の諮問において提示された『アクティブ・ラーニング』については、子供たちの『主体的・対話的で深い学び』を実現するために共有すべき授業改善の視点として、その位置付けを明確にすることとした」
(中央教育審議会答申、平成28年12月)
「学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、第3の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、次の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り、児童に生きる力を育むことを目指すものとする」
(小学校学習指導要領第1章総則2、平成29年3月)
新しい学習指導要領が求める、これからの授業改善とは?
授業には、あなたの授業を改善するために欠かせない「見方」があります。それを解き明かすことが本書の目的です。
他者の授業を見るという行為は、言うなれば教師自身の問題解決的な学習そのものです。いくつかの視点に基づいて見ることによってはじめて、参観者(自分自身)にとってその授業に意味と価値が生まれます。そして、その意味と価値を材料として自分の授業の問題解決を図っていく、そういう種類の問題解決的な学習なのです。
授業は生き物です。同じ内容、同じ指導案であっても、教師と子供が違えば授業の姿もまた様変わりします。そのため、偶発性や固有性に頼ると見誤ります。重要なのは、授業の根底に流れる法則や本質を「見抜く目」です。
その目は、知らず知らずのうちに、あなたの授業を変えてくれます。そのような意味で、「授業の見方」とは、授業改善のための自動装置にほかなりません。授業を見る目が磨かれれば、授業はどんどんよくなる、もっとおもしろくなるのです。
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本書は、学習指導要領改訂のキーマンの一人である澤井陽介・文部科学省視学官が、新しい学習指導要領が求める教師の指導力とは何か、授業をどのように改善していけばよいのか、「授業の見方」を通して、その手法のすべてを明らかにします。
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Posted by ブクログ
わかりやすい!
特に指導を書く際の
ねらいは手段と目的と一つながりだったのかと
今更ながら初めて感じた。
何のためにどこを目指すのかそのためにどんな手立てをうつのか。
ひたすら論理的だ。
「子供のなかで前時と本時の「問い」がつながりません。」
これは特にそう思う。
学習問題を子どもとともに考え、予想させ、
そこから学習計画を立てたとする。
その1時間1時間で子どもの問いに連続性を生み出すには
どうすればよいのか、今の悩みだ。
調べるときにも教師が用意した資料を調べる。
教師がゲストティーチャーを招き、話を聞く。
これでよいのかな、、、と思う。
子どもの調べる技能はついても
自分から調べるという学び方はつかないと思う。
調べるっていうのはただ資料を読み取るってだけではなくて
その資料を自分の足でゲットしにいったり、
その人がどこにいるのか探しにいったり、
そんなことまで包含したいのは欲張りすぎなのか、、、
Posted by ブクログ
小学校で特別授業をするにあたり、授業を行なうにあたり重要な視点を確認する事ができました。
教師では無い私にも、子供のための授業、良い授業についてのフレーミングをもたらしてくれました。
Posted by ブクログ
なかなかない切り口の本。他の先生の授業を客観視することは、自分の授業を改善することにつながりますよね。そういえば某職場で「このような生徒の学習の取り組みについて見て欲しい」ってねらいに書いたのに、皆さん私しか見ていないことがあったなあ…。
Posted by ブクログ
授業を見ること自体が「教師の問題解決学習」だという観点から始まる本。「主体的・対話的で深い学び」とは何かをそれぞれ丁寧に解説した上で、授業の見方や指導案の見方といった基本をわかりやすく噛み砕いて解説している。
とても読みやすくて、わかりやすい本。
Posted by ブクログ
まず、著者の「視学官」という役職に惹かれました。
どんなお仕事をされているのだろう。。。
本書で一番興味深かったのは、複数人の教師教育者(指導主事等)の授業記録が公開されている部分です。
私の知る限り、このようなものを紹介している書籍を見たことがありません。
どの記録も授業の構造を網羅してあり、私の汚い記録とは大違いだなあと感じました。
記録を眺めながら、通常の指導案の定型フォームも記録スペースをつくるようにしたらどうだろう、と思いました。
イチから記録を作るのもアリだと思うけど、元々の構想とのギャップも見えやすくなるし、予定通りの発問なら重複して書く必要もなくなりそうです。その分、発言していない生徒の様子をじっくり観察することに時間が費やせそうな気がします。